二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2016明治安田生命J2リーグ第7節 群馬vs京都

2016-04-10 | 蹴球

ザスパクサツ群馬●0-1京都サンガF.C.
            74'有田光希
             (↑CK佐藤健太郎)


[警告・退場]
・群馬
83'瀬川祐輔(C2ラフプレー)
・京都
35'菅沼駿哉(C2ラフプレー)


【全体の印象】
 立ち上がりこそ京都がボールを支配したが、徐々に群馬のサイド攻撃を受ける形に。しかし群馬も精度が低く、お互いに攻撃を組み立てられず。京都はどうにかセットプレーからもぎ取った有田のゴールの後、高橋祐治が頭部を強打して10人となってしまうが、ピンチを集中力に代え、きっちり守り切って勝ちゲームを締めた。


【雑感】
■遠距離射撃
 遠距離から射撃しようと思えば、当然ながら的を射貫く精度は落ちる。この日京都が多用した攻めの形は、最後尾の菅沼・高橋からの遠距離射撃(フィード)で最前線の的(イヨンジェ)を走らせるというもの。組み立てがロングレンジ主体になってしまい、前節芽吹きかけていた「人が動く」「人が人を追い越す」という部分が消えた。攻めの組み立てに参加してこそ持ち味を発揮するダニエルロビーニョや堀米も、あっさりボールが通過してしまえば存在感もなし。どうもこのチームは気を抜くと「ボールだけが動くサッカー」に逆戻りしてしまう。ロングボールを蹴ること自体は否定しないが、しっくり来ない時に、いかに別ルートの攻め手を見つけられるかという適応力はやはり課題。終盤、怪我から復帰したエスクデロがそれまでとまったく違うボールを運び方を見せつけたことを思えば、持ち駒の組み合わせ次第でまだまだ戦術の幅が広がる余地はありそうだが。

■守備両翼の問題
 THEスパッと決めたい場面でシュートミスを連発したものの、主導権を握っていたのは群馬だった。京都は中盤で奪えず、最終ラインでブロックを作って跳ね返すという単純防備の構え。その中で気になったのは京都の守備両翼(下畠/石櫃)と群馬の攻撃的両翼(瀬川/高橋駿・高瀬)のマッチアップだった。まず下畠vs瀬川のところは、個の力で下畠が瀬川に遅れを取ってしまう場面が多く、この綻びから攻めの糸口を作られた。内田の途中投入は左サイドの守備力増強の意図もあったのだろうが、さほどに良くもならず…。アンドレイが前に出ていくため、ボランチのカバーもままならず、攻/守のバランスの取り方がチグハグしていた感は否めない。石櫃vs高橋駿(終盤は高瀬)のところは、いわゆる「石櫃の裏」を衝かれるという問題が起こっていた。これは石櫃の攻撃力とトレードオフになっていると割り切る必要もあるが、「ビツ裏」が相手にとっておいしいスペースになることは去年も散々味わったこと。サイドをいいように使われても中で跳ね返せていたからいいものの、上位チームなら許してくれなかっただろう。
 皮肉なことに、高橋祐治が瀬川との交錯アクシデントでピッチを去って10人になってからの方が、守備に対する目的意識が明確になり、集中力は格段に高まった。手負いになってから一体感が出たことを怪我の功名と言うのは少し酷でもあるが、勝利に対する執念を全員が共有できたことを、「勝負所で踏ん張れない」「勝負弱さ」の克服に繋げていきたい。