二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2016明治安田生命J2リーグ第15節 京都vs横浜FC

2016-05-29 | 蹴球

京都サンガF.C.1-0●横浜FC
57'イヨンジェ
 (↑こぼれ)


[警告・退場]
・京都
88'ダニエルロビーニョ(C1反スポーツ的行為)
・横浜FC
88'田所諒(C1反スポーツ的行為)



【全体の印象】
 京都はラインを高めに保ち、序盤から押し込んだが、横浜FCは高い集中力を崩さず。イヨンジェ、エスクデロへの補球路が断たれ、京都は主導権を握りながらも攻めあぐんだ。後半は横浜FCが反撃に出ていたが、堀米→アンドレイ→エスクデロ→堀米→イヨンジェと連動した崩しから京都先制。得点後は京都の出足はさらに良くなり、横浜はミスが多くなった。横浜はジャンボ大久保を投入し空中戦を目論んだが、京都の最終ラインは危なげなく対応。最少得点差ながらきっちりと勝ちを収めた。


【雑感】
■レシーバー
 前節北九州がやたらとルーズだったのとはうって変わって、横浜FCルス監督はずいぶんと京都を警戒していたようだ。前線の基点となるイヨンジェやエスクデロから自由を奪い、高い集中力で局面バトルに手を抜かない様子から、非常に強いチャレンジャーズスピリットを感じた。京都はアンドレイが高めの位置に顔を出しては第3の基点になろうとするも、ややミスも多く…。ならばと石櫃が遠目から放り込むのだが、こちらは少し安易で雑なボールが目立った。
 前線に直接収まらないなら、もう少し下でパスコースを作っていけばいいじゃない、とまぁ石丸監督の狙いはこんなところだっただろうか。後半はボールを受ける動きが活性化し、山瀬あたりは逆サイドまで顔を出して、少しずつ相手を混乱させ始めていた。イヨンジェの得点に至るまでの、堀米の「追い越し」はここ最近よく出せている形。堀米に限らず、パスコースを作るレシーバーの動き全般がかなり効果的になりつつある。

■京都=下畠?
「あれ?京都いつの間に4位?」と、第三者が見ればそんなふうに思うに違いない。特に目を引く勝ち方もしていないし、8得点する爆発的な得点力もない。アイデア出せる天才もいないし、セットプレーが鬼のように強いとか、ゴール前に選手が殺到するとか、そういうキャラが立ったサッカーでもない。守備が結構いい、という印象も薄いだろう。目立つのは菅野くらいで、安定感すら地味。第三者目線的にはそう映るはずだ。
 今の京都をひと言で表せば「下畠みたいなチーム」。下畠は本職右SBながら去年は左SBで使われ、現在はCB染谷の代役のCB高橋のそのまた代役としてCBが定位置。決して上手くも速くも強くも高くもないが、ゲームを重ねるごとに堅実さが増し、戦術に忠実でサボらず、地味ながらいい仕事をする存在になっている。
 石丸監督が作っているチーム自体も、下畠同様にコツコツと足場固めの途中。序盤戦でいろいろと出てきた問題点をひとつひとつクリアしながら、1歩ずつ階段を上がっている。まず「そう簡単には崩れない守備」を整えた上で、攻撃面の連携に着手した段階。その中でエスクデロ競飛王のキープ力やイヨンジェの強さ・機動力、堀米のフリーラン、山瀬の献身性とパンチ力、アンドレイの戦術眼など、それぞれの個性が1つ1つ歯車として噛み合い出した。もちろん、自動昇格とか優勝とかを目指すなら、まだまだ階段を上がっていく必要がある。その時、主力部品が無理して外れたりしないように、陰から支えしている存在―佐藤健太郎や下畠翔吾のような―は、やっぱり重要になるのだ思う。