kyon's日誌

つれづれに・・・

「利休の茶杓」

2016年02月26日 | 日記
目覚めると冷え込んでるから空気がヒンヤリしてる。6センチほど積もったようだ。
あぁ~・・・ホントに真冬に戻ってるなぁ・・寒いぜ・・

「利休の茶杓」山本兼一・著。
とびきり見立て屋シリーズの4作目だったようだ。
こういうシリーズものはここ数年読んでいない。読み出すとキリがないから一作完結ものを読んでることが多い・・・
けど、ホンワカした・・・たまにはこういう読み易いものもいいな・・・と。
山本さんの作品との最初の出会いが「利休にたづねよ」だったせいか、「利休」という文字を本棚で見つけるとつい手が伸びてしまうのだけど(笑)

物語は利休が持っていた茶道具や様々な名品が時代や人の手を巡り、道具見立屋さんの若夫婦を介して物語がまた一つまた一つと編まれていく・・背景として、ほのぼのした庶民の京都での幕末も何気に伝わる・・・
ガッチリとヨツに組まない、真っ向から時代を見据えないようなサラリと斜に流す視線で世の厳しさを受け凌ごうとしている・・・
けれど、関心が無い訳ではない・・庶民が生き延びようとするしたたかさが垣間見える。

茶道具に限らず、名品といわれる物は生き残って行くにはそれなりの歴史があって、謂れ曰くもある・・しぜん物語りも沢山付いて回ることになる。
今はTVで番組まである(笑)「いい仕事をしてますね」なんて決まり文句まである。

しかし、所詮、道具は道具・・使って何ぼ、役に立って何ぼ・・・だと思うが、
茶道具に関しては、利休という天才も居たが、それを見極める天才(信長)も居たから値打ちというものが出来上がったのだろう・・・と、生意気にも思う。
結局、人というのはその道具がどんな風に生まれ出でたか、何を感じて来たかの空間や世界観、いわば精神の世界を愉しみたい生き物のようだ・・・
その術として道具の完成度が求められたんだろうかね・・茶道具だけではないだろうけどね・・・
さて、その幾つかの物語のどの話に感じ入ったか・・・はナイショ(笑)題名の「利休の茶杓」でない事だけは記しておこう(笑)

解説の前に奥様の文章があった。ペンネーム、つくもようこ・・さん・・・同じ作家であったのだね・・
ジャンルは児童文学・・・らしい。読んだ事はないが、夫を追悼する文章をエッセイ風に書かれている。良い文章でウルッとした。
同じ作家として嫉妬していたという思いは泣かせる。

磨かれるものが育つ時は対峙するよき相手があってこそ・・・なのかなぁ~

なんてね、いっぱしに分かった風なことを・・・と、個人的過ぎるのは何時もの事ゆえお許し願いたい(^^ゞ
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする