倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

横断歩道の 「一時停止率」長野県が5年連続で1位をキープ

2020-10-20 | 日記

10/19 Mon.

 

季節の変わり目の候、気温も上がり下がりが激しくなっていることが伝えられています。

先日は志賀高原の横手山周辺で冠雪があったことなどが報じられ、長野エリアも 徐々に寒さの頼りが届くようになってきました。

 

この日の朝は、市中のデジタル気温計が8℃を表示、この市域も いよいよ〝一桁(ひとけた)気温〟を記録するようになってきました。

 

 

 

 

 

未だ「コロナ禍」が収束をみない中、気温の低下は 逆にウィルスが活発化する時期にもなりますので、私たちは感染予防の基本行動を いま一度履行することを確認し合うと同時に、いたずらな自粛による運動不足などで 免疫低下や生活習慣病の再発などの〝第二の健康被害〟に遭わないよう、体調管理と健康増進の〝ダブルスタンダード〟に万全を期することを改めて意識してゆきたいと思うところです。

 

 

 

 

 

◇JAF(日本自動車連盟)が、今年も「(信号の無い)横断歩道での車両の一時停止調査」を実施

JAF(日本自動車連盟)は、例年行なっている「信号機の無い横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査」を 今年も実施、その結果が発表されました。

 

 

 

この調査は JAFが2016年に実施した「交通マナーに関するアンケート調査」で「信号機のない横断歩道で 歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しない車が多い」と思う人が8割を越えていたことを問題視。今回も 8月12日から26日のうち、平日10時~16時の間、各都道府県で2ヵ所ずつの(信号機が無い)横断歩道を一定の条件でピックアップし、JAF職員が1ヵ所につき50回横断して 接近する車両が一時停止するか否かを調べたものだそうです。

 

今回は 横断歩道を通行した車両のうち 9,434台が調査対象になりましたが、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は、2014台(21,3%)だったそうです。

これは 前年調査比プラス4,2%になったものの、依然として約8割の車両が止まらない現実があることを示すこととなったと伝えられていました。

 

そんな中、今年の調査でも わが長野県が「一時停止率全国1位」の栄誉に輝き、ドライバーの歩行者保護の意識の高さを内外に示すこととなりました。

主なランキングは下記のとおり

●一時停止 ベスト5

・長野県:72.40% ⇒ 唯一の70%越え、ダントツ1位 ❀

・兵庫県:57.10%

・静岡県:54.10%

・新潟県:49.40%

・島根県:43.20%

●一時停止 ワースト5

・宮城県: 5.70%

・東京都: 6.60%

・岡山県: 7.10%

・富山県:10.70%

・徳島県:11.80%

 

〝停止率1位〟の長野県は、2016年の調査開始時から5年連続で1位をキープしており、停止線での一時停止率も過去最高を更新しているとのこと。

一方、前回42位だった宮城県は今回、前回調査より1,7%下がってワースト1位になってしまいました。

各都道府県の交通事情に差異はあるものの、わが長野県の一時停止率が非常に高いのは特筆されるべきと言えるでしょう。

 

 

なお この長野県の好傾向には、一人の高校生の「研究」が貢献していたことも伝えられています。

屋代高校に在籍したMさん(女子)が「横断歩道の車の停止率を上げられないか」をテーマに中学1年の時から 信号機の無い横断歩道で、歩行者の動きやドライバーの反応について地道な調査を継続してきたとのことです。

研究の中でMさんは「通過車両に、一時停止を より多く、より安全に行なってもらうには、渡ろうとする歩行者が 自ら「手を挙げる」ことが有効ではないか。」とのことに気づいたとのことです。

 

 

 

Mさんは、頻繁に横断歩道に立って調査を重ね、その結果 横断歩道の前で手を挙げずに立った時の停止率は35%に留まった一方、手を挙げた場合には(停止率が)88%に達したということです。

これらの調査結果を踏まえ Mさんは「横断歩道の前で手を挙げると、通行量が多いところでも車が止まってくれやすくなるので、手を挙げることを推奨しています。」と話していました。

またMさんは、車の一時停止率が一昨年「全国最下位」になった栃木県も調査したとのこと。栃木県の(停止率の)低さは明確にはならなかったものの、長野県が高い理由については、一つの「推論」ができたそうです。

それは「次世代に受け継がれる(一時停止の)習慣」ではないか、とのこと。

Mさん曰く「みんなが止まるから自分も止まろうとする。親が(ドライバーの立場で)止まるから、その子がハンドルを握るようになったとき 自分も止まろうと思う。その佳(よ)き伝承により 停止率が上がる〝正の連鎖〟が起こっているのではないかと実感しました。」とのことでした。

 

Mさんの取り組みなどを受けて、県警は「横断歩道を渡ろうとするときは、手を挙げて意思表示をしましょう。」との意識啓発を行なうと共に、長野県人の「佳(よ)き交通マナーの伝承」を促進し、さらなるマナーアップ向上を図っています。

 

これらを踏まえて、JAFは「横断歩行者の事故や死傷者の減少の一助となるよう、信号機のない横断歩道における車の一時停止率の向上を図ってまいります。」と結んでいました。

 

 

 

車両による 横断歩道の一時停止。

これは、歩行者への思いやり…もっと言えば(やや大げさですが)他者への思いやり・慈(いつく)しみの心が為(な)せる行動だと思います。

 

ややもすると、人という動物は ひとたびハンドルを握ると、自分がイチバン偉い者だという勘違いに陥りがちになります。

自分がハンドルを握っている間は 兎(と)にも角(かく)にも自分が最優先。他者(他車)の全てが邪魔な存在になる。歩行者などは「そこのけ そこのけ お馬が通る」とばかりに蹴散らして進みたくなる。最近では 歩行者のみならず、他のクルマにまで毒牙が及び〝煽(あお)り運転〟などの蛮行の頻発も耳にするところです。

 

しかし、そんなドライバーも 一旦クルマを降りれば、歩行者の一人になるのです。

自分が歩行者のときに、横断歩道に立ってもクルマが全然止まってくれなかったら どう思うか。雨の日に 傍らを走るクルマが泥水をはね飛ばしたあげく、謝りもしないで行き過ぎていったらどう思うか。

 

全ては「お互いさま」なのです。

だから私たちは、ハンドルを握って 道路上で優位に立ったときも、いわゆる交通弱者である歩行者のことを思いやり、横断歩道で止まってあげよう。

 

 

 

 

そして私は このこと(横断歩道の一時停止=他者への思いやり)は「福祉」にも通じるのでないかと思いました。

利己主義ではない「他愛主義」これは 福祉の考えの第一義であり、この他愛の精神こそが 他人(ひと)に優しい思いやりのある社会を構築する原資となる。

 

そんなことにも思いを寄せながらの「横断歩道の一時停止」・・・私自身 過去に大きな不始末を起こした者として、常に反省の心を念頭に据えてハンドルを握る中で、今回の「長野県の(一時停止)マナー全国1位」を同県人として誇りに思うと同時に、私としても さきの「他愛の精神」を念頭に、横断歩道での一時停止を心がけております。

そんな ささやかな行為の積み重ねが、心豊かな思いやりに満ちた社会をつくる原資になることを信じて。