倉野立人のブログです。

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千曲川の被災地復旧堤防の表層が崩落  =思い起こさせる不安=

2023-05-15 | 日記

去る12日、千曲川を護岸する堤防が崩落したことが報じられました。

で、気になったのは その崩落箇所です。

報道によると、今回 崩落したのは、さきの「令和元年東日本台風」で決壊した長沼地区を中心としたエリアだとのことです。

 

 

 

国土交通省千曲川河川事務所の発表では、崩落箇所は長野市の穂保・津野・赤沼、小布施町の大島・山王島・押羽の各区内で いずれも被災後の堤防強化工事が完了した箇所だったそうです。

 

 

 

崩落の状況については下記のとおりです。

千曲川堤防の崩落が発見されたのは、さきの7日~8日に ややまとまった雨が降った後で、千曲川の左岸(長野市側)・右岸側(小布施側)の堤防で、堤内(集落側)・堤外(河川側)のいずれもの法面(のりめん)で複数箇所(現認は6箇所)に亘って崩落が見られたとのことです。

 

 

 

 

さきの東日本台風においては、長沼地区の千曲川堤防が 約700mに亘って決壊し、堤内の穗保地区を中心に広範囲に亘る浸水や建物崩壊の大きな被害を受けたのはご案内のとおりです。

その際の、当該地区住民の方々の恐怖と失墜感はいかばかりかと拝察したものでした。

 

 

 

その後、破堤した箇所はもとより エリア一帯における堤防の復旧と強靱化工事が行なわれ、堤防の法面をコンクリート等で強化し そのうえで自然景観に配慮して、敢えてその(コンクリートの)上を覆土して 外見上は災害前の堤防の景観を維持するようになっています。

 

 

 

 

で、今回はその覆土部分が崩れたようなのです。

前掲のとおり、さきの災害で決壊した部分については エリアの全面をコンクリートで覆っていることから、今回の崩落が またもやの堤防(再)決壊につながるとは考えにくいところですが、当の地区住民にしてみれば あれほどの被害を被った者として、完璧に仕上がったと思った堤防が たとえその表面(表層)だけだとしても〝崩落〟した事実を目の前にすれば、あの悪夢が蘇ることは無理からぬところでありましょう。

 

ニュース報道の中でインタビューに応じた地区住民の人は、その えも知れぬ不安な心情を吐露しておられました。

「われわれは 洪水(越水・堤防決壊)による被害の怖さ・その後の大変さを経験しているので、あの程度の雨で堤防が崩落するようなことはないようにしてもらいたい。」

至極ごもっともなご意見です。

 

 

 

国交省千曲川河川事務所は、今後 崩れた箇所の土質を調べるなど崩落の原因解明を進める方針とのことです。

 

報道の後、私も現地に足を運んでみました。

 

 

 

崩落したと覚(おぼ)しき箇所はブルーシートで覆われていました。

それは一箇所に止(とど)まらず、堤内・堤外の複数の箇所にブルーシートが現認されます。

これら複数箇所に及ぶ崩落を目にした住民の方々の驚きと 湧き上がる不安感はいかばかりであったことでしょう。

 

 

 

折しも時節は5月後半。ほどなく梅雨の時期が そして夏ともなれば台風シーズンがやって来ます。

一説によると 昨冬は降雪量が少なく、お天道様は その分をこれからの時期に降らせるんじゃないか…すなわち今年の夏は降水量が多いのではないかと言われる人もおり、またもや 当地にまとまった雨や河川流量が発生するのではないか。

その際も、これまでは「堤防を強靱化したから大丈夫」との〝お墨付き〟が付されたハズの当地で、今回の それほどでもない降雨で堤防が崩落した事実は、方々を疑心暗鬼に陥れることとなっています。

 

いずれにしても 今回の不測の崩落事案を踏まえ、早期の原因究明と抜本的な対応が求められるところです。