kyon's日誌

つれづれに・・・

「かけおちる」

2016年02月06日 | 日記
朝からニュースには鹿児島の桜島が噴火したとか・・・
怖いでしょうね・・・天変地異には驚くばかり・・・大丈夫でしょうか・・・
暫く警戒警報が出ていたと聞いていたが・・・あららら・・
無事を祈りたい・・

さて、
「かけおちる」青山文平・著を読み終えました。
直木賞の「つまをめとらば」なる大きな本の横に文庫本で置いてあったのが「かけおちる」でありました・・・お安い、持ち運び便利の方を買いました(笑)

何故「かけおち」ではなく、「かけおちる」と「る」が付くのかとずう~っと考えてしまったけど・・・(笑)
何だか今一つ分からんなぁ・・と思いながら読んだ。
メガタキ討ち(妻仇討)というのが武家の時代にはあったらしいのはおぼろげに知ってた・・確か、NHKのドラマにもなった「吉原同心」の話がその妻仇討がベースだったし。あの時代にも駆け落ちなんてよくあることだったのかなぁ・・

そういう鬱々とした暗いジメッとした感じのところはないが、母と娘が同じことを繰り返す・・という・・・意外性と展開にあれま~とは思ったが、そこに何だかねぇ・・人の世の因果を感じたりもします・・・
一時、企業戦士なる言葉があった・・・その企業戦士の妻や子供らが抱える闇に夫である戦士は目を向けて付き合うことが無い、或いは出来なかった、或いは敢えてしなかった・・・ような積み重ねが最後に追い被さる・・・そんなイメージ。
少し前の日本の暗部を身近に感じさせる面もあるような・・

青山さんの挨拶文のページがあったが、作家になるきっかけが食っていけない老後を思う経済的理由が最初だった・・とか。これで食っていけるかどうかも分からないのに・・・と、何だか面白がってはいけないが、面白い発想だなぁ・・・と。そこへ青山さんの筆が寄り添うように重なる・・・
心は熱いのね・・・と感じた。

前回たまたま読んだ「伊賀の残光」では60過ぎたおっさんが・・・という地味で淡々と暮らす元伊賀者の血を引くという柵に翻弄される心の揺らぎが良かった。
けれども自分を捨てない・・・簡単に捨てれもしない・・、揺らぎが現実的でリアルな感触を得ていた巧さがあった・・・

これからも様々な顔を描くのだろう。
又一人、時代小説の面白さをこの団旗の世代という作者が見せてくれるのだろう・・
庶民に寄り添う感じは親しみが持てる・・作家は苦しいかもしれないが(笑)
タノシミでもある。

で、「かけおちる」の「る」は、ワタシ的には、続いていく・・・現在進行形に繋がるものなのかもしれないとは、思う。
そのせいか、どこかしらフッと肩の力も抜ける終わり方であった。
コメント (7)
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