SakuraとRenのイギリスライフ

美味しいものとお散歩が大好きな二人ののんびりな日常 in イギリス

大学を退学することにしました

2016年07月16日 | 【イギリス生活】学生生活
イギリスから日本に帰国してもうすぐ1年になります。
この間、日々の仕事に追われながら、博士課程を続けるかどうか悩んでいました。

仕事は忙しくて、平日はほとんど研究する時間を取れない。
平日忙しいから、休日は体力の回復に努めなければならず、あまり研究できない。
あまり研究できていないので、“研究の勘”が鈍っていく。
この状況はこれからも続いていくのに、このままでは博士号を取るのに必要な研究ができない。
そんなにいっぱい給料も稼いでいないし、資産もない中で、高い学費を何年も払っていくのか。

いろいろ考えた結果、イギリスの大学から退学することに決めました。
もともと研究者になりたいという夢を昔から持っていて、もしかしたら研究者になれるかも!と2年くらい前に期待していたりしたので、少し落ち込んでいます。
ただ、研究者にならなくても、アカデミズムは実務の世界でも活かせるし、活かさなければならないと僕は思っているので、これからも職業研究者としてではなく、アマチュア研究者として勉強は続けていこうと思います。

イギリスの大学から退学しても、イギリスへの愛着が消えるわけではありません。
最近イギリスが国民投票でEUから脱退するという結果を出したとき、イギリスで排他的・閉鎖的な気持ちを持っている人が半分以上もいることにショックを受けました。
でも、イギリスにいる僕たちの友人たちはどうやら「Remain」に投票してくれていたみたいです。
イギリスがこれからどうなっていくかは全く読めませんが、そんな人たちが暮らすイギリスのことはこれからも好きであり続けると思います。

これでイギリスの大学の博士課程の学生ではなくなったので、いかなる意味でも「イギリスライフ」ではなくなったのですが、このブログはもうしばらくこの名前のまま続けようと思います。
友人の皆さまでほとんど更新されないこのブログをまだ読んでくださっている方がどれだけいらっしゃるか分かりませんが、これからもよろしくお願いします。

(投稿者:Ren)

帰国の際に利用した、欧州ヤマト運輸について。

2016年03月31日 | 【イギリス生活】
イギリス滞在時に、Renが英語の本をたくさん買い、持ち物が増えました。
トランクに全部入るはずもなく・・・

運送会社にお願いすることにしました。

欧州ヤマト運輸株式会社
http://www.yamatoeurope.com/japanese/

料金は、荷物の大きさ、中身、引取りエリアによって変わってきます。
http://www.yamatoeurope.com/japanese/kokusaitakkyubin.htm
Londonが一番安くて、離れていくと高くなる感じですね。

私たちはArea2。
主に本を詰めた段ボールを7箱送ることにし、段ボール等の梱包材も含め
確か770ポンドぐらいでした。

見積もり等はメールで日本語でのやり取り、
段ボールを届けてくれたり、荷物を引取りにくる方は現地の方(英語)でした。

船便だったので、いつ頃日本に届くかなーと気長に待っていましたが、
引き取ってもらってから約2か月後、無事にすべて届きました。
特に何かがなくなったり、ひどいダメージを受けたりしたものもなく、
一安心。

無事に届いた本たちを、先日買った本棚に並べるのが、
最近のRenの楽しみになっています。

(投稿者/Sakura)

日本に戻ってきてからのことと、イギリス生活を振り返って。

2016年03月29日 | 日記
先日友人にブログ見てるよ!と言われ、放置していたことを思い出しました。
早いもので、日本に帰国して8か月。
すっかり日本での生活も慣れ、普通の日常に戻りました。

イギリスを発つときは、慌てて荷造りをし、慌てて会いたい人に会い、
どうにか無事出国することばかり考えていた私。

日本の新しい家に着いてから、
「あ、日本の家って家具付き・家電付きじゃないんだった・・・!」ということを
思い出しました。

真夏の東京でエアコンもない家に住むのは耐えられず、
国立の実家に数週間非難し、その間に最低限のものを調達、
1か月ほどで新しい家に戻りました。

気に入ったものがなかったり、一気に全部揃えるのは金銭的にもキツかったりで、
しばらくは不自由な生活が続きましたが、今は居心地の良い家になりつつあります。
(つい先日やっとタンスをゲットして、靴下がしまえるようになりました、とかいうレベルです。苦笑)

Renは帰国してすぐ仕事に戻り、
昔のように夜中の2時3時に帰ってくる生活になり、私も最近仕事を始めました。
グースを追いかけて近所を散歩をしたり、毎朝COSTAに立ち寄っていた日々が
懐かしいです。

イギリスでの生活は、私にとって貴重な経験になりました。
私たちはとても人に恵まれて、イギリスで会った方々にとても優しくしてもらって、
大事な友人もできました。
昔は苦手意識しかなかった英語も、ちょっとは分かるようになり、
例えば日本で流れていないニュースはBBCで観ることができたり、
原語で本が読めたりするとより理解が深まったりして、
今までと目の前の景色がちょっと変わりました。

こんな経験をさせてくれたRenには、感謝しています。どうもありがとう。
(いつこのブログ見るかな?)

さてさて、ブログのタイトルを変えるか、今後の日本での生活をここに書いていくか、まだ決めていませんが、
決まるまで日常のことをまた時々書いていきたいと思っています。

ではでは。

(投稿者/Sakura)

日本に戻ってきました

2015年10月18日 | 日記
ずっとブログの更新をしないでいる間に、実はSakuraとRenは日本に戻ってきました。
本当は博士課程を修了するまではイギリスにいるつもりだったのですが、諸般の事情がそれを許さず、やむを得ずの帰国です。

ただ、いろんな人の話を聞いてみると、博士課程に入るのはすごく大変なことのよう(博士号を取得するのはもっともっと大変そうだけど)で、そうだとするとそのまま退学してしまうのももったいないなと思って、full timeからpart timeにコースを変更して研究を続けられないか模索中です。
日本に帰ってきて、また働きだした会社はやっぱり忙しくて、土日も平日の疲れを癒すのに精いっぱいな生活なので本当に続けられるかどうかはまだ分かりません。(学費が最後まで払えるかどうかも不明。。)
チャレンジしないで諦めてしまうとあとで後悔しそうなので、しばらくもがいてみようと思います。

イギリスは本当に、本当に素晴らしい国でした。
この素晴らしい国で、素晴らしい方々と出会い、大切なことをたくさん学ぶことができました。
この経験を人生にいかしていきたいと思っています。

今後このブログをどうするかはまだ考え中です。
続けていくとしても、もうイギリスに住んでないんだからタイトルはこのままでいいのだろうか・・・。

(投稿者:Ren)

カプチーノが飲みたい

2015年06月11日 | 【イギリス生活】
イギリスにやってきてそろそろ2年になりそうなのですが、未だにできないことがたくさんあります。
その一つがカフェでカプチーノを問題なくオーダーすること。
何が問題なのかというと、カプチーノくださいと言ったはずなのに、ティーが出てくることが多いのです。(ちなみに、ティーをオーダーしたはずなのにカプチーノが出てくることもたまにある。)

今までにトライしたのは次の作戦。
(1)「カップチーーーノ」と、「チー」の音を強調して言う
イタリア語の発音を意識した作戦です。
でも、それでも「a cup of tea?」と聞き返されたり、何も言わずにティーが出てきたりします。

(2)「キャプチーノ」
イタリア語を習っていた時に、イギリス人がイタリア語を英語風の発音で読んでいたことに着想を得てトライしてみました。
「cup」はどう考えても「キャップ」とは読まないはずなのに、それでも、やっぱりティーが出てきます。

(3)「カップオブティー」
結局、これまでで一番「成功率」が高いのは、「Could I have a cup of tea?」とオーダーすることです。
そうオーダーするときは本当にティーが飲みたいのですが、他の言い方をするよりもカプチーノが飲めます。

「a cappuccino」と「a cup of tea」は全然違うのに、一体どうすればいいのでしょうか。
あまりにも通じないので、元気がよほどあるとき以外はラテを頼むRenです。

(投稿者:Ren)

過保護なsupervisor

2015年06月10日 | 【イギリス生活】学生生活
パネルからの「指摘事項」を受けて今後の方針を相談するため、指導教授とミーティングしてきました。

約束の時間よりちょっと遅れてきた(←いつものこと)先生から「合格おめでとう」と言われて始まったミーティング。
「こんなに深刻な問題をたくさん指摘されているのにどうして合格できたのか信じられないです」と言うと、次のような展開が待っていました。

先生:「彼らは何か文句をつけることが仕事だから、それは問題なんじゃなくてただのコメントだよ。」
Ren:「そうなんですか。でも、指摘事項はかなり厳しくて、、、」
先生:「どんなコメントをもらってたんだっけ?」
Ren:「(指摘事項が記載された紙のコピーを渡しつつ)コメントは全部で5点で、特にこれこれの点とそれそれの点が重要なんじゃないかと思ってます」
先生:「どれどれ。・・・このコメントは完全に的外れだよ。君の議論の重要なポイントを理解できていない。」
Ren:「え、そうなん・・・」
先生:「次の点についてもたいした話じゃないよ。・・・ちょっとは修正が必要かもしれないけど、全体的に見て、特に深刻な変更はいらないと思う。・・・」

指摘がかなり厳しいものだったので、研究計画に抜本的な変更が必要なんじゃないかと思っていたのですが、先生から出てくるのは肯定的なことばかり。
仮にパネルのコメントがポイントを外しているものだったとしても、それは僕のプレゼン(&事前提出したペーパー)がクリアでなかったからだと思う(そのせいで伝えなければならないメッセージが伝わらなかった)し、質疑応答でちゃんと応答できなかった責任は全部僕にある。
でも、おそらくそれは承知の上で、相手の良いところをちゃんと見つけて指摘してくれるのは、本当にありがたいことです。
そうされないとどんどん自信をなくしてしまう僕も問題だし、そうしてくれる先生も過保護だと思わなくもないけど、この先生が指導教授で良かったと思いました。
研究者に将来なろうがなるまいが、こういう人になりたいものです。

結局、微修正は行われるものの、方向に大きな変更なく研究を続けることになりました。
それを説得力ある形で整理してクリアに提示できるようになることが当面の課題になりそうです。
PhDの学位は独立した研究者であることをシグナルするものだと思うから、僕も早く先生にいろいろ励まされたりサジェストされなくても自分で自分のすべきことをできるようにならないといけないですね。
課題の大きさや必要になりそうな方向転換を思ってここ最近暗くなっていたのですが、先生の部屋を出るときには「この楽しい研究をどんどんしたい!」と明るい気持ちになっていました。

宿題をもらったので、次回もまたほめてもらえるように頑張ろうと思います。
(あっ、またほめてもらうことを目標にしてしまった…。笑)

(投稿者:Ren)

「First Year Review」合格!

2015年06月08日 | 【イギリス生活】学生生活
そういえばまだ書いていなかったのですが、博士論文の中間報告会が先月開催されました。
各自の研究計画についてのプレゼンテーション(20分+20分質疑応答)を3人の教授(「パネル」)の前で行い、十分な研究の進展が認められる場合にのみ、次の学年に進むことが許される(合格しなければPhDコースからMPhilコースに転籍になる)、僕たち1年目の博士課程の学生たちにとっての最大のイベントです。

僕はプレゼンテーションに苦手意識はなかったのですが、今回はなぜかとても緊張したので初めて原稿を用意(読み上げ式にしました)。
授業中のプレゼンの練習でクラスメイトから指摘された疑問に応答しながらも、基本的に同じ線で問題意識、先行研究、研究計画を発表しました。

がちがちになりながら行ったプレゼンテーションは散々な出来でした。
先行研究の整理の杜撰さ、概念の曖昧さ、検証方法の甘さ、ありとあらゆるところから批判をいただいてしまい、あまり上手な応答もできず。
パネルの中に有名な政治哲学の先生が含まれていて、始まる前は「この先生から質問してもらえるなんて光栄だ!」などとミーハーなことを考えていたのですが、一番厳しい質問をこの先生からいただいてしまいました。
プレゼンの仕方についても準備についても反省すべき点がたくさんあるのですが、これは今後につなげていこうと思います。

中間報告会が開催されてから結果が出るまで3週間ほど。
あの出来では不合格になっても文句は言えない、と怯える日々を送っていました。

その結果がようやく先週通知されました。
本文に何も書いていないメールの添付ファイルをおそるおそる読んでみたところ、

「[T]he panel has considered your submission carefully and I am delighted to be able to tell you that you have passed」(強調、引用者)!!

ただ、合格の通知と一緒にパネルから伝えられた「懸念事項」(来年の中間報告(Second Year Review)までに対応することを要求されるもの)は、プレゼンの散々な出来を反映して、深刻なものが5つも挙げられていました。(一人ひとりにこうやって丁寧にアドバイスをしてくれるのはとてもありがたいことだなと思います。)
博士論文完成までの道の険しさと自分の課題の多さを改めて思い知りましたが、とりあえず無事に合格できて本当によかったです。

早速指導教授に結果を報告するとともに、今後の方針を相談するためにミーティングのアポイントを取ったら、
「おめでとう。これは大きな達成で、君はこのことを誇りに思うべきだ」
「パネルからのコメントは研究のこの段階のものとしては通常のもの(だからそんなに深刻にとらえなくて良い)」
というメールをもらえました。

ほめられて伸ばされたい僕の性格をよく理解していらっしゃる。先生、大好きです!!

(投稿者:Ren)

白鳥の雛が孵りました

2015年06月06日 | 【イギリス生活】
グースやオオバンの子供たちはたくさん見かけるのに、なかなか白鳥の子供たちを見ないので先月からずっとやきもきしていましたが、久しぶりにいつも白鳥が卵を温めている草むらを見に行ったところ彼女の姿が見えない。
もしかして、と思って池の周りを探してみたら、、、



ようやく白鳥の子供たちを見ることができました。

僕たちの観察では彼女が温めていた卵は6つ。



泳いでいる子供たちも6羽だから、すべての卵が無事に孵化したことになります。
彼女は雨の日も風の日も、いつもいつも卵を温めていました。
その努力が見事実ったようで、安心しました。

『みにくいアヒルの子』で描かれているとおり、子供たちは灰色。
ちなみに、写真には写っていませんが、もう一羽の白鳥は池の中ではなくて池の淵から子供たちを見守っていました。
(近づく僕たちを警戒していたのかもしれません。あまり近づくと攻撃されそうで怖かったのでやまときました。)

これから彼らがどういうふうに成長していくのか楽しみです。

(投稿者:Ren)

Christoffer Green-Pedersen, The Politics of Justification (Amsterdam University Press, 2002)

2015年05月20日 | 
表紙が美しくて全冊買い揃えたくなってしまうAmsterdam University Pressのシリーズ「Changing Welfare States」の第1冊目、Christoffer Green-Pedersen, The Politics of Justification: Party Competition and Welfare-State Retrenchment in Denmark and the Netherlands from 1982 to 1998 (Amsterdam University Press, 2002)を今日は簡単に取り上げたいと思います。



本書は福祉国家縮減の政治をデンマークとオランダを比較しながら論じたものです。
OECD各国が経済社会のあり方を新しい経済環境に適応させるのに苦労する中、デンマークとオランダはそれに成功した例とみなされている。
両国は同じくらい充実した福祉国家制度を持ち、同じような経済的問題に直面したにも拘わらず、改革の行われ方やその程度には違いがあった。
その理由を著者は両国の政党政治の形態(政党がどういう形で競合しているか)に求めます。

具体的には以下の通り。
著者は政党の競合の形として、大きく「bloc system」と「pivot system」に分けます。
bloc systemとは、政党が左派の集団と右派の集団に大きく分かれていて、中道の政党(キリスト教民主主義など)は存在しないか極めて限定的な役割しか果たさないようなシステム。
pivot systemとは、中道の政党が過半数を取らないけれどもかなり強く、政権は中道+右派or左派で構成されるようなシステム。

前者(bloc system)では左派が政権を取るか右派が政権を取るかで社会保障政策の縮減が行われるかどうかが決まる。
右派政権において彼らが社会保障政策を縮減しようとすると、左派はそれを強く批判します。
その政策が社会保障制度をより強力にするために必要なんだと彼らが主張しても、選挙民は右派は彼らのイデオロギー的な目標の達成のために福祉切り捨てをしようとしているんじゃないかと疑う(左派のおそらくイデオロギー的な批判もその疑義を煽る)。
その性質上不人気な社会保障縮減政策は、このような環境の下では選挙民からの納得を得られにくく、そのため、右派政権においては社会保障縮減は行われにくい。

ところが、左派政権においては「Nixon goes to China」の論理が働く。
すなわち、選挙民は、福祉を大切にする左派政権が社会保障政策縮減を唱えるのだから、それは社会保障制度の強化を本当に志向しているんだろうと思いやすい。
一方で、自分たちのイデオロギー的立場に一貫性を持たせようとするならば、野党の右派は社会保障縮減に強く反対しにくい。
そのため、左派政権においては右派政権と社会保障縮減についてコンセンサスが得られやすく、改革がスムーズに進む。

pivot systemでは、中道のキリスト教民主主義政党が社会保障縮減しようと思うかどうかがポイントになります。
キリスト教民主主義政党は、選挙民から社会保障縮減について理解を得ないと選挙で大敗してしまうので、その意図が社会保障制度の強化にあると思ってもらうためにも左派と組んで改革を行う。
右派も左派も自力で政権を取れないことは分かっているので、キリスト教民主主義政党にあまり強く反対して自ら政権から遠ざかるのは得策ではない。
そのため、左派と組むことにそれほど大きなハードルはないし、右派もそんなには反対しない。
著者はpivot systemのほうがbloc systemよりも社会保障縮減政策が進みやすいだろうと予測します(中道の政党が決意しさえすればいいので)。

実証部分は、bloc systemのデンマークとpivot systemのオランダの1982年から1998年までの実際の改革をなぞり、この予測がどのくらい適切かを確かめることになります。

本書のポイントは、福祉国家縮減の成否を選挙民への正当化(justification)がどれほど成功するかに求め、その正当化戦略が政党間競合のあり方によって影響を受けるとしたこと。
その意味で、本書を一言でまとめると「politics matter」ということになります。
疑問点をあえてあげるとすれば、著者は政府によるその正当化が説得力を持っていたのか、あるいはなぜそれが説得力を持っていたかを十分に説明できていないように思えることじゃないかと思います。
それを解明するには、「あなたはなぜこの政権の社会保障改革に反対じゃなかったんですか?」というようなサーベイをしなくてはいけなくなりそうだけれども。


本書は著者の博士論文の「significantly revised version」とのこと。
いずれ博士論文を書かないといけない僕にとって、内容はもちろんですがそれ以上に本文の構成のされ方が興味深かったです。(これは取り入れたいというところと、そうでないところと。)
また、比較的さらっと書かれてはあったけど、社会保障の縮減をoperationaliseする際にはその方法及びデータの収集両面において本当はかなり骨を折ったんだろうなと思って、頭が下がりました。

(投稿者:Ren)

子育て中のグースに襲われないで彼らを観察する方法:一つの仮説

2015年05月17日 | 【イギリス生活】
SakuraとRenが住んでいる大学キャンパス内には大きな池があって、そこにたくさんの水鳥たちが住んでいます。
彼らは現在子育て真っ最中。

カナダガン(Canada Goose)
※名前は、ネットで写真検索をして推測したものです。以下同じ。


ハイイロガン(Greylag Goose)


オオバン(Coot)



池の周りをそんな彼らを観察しながら散歩するのが最近の僕たちの日課です。

でも、子育て中の彼らはとてもセンシティブです。
特にグースたちは、彼らを近くで観察しようとすると、低い声で「サー」とうなって警告し、警告を無視すれば容赦なく人間にも襲いかかってきます。

実はRenは最近彼らの攻撃の対象になってしまいました。
一羽の卵を温めていたカナダガンに近づいてみたとき、彼女(お母さんグースだと想定)がとても警戒して、「サー」と僕がそれまで一度も聞いたことのなかった低い声を出しました。
それが彼らの最大の警告音だということを知らなかった僕は彼女にさらに近づきます。



次の瞬間、背後からものすごい勢いで何かが近づいてきたことを感じました。
振り返ってみると、すぐ近くに一羽のカナダガン(おそらくお父さんグース)。
彼も「サー」という音を出して、今度は僕に向かってきます。
「もしかして怒っているのか?」と気づいたときはもう遅すぎました。
翼を大きく広げて飛びかかってきたそのグースに驚いた僕は、湿っていた草に足を滑らせ転倒。
そこに落ちていたたくさんのグースの糞によって、僕は糞まみれにされてしまいました。

それ以来、グースに近づくのが怖くなったRen。
でも子供たちを近くで観察したい。

そう思っていたところ、彼らに襲われないで観察する方法(候補)を見つけてしまいました。
それは、「彼らが来そうなところで待ち伏せする」です。

グースは頻繁に子供を連れて池を泳ぎます。



泳いでいる彼らを池の近くのベンチから見ていたSakuraとRen。
一泳ぎしたあと、彼らは僕たちのベンチのすぐ傍の岸を上がってきました。

両親グースと子供グースたちは岸を上がって、草を食べながら僕たちの方にどんどん近づいてきます。
こんなに近づいてしまったらまた攻撃されてしまうんではないかと思ってベンチから逃げ出す準備をしていたのですが、子供たちが僕たちのすぐ近くにいるときも両親は特段警戒したり敵対的なそぶりを見せません。
僕たちの目の前で一生懸命に草を食べ続けていました。

ここで浮かんだ仮説が、グースたちは外からやってくる者に対しては警戒するけど、最初からそこにいた者に対してはあえて攻撃をしかけたりはしない、というもの。
ただし、これはまだ実証データに乏しい仮説に過ぎません。
しばらく待ち伏せ作戦を繰り返してみて、本当に彼らに攻撃されないか確かめようと思います。

ちなみに、この仮説は少なくとも白鳥には当てはまりません。
実は現在キャンパス内にいる白鳥も卵を温め中なのですが、彼女の近くにいるとたまにお父さんスワンが襲ってきます。
ある日、白鳥の巣の近くのベンチで日向ぼっこをしていたとき、数メートルしか離れていない隣のベンチから女の子(たぶん大学生)の悲鳴が聞こえました。
その子は僕たちが来る前からそのベンチに座ってヘッドフォンで音楽を聴きながらスマートフォンをいじっていたのですが、その彼女を突然お父さんスワンがくちばしでつついたり噛んだりして攻撃したのです。
「ただ座っていただけなのに」と後でSakuraに話しかけてきた彼女は指に怪我をしていました。
子供たちを観察するのが楽しい季節ですが、命がけで子供たちを守ろうとする親たちには注意が必要です。

仮説の妥当性、白鳥の卵が無事にかえるかどうか等について、後日続報したいと思います!

(投稿者:Ren)