倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

機微(きび)に触れる課題

2022-04-26 | 日記

この日(25日)、過去に起きた 長野市の小学校での「いじめ」を巡り、市(市長)が 第三者でつくる「いじめ問題再調査委員会」に再調査を諮問しました。

 

 

 

午後5時15分から第一回目の会議が行なわれることが議員対象のメールで伝えられたことから、傍聴に足を運びました。

 

 

 

この案件の概要は下記のとおりです。

平成26年、当時の小学校1年生の学級で 入学間もない5月に「いじめ」事案が発生し、その後 平成29年に、重大事態として対応するよう 被害者とされる児童の保護者から市教育委員会へ要望書が提出されました。

それ(要望書)を受領した長野市教育委員会は、学校を調査主体とした再確認を指示し 作業を行なっていましたが、5月に当該保護者から 事案に係る損害賠償及び慰謝料を請求する旨の文書が市長宛に届いたことなどから、長野市教育委員会は 市教委の下に「第三者委員会」を設置して調査を行なってきました。

学校等の調査によると、この事案に際しては「いじめ防止対策推進法」に基づけば、いじめの影響で欠席日数が30日を経過した時点・保護者から心身に重大な被害が生じたという訴えがあった時点・保護者から重大事態に至ったとする申し立てがあった時点等において「重大事態」として対応を開始するところですが、今回は 入学後間もない1年生の時点で(いじめが)発生したことから、関係者は 先ずは当事者間の和解を図り 被害を受けたとされる児童の学校復帰に向けて取り組むことに注力しており「重大事態」として対応することを躊躇(ちゅうちょ)せざるを得ず、学校を調査主体とした調査と再発防止対策を行なっていました。

その後、平成29年3月に 被害者とされる児童の保護者から要望書を受領したことから「重大事態」と認識して取り組む必要があると考えながらも 学校側から被害者とされる児童の保護者への報告が不十分ではないかと思い、市教育委員会の下に第三者委員会を設置するのではなく 従前どおり学校を調査主体とした再調査を行なったとのことです。

その後は「第三者委員会」が設置され、所管省(文部科学省)が定めた「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」に基づき調査を進め、平成30年に「調査報告書」をまとめましたが、児童の両親が「納得できない」として再調査を求めており、それに応える形で、今回の「再調査委員会」の設置となったところです。

 

会議の冒頭、荻原市長から 選任された座長(I弁護士)に対し「諮問」の文書が渡され、これ以降は この再調査委員会が、当時の第三者委員会による報告書の妥当性などについて審議してゆくことになります。

 

 

 

 

長野市においては「長野市いじめ防止等のための基本的な方針」を定め、関係者が共通認識をもって いじめ防止ならびに対応(対策)に取り組んでおります。

 

 

 

〔参考〕「長野市いじめ防止等のための基本的な方針」

            ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/life/427522_651057_misc.pdf

 

 

 

しかしながら ご案内のとおり「いじめ」に拘わる諸課題(案件)は、児童生徒の心の襞(ひだ)にも纏(まつ)わる 非常にデリケートな事柄(ことがら)であり、まさに〝機微(きび)に触れる〟といえる難しい課題であると申せます。

そのうえで、今回の係争の要因ともなっている「いじめ」等の事実関係と それらに対する担任・学校・教委などの関係者(機関)が、それら機微に触れ適切に対応できたか・その対応は当事者に正しく理解されたかなど〝その後の対応〟も(事態解決の)大切な要件となってくると思います。

 

各学級を基(もとい)とする教育現場においては、児童生徒一人ひとりが伸び伸びと そして皆が仲良く集団生活を送ることができるよう最大限の努力を重ねるところですが、その道程の中で生じることもある「いじめ」については、ケースバイケースの中で(いじめを)撲滅・解消し、最終的には相互理解を得たうえで 再び明るい集団生活を送れるよう環境づくりを行なうことが求められるところです。

 

なお 今回の「再調査委員会」は、長野市政において初めてのケースであることから、関係者は慎重かつ適切に審議を進めることが求められるところです。

私たち議会(議員)においても、事(こと)の推移を見守る中で「いじめ」をはじめとする児童生徒を取り巻く諸課題について改めて深く考えてゆくべきと 認識を新たにいたしたところであります。