京都サンガF.C.○3-2●モンテディオ山形
2'大黒将志
(↑ディエゴ)
38'ダニエルロビーニョ
(↑堀米勇輝)
45+2'イヨンジェ
(↑ダニエルロビーニョ)
48'堀米勇輝
(↑イヨンジェ)
74'林陵平
(↑こぼれ)
[警告・退場]
・京都
33'アンドレイ(C2ラフプレー)
90'本多勇喜(C1反スポーツ的行為)
・山形
85'アルセウ(C2ラフプレー)
88'渡辺広大(C1反スポーツ的行為)
【全体の印象】
開始直後、堀米がディエゴに奪われ、山形に貸し出し中(という名の構想外)の大黒にゴールを喫して先制を許した京都。その後はボールは持てるが連携が噛み合わない展開が続いたが、好調さが際立つダニエルロビーニョの同点ゴール、前半間際にダニロビの長駆からイヨンジェが決め逆転。後半早々にもダニロビの空振りスルーが堀米の3点目を演出。そこから先は山形が主導権を握るが攻撃は単調で、高橋・菅沼を中心によく跳ね返した。ただし、3バックに変更後にバタついてしまいセットプレーから失点。この日の山形の出来を考えれば、安心して逃げ切る試合運びを見せたかったが、課題も含めて収穫の多いゲームとなった。
【雑感】
■スローイン、ファストイン
可能性が低いチャレンジは避けセーフティに逃げようとする者と、可能性ある限りチャレンジする姿勢を持つ者。勝負の行方は、ほんの一瞬の意識の差で決してしまうことがある。
京都の2点目は、提示されたアディショナルタイム2分台のこと。京都陣内からのスローイン。山形のゴールまでは遠い。だがスローワーの石櫃は、「これで前半終了かな」と少し安心していた山形側の隙を逃さず素早く強いロングスローをダニエルロビーニョにイン。そこからイヨンジェ→ダニロビ→ヨンジェという電光石火のカウンターを突き刺した。京都にとっては、時間的にもボールの位置的にも可能性が低い状況。それでも前向きの意識を持ち、3人以上がファストプレーを共有できていた点がこの日の山形との差だった。
思えば前節、京都は前半のアディショナルタイム(1分提示)の3分台に失点している。自らの失敗から学び、意識面が大きく改善したことを示すシーンだった。
■アンロビが肝
攻撃でのパスコースの作り方も改善している。人が動けばパスコースが増えていく訳で、そういう意味で傑出していたのが「前に出て行くアンドレイ」「落ちてきたりサイドに流れたりするダニロビ」という2人の動き。アンドレイは攻撃のスイッチを入れる役目となり、布陣全体の意識をプラス方向に動かした。後半、石丸監督が彼に自重を指示してから後ろ重心となったことを思えば、アンドレイの位置取りはゲーム運びの肝心要となりそうだ(ちなみにアンドレイを前に出せたのは、山瀬の影働きあってこそ)。
得点にアシストに大活躍だったダニエルロビーニョは、繋ぎに入った時にいい位置に顔を出し、前線の潤滑油的な働きをする点も見逃せない。これにより今まで多かった「繋ぎたいけど味方が遠い」という状況が激減。イヨンジェとのコンビネーションも良好で、片方がサイドに流れれば片方は中央に、といういい関係性。このゲームの中で急激に連携が上がった堀米も加え、新しい可能性が見えてきた。
ただし、この日の山形は今まで対戦してきた相手と比べるとプレスが弱く球際も消極的で、簡単にボールを持たせてくれたというのも事実。今後ハイプレス主体のチームを攻略していくためにも、パスコースを増やす人の動きを進化させていきたい。アンロビを肝にして。