倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

爪あと

2019-10-14 | 日記

10/13 Sun.

 

列島を襲った台風19号は、私たちの地域にも大きな爪あとを残してゆきました。


被災現場を巡って、その被害の大きさを実感させられることになったのでした。

 

 

犀南エリアにおいては、千曲川に面する篠ノ井地区が 堤防の越水により水害を被(こうむ)ることとなってしまいました。

 

稲刈りを終えた田は、あたかもプール。

 

私もよく通る農道は、その先が見えません。

 

 

千曲川に並行する農地(水田)は、完全に水没しています。

 

 

長野南警察署から東へ抜ける市道も、その先線は水の中。

 

茫然と佇む方が居られました。

 

こちらのお宅は、ブロックを一枚積んだだけで水害を免(まぬが)れていました。「設計士さんに感謝です。」と 若い家主はしみじみと。

 

 

 

赤坂橋へ抜けるムラの大動脈は、通行不全に陥っていました。

 

 

当地(小森)は、東に向け、また南に向け低地になっているらしく、水は低い方へと溜まっていました。

南に目を転ずれば、閑静な住宅地が水没の憂き目に。

 

 

奥の方では、近隣住民が 腰まで水につかって善後策(前後策)を協議されていました。

 

 

エリア内にある中学校も水害に遭っていました。

 

 

本来は避難所に指定されていますが、今回ばかりはその機能を果たせません。

 

避難所指定そのものを問われることとなりました。

 

 

ピーク時からは水はずいぶん引いたとはいえ、校舎の西側(千曲川側)にある校庭は まるで湖のようになっていました。

 

授業再開に向け、排水を行なわなくてはなりません。

居合わせた学校関係者の方は、早期に授業等を再開したい意向を示しておられました。私の方からは、通学路などの登下校時の安全確保や、被災されたお宅の生徒への配慮などをお願いいたしたところです。

 

実は 当地区においては、今回の台風に際し、あろうことか 地区内に整備されている排水機そのものが水没してしまい、水を排出することができなかったそうで、その〝機能不全〟が 今回の水害の大きな要因になってしまいました。

このことについては、地区内に住まわれる方からも強い指摘があったことから、今後シッカリと検証すべきことを再認識したところです。

 

 

 

その後、千曲川が決壊して甚大な被害が発生した市内北部エリアに車首を向けると、そこで 南部エリア以上の広範な被害が及ぼされていたことを目の当たりにすることになったのでした。

 

通行ルートの都合で、古里地区に西側から入りました。

閑静な住宅地を歩くこと数分で、非現実的な模様を目にすることに。

住宅と住宅の間から東方向を見ると、そこには水に浸かった景色が。

 

クルマもすっかり水没しています。

 

 

水が引き始めた こちらは庭先でしょうか、でも延々と水に浸かっています。

 

クルマのボディーに残る痕跡に、ピーク時の水位が記されていました。

 

 

穂保方面に向け、巨大な水たまりができています。

 

遠くにヤマト運輸本社が見えます。

 

住宅地の路地は、道路の代わりに水が張ってあるようです。

 

こちらでは、週明けから道路の舗装工事が行なわれるハズだったようです。

 

 

北方角は 未だ湖状態。クルマや徒歩ではとても進行できそうもありません。

 

救命・救助活動にはボートが使われていました。

 

 

東北中学校前の交差点も、信号が停電状態のまま 冠水していました。

 

そんな道路状況でも、緊急患者を乗せた救急車が、水をはじきながら市民病院へと向かってゆきます。市民病院は冠水を免れたようで、その点は不幸中の幸いと言うべきでしょう。

 

 

場所は転じて、国道18号線「大町」交差点。消防・警察・自衛隊の合同指揮場が仮設されていました。

 

 

穂保の、水が抜けたであろう地点に関係者が終結し、救助・復旧活動が行なわれていました。

 

 

私が居た時間の内にも、二度に亘って緊急車両がスクランブル発車していました。

 

 

 

村山橋の北方に、今回の大きな被災現場があります。

 

 

長さ70mに亘って堤防が決壊、大量の泥流が集落に流入しました。

 

 

現場は、数年前に整備された「桜堤隧道」本来なら 植えられた桜が大きく成長し、長野市北部の名所になるハズでした。

 

 

その築堤も大きく欠損し、堤下には大量の水が。

 

 

おそらく住民の方でしょうか、お住まいと覚しき方を指し 嘆息されていました。

 

 

堤防の西に目をやれば、そこは 泥と水の溜まり場です。

 

 

泥水に押され、1階部分が大きく破損した家屋が並んでいます。

 

水の勢いのすざまじさを見せつけられる思いでした。

 

 

 

決壊箇所では、突貫工事で「穴ふさぎ」の土木作業が始まっています。

 

 

土くれを入れた強靱なネットを積み上げたり テトラポットを埋設したりしながら、仮の堤防を造成します。

 

 

ここが塞(ふさ)がらないことには 復旧の一歩にならず、時間との闘いになるでしょう。

 

堤防と河川の間は、つい先日まで、おいしいリンゴの果樹園でした。

今は まるでアマゾンのジャングルのよう。見る影もありません。

 

今の今まで丹精を込めて育てたリンゴが水没の憂き目に。「悔(くや)しい」という言葉が絞り出されるような厳しい光景です。

 

 

被災地の現状は、ショック・悲しみ・怒り・・・やるせない思いが募るばかりの光景となっていました。

これから 何をすべきか、何ができるのか・・・とても一言では言えない。「課題山積」とは このことを指すのでしょう。

緊急課題・短期的課題・長期的課題。トリアージ(優先順位)の下、迅速かつキメ細かい対応が求められることを実感したところです。