ロアッソ熊本△0-0△京都サンガF.C.
[警告・退場]
・熊本
16'中山雄登(C2)
76'柳一誠(C1)
・京都
89'有田光希(C2)
【全体の印象】
前半、熊本のハイプレスをを凌いだ京都が次第にペースを掴みゴールに迫るが、シュート精度を欠く。両チームとも最後を自由にさせない堅い展開が続くも、後半になるとセカンドボールをよく回収しはじめた熊本が次第に押し込み気味に。一方の京都も何度かいい形でチャンスを迎えるも、熊本GKシュミットダニエルがビッグセーブ連発。熊本は終盤齊藤のポストプレーからチャンスを多く作ったが、京都守備陣も堅陣を張ったまま、どこか消化不良のままスコアレスドローに終わった。
【雑感】
■プランB
前節千葉戦で股関節を傷めた有田が控えに回り、別メニューのバヤリッツァがベンチ外。怪我やコンディション面で使いたい駒を並べられないという状況で迎えた今節。長いリーグ戦を11人だけで戦える訳はなく、こうした事態はいつかは訪れることで…。プランAが使えない時に実行するプランB。FWには有田の代わりには大黒が入った。
改めて書くまでもないが、大黒はエリア内で決定的な仕事のできるゴール職人。そこんとこの共通意識はあり、チャンスとみるや大黒を狙ってボールを入れていく。がしかし、そのボールは熊本守備陣にはね返されたり、正確さを欠いたり。大黒自身がミスしたり。残念ながら、今の京都には中長距離パスを正確に繰り出せる選手はいない。最もその技術を持っていそうなのが原川だが、彼は宮吉や伊藤にパスを供給するルートからのチャンスメイクを狙うことが多かった(それは決して間違いではなかった)。
大黒狙いのパスがミスになると、そこで攻撃が途切れ連続性を失うことも気になるところ。宮吉有田のAプランではチームプランとして安易に放り込まむことなく、攻守に切れ目のないペースで相手を疲弊させていたのだのが、そのリズムは失われ、相手にボールを渡してはカウンターを浴び…。プランB、未だ試行錯誤中である。
■チグハグ
とはいいつつも決定機は何度か作れていて、ことごとく熊本GKシュミットダニエルのビッグセーブに阻まれたというのもまた事実。一方で終盤に熊本の右SB養父からの鋭いアーリークロスを入れられたりFW齊藤にエリア内でいいようにポストワークをされ攻め立てられたのも事実。特に後半には、熊本が自由にボールを持てるくらいにプレスが緩くなった。さまざまな要因で前から奪えないので、後方に退いて守勢シフトしてよく守りきったと見べきか。いや、終盤に投入した佐々木の攻め急ぎっぷりをみれば、攻めたかったのかもしれない。全体として意図の統一感を欠くチグハグさは否めないゲームだったが、途中交代で宮吉、駒井、伊藤を下げているところをみれば、8日間で3試合という連戦を見据えてのトータルプランがあったような気もする。答えは次節で。