1/9 Sat.
この日「令和3年 長野市消防出初式」が挙行されました。
地方行政(地方自治)において「消防」に関する業務や活動は、市民の生命・財産を守るうえで重要不可欠なものであり、私たちの市民生活にとって まさに欠かざる存在となっています。
病気やケガで助けを求める人の救助・搬送、火災や災害で被害を受けた人や家屋などの減災・救助、また 平時における災害等の発生防止やイザというときのための訓練などを行なう「予防消防」など その活動は不断かつ多岐に亘っております。
長野市における救急出動(令和元年調査)は、119番通報が約2万9千件に上り、そのうちの約75%が、救急通報(約2万件)・火災通報が(約430件)・救助 その他(約700件)で占められていました。
「長野市 令和元年通信指令統計」
↓
https://www.city.nagano.nagano.jp/site/syoubou/451504.html
なお 調査年の令和元年においては、大きな自然災害(令和元年東日本台風)も発生したことから、消防関係の活動は 実に多岐多重に亘ったところであります。
(長野市大町交差点に設置された 合同指令本部)
(冠水した篠ノ井塩崎アンダーパス付近での ボートによる救出活動)
そのうえ、さきの令和2年においては「新型コロナウイルス禍」が発生し、それは消防業務ならびに消防団活動にもさまざまかつ多難な影響を与えることとなってしまいました。
特に、救急搬送を担う救命救急隊員においては、搬送者の容態(症状)の判断について コロナ感染症の想定も余儀なくされる中、非常に難しいところとなっております。
さらに 搬送者の容態によっては、自らも感染リスクを負うことになることから それも考え合わせての業務を強いられることとなり、令和元年とはまた違った意味で多難な年であったことでしょう。
(写真は資料)
また〝究極のボランティア活動〟と称される消防団においても、火災や災害は コロナ禍に関係なく発生することから、同様に感染リスクを考慮しつつ それでもイザというときには率先垂範して出動されており、こちらの不断の活動にも深く敬意が評されるところであります。
出初式は、そんな関係者の不断の活動に敬意と感謝を払い そのうえで今年いちねんの無災害を願い、万一 事(こと)があったときも、協力し合って減災に努めることを誓い合う 年初に欠かすことのできない行事なのであります。
なお 今年の行事については、未だ収束をみない新型コロナウイルス禍に鑑み、大幅に規模を縮小して実施されました。
参加者数を限定し、行事そのものの時間短縮に努める旨が通達されております。
市庁舎前の「桜スクウェア」では、関係者による観閲パレードが行なわれました。
本来であれば多くの団員による晴れ舞台となるところですが、今年に関しては ソーシャルディスタンスを維持しての 代表者のみの行進でありました。
パレードの後、参加者は市芸術館の大ホールに移動し 式典に臨みました。
こちらも一つづつ席を空けての着席になっています。
参加者数は限られていましたが、纏(まとい)を担いだ各分団の代表者が 今年の無災害を願って纏をかざして 無言のうちに(発声は指揮者のみ)気勢を上げました。
式典の中で、消防団活動に挺身された消防団員経験者に 各種の表彰が行なわれました。
前述のとおり、長野市管内においては 令和元年東日本台風からのコロナ禍という非常に厳しい状況の中で それでも不断の消防団活動が行なわれ続けています。
それぞれの立場で消防団活動に挺身された方々に、深甚なる敬意と感謝の意が表されました。
ところで 来賓祝辞の中で、衆議院長野一区選出の 篠原 孝代議士が、一風変わった切り口で挨拶をされ 印象に残ることとなりました。
篠原代議士は 開口一番「みなさんも アニメ『鬼滅の刃』をご覧になったことと存じます。」と始められたのです。
普段から ウィットに富んだ代議士の発言…消防出初式で『鬼滅の刃』を持ち出したので、また何を言い出すのかと思っていたら。
「あのアニメは、何故にあれほどの人気を博すようになったのでしょう。それは、物語の通底に「自己犠牲に立って仲間を助ける 思いやりの精神」があるからだと思います。自らを犠牲にしても仲間を助けたい。そのために身をも投げ出す、その「他愛の精神」が一貫してストーリーを支えているからこそ、子供はもとより 大人までもが感動を覚えるのだと思います。」
「そして その『鬼滅の刃』に共通する「自己犠牲に立った他愛の精神」が、ご列席のみなさんの心の中に基本姿勢として脈々として在(あ)るのではないかと思うのです。」
「だから私は『鬼滅の刃』の人気の根拠を、みなさん(消防関係者)の日頃の活動に重ね合わせ、改めて深甚なる敬意と感謝を表したいと思います。」
まさかの『鬼滅の刃』からの消防関係者への心からなる感謝の言葉。
出だしはハラハラさせられた篠原代議士の(一風変わった)祝辞は、最後は聞く者の胸に落ち 温かな心にさせてくれるものでありました。
・