お盆の時期 列島の各地で不安定な天候が続き、水害の報も伝えられておりました。
そんな中、さきの「令和元年東日本台風」で大きな被害を受けた長沼地区は如何(いか)に…と 当地に足を運びました(21日)。
地区に面する千曲川は、やや水位を増しながら 濁々と流下していました。
上流域(上小・佐久)で多雨の情報はありませんでしたが、累積した降雨水が千曲川の流れに乗っているものと思われます。
当地(長野エリア)の河川水量は、ここ(現地)で降っている降水量だけではなく 上流域の降雨量やダムの放流などの影響が大きいことから、長野で(雨が)降っていないから 即安心とはゆかない現状を理解しておかなければなりません。
かつて破堤による甚大な被害(水害)を受けた長沼エリアは、破堤した付近の堤防復旧は既に完了していますが、現在は 破堤地点の前後(上下流)の堤防強靱化工事が引き続き行なわれています。
法面に特殊なシートを敷いて、それをコンクリートブロックで覆い 中間には生コンを流し込んで補強、さらに 近年では、自然状態を蘇(よみが)らせるために 敢えて覆土(ふくど)を施し、いわゆる「土手」を再現させます。
千曲川自体は やや増水していたものの、堤外農地などには全く影響は無く 引き続きの復旧工事が継続されていました。
堤内に入ると、さきの大水害の直撃を受けて破壊状態にあった「長沼体育館」が完全復旧し 既に市民の利便に供しています。
この長沼体育館は千曲川堤防の直下にあったことから、さきの破堤のときには その直撃を受け フロアが完全に流失してしまいました。
しかし 不幸中の幸いというべきでしょう、建屋の鉄骨部分は現存したことから それ(鉄骨)を最大限に活かした形で復旧することとし、今回の経緯(復旧)となったものです。
あれから年月は経過していますが、それぞれの復旧工事(作業)等を経て、市民生活の「日常」を取り戻す努力が継続的に行なわれています。
ところで…現地(長沼)の堤外地(遊休農地)の一角に、多くのヒマワリが林立し 鮮やかな黄色い大輪の花を咲かせてくれているのが、厳しい状況の中でも一縷(いちる)の明るい話題となっています。
これは、地元の中学校(東北中学校)の生徒有志が 大きな災害に見舞われた被災地の遊休農地に 太陽を見上げ 明るく力強く前を向いて大地に根ざし大輪を咲かせるヒマワリを植える(育てる)ことで、地域に元気と活力をもってほしい!との願いを込めて「Happy Flower Project」として行なわれているものだそうです。
被災後の地域を復旧・復興し 明日に向けて力強く歩んでゆくためには、将来有為な若者の存在が欠かせません。
そんな状況下で、地元の学校(中学校)に通う生徒らが被災地に心を寄せてくれ〝希望の花〟ともいえるヒマワリを植えて(育てて)くれている…その善行そのもののみならず、そのような「気持ち」なってくれたこと自体が 何より嬉しく心強く思ったところです。
この日は休日で 工事自体は稼働していませんでしたが、おそらく作業員のみなさんも 日頃の復旧工事の中で、このヒマワリ群を見ながら作業に勤(いそし)んでおられることでしょう。
さまざまな立場の人たちが あまねく被災地に心を寄せ、引き続き時間を過ごしています。
なお、この頃の自然災害においては 全国各地で報じられた被害はもとより、長野域内においても大小の被害が生じていることが伝えられています。
全ての被災者の方々に改めてお見舞い申し上げると同時に 一日も早い復旧を期して止まないところであります。