二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2016明治安田生命J2リーグ第39節 清水vs京都

2016-11-04 | 蹴球

清水エスパルス○4-1京都サンガF.C.
45+2'角田誠
 (↑CK大前元紀)
65'鄭大世
 (↑松原后)
73'白崎凌兵
 (↑鄭大世)
79'大前元紀
 (↑松原后)
           90+5'キロス
            (↑CKエスクデロ競飛王)


[警告・退場]
・清水
なし
・京都
83'アンドレイ(C2ラフプレー)


【全体の印象】
 両者積極的に攻勢に出る中、ペースを掴んだのは京都。好調さが戻ったエスクデロを中心に人とボールがよく動くサッカーを展開し、清水ゴールに迫った。清水も京都守備陣のわずかなズレを衝いて枠内シュートを飛ばしたが、菅野が立ちはだかる。ハイレベルな攻防戦は、前半アディショナルタイムにCKから清水が先制。後半も両者は激しく攻め合い、京都がエスクデロの惜しいシュートなど前半同様優位に立ったかにみえたが、ダニエルロビーニョの負傷交代から流れが一変。細かいミスが増えはじめ、65分に鄭大世にアーリークロスを決められ失点。ここからは前がかりになる京都が作る隙を清水が逃さずに3点目、4点目を加点。京都の“キロス大作戦”は相変わらず機能しなかったが、試合終了間際にCKからようやくキロスがゴール。スコア的には大敗を喫したものの、通用した部分、今後の課題も明確になった。


【雑感】
■勝負の綾
 前節・岡山戦と同様に、今最も自信を持つスタイルをそのままぶつけた前半。現在J2最強とうたわれる清水を凌駕するほどに優位にゲームを進めた。がしかし、セットプレーから失点。それでも京都のいい流れは後半も続き、攻守に能動的で、自分たちの強みをを存分に発揮できていた。対する清水は、負傷によりGK含め2人交代させるなど決して良い流れではなかったが、広範囲クロスをエースに合わせる必殺パターンから2得点目を奪われてしまった。
 石丸監督も言及している通り、2失点により京都は奪い返しに行くしかなくなった。前に出るがゆえに当然守備は手薄になり、警戒意識も低下。高橋祐治と菅沼駿哉だけではJ2最強の攻撃陣を掴まえきれず、わずかな隙が命取りになった。3点目以降はいわば勝負の綾。リスク承知で相手に挑みかかったがゆえの結果なので、さほど深刻に考えることもない。と同時に、今後似たような状況になった時にどう対処すべきか、仮にもし再度清水の強力2トップを相手にする機会があれば何をケアすべきかなど、対策の材料にもなった。

■希望
 さて、このゲームの結果を受けて「清水に歯が立たなかった」と捉えるか、60分くらいまでの内容を評価して「清水と互角にわたりあえた」と捉えるか。個人的には、前半の内容は今季最高の出来と言ってもいいのではと考えている。強敵相手にも怯むことなく、球際での局地戦も五分以上にわたりあい、保持したボールは早く動かし、機を見て堀米勇輝らが裏に飛び込んではチャンスを量産した。守備でもしっかりブロックを整え、ラインを高く保って強力2トップが使いたい生息域を消せていた(時折に起こったズレを逃さず衝かれたが)。
 今やっているサッカーは決して間違いではない。そう自信を持ち続けていい。ここでブレて相手に合わせるサッカーや相手の出方をうかがう受け身のプレーに戻る必要はまったくない。自分たちの良さに磨きをかけ、深化させれば、今度は前半のいい流れのうちにきちんとゴールまで奪えるようになるのではないか――そんな希望を感じるのである。
 変に策を弄さず、清水相手に真っ向勝負を挑んだ采配にも好感を持つ。このゲームでは特に対策らしい対策を施さず、選手交代もコンビネーションやコンディションが不足気味の手駒の投入となった。それは上手くいかなかった。けれども本当の勝負所になった時には、例えば堀米は最後まで使いきりたいだろうし、また違うカードの切り方もできる。真っ向勝負に出て自分たちの現在地を把握できたことを今後の戦略に生かせれば、それすなわち孫子の兵法になる。「彼を知り己を知れば、百戦あやうからず」
 決定力やシュート精度の部分は清水と大きな差があったが、これは一朝一夕に改善するものでもない。そこでひとつ課題を挙げるとすれば、最近多く獲得してる割にモノにできないセットプレー(CK)。清水の1点目のように、いい時間帯にコーナーからズドンと一撃で奪えるようになれば、勝てる試合は激増するはず。えっ?キロスが決めただろって?あれはGK杉山も負傷してたしねぇ…