二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2012 J2第19節 愛媛vs京都

2012-06-14 | 蹴球

愛媛FC○2-1●京都サンガF.C.
54'東浩史
58'内田健太
      81'宮吉拓実

■完敗
 カンパーイ!ヤケ酒という、気を紛らすための文化的かつ豊かな現実逃避を行使してみたのだが、目を背けたところで現実は何も変わらないので、この試合の「何がダメだったのか?」を列挙しておく。
 ダメだった所はもうわかりやすいほど明確で、選手間の距離が遠かった。遠いと何が起こるかと言えば、連動するプレスがかからない。仕方ないので単独でボールを奪いに行く。それをスルッとかわされてしまえば、守備陣形にポコポコと穴が開いていく。穴を埋めようと人がどんどん下がっていく…。繰り広げられる負のスパイラル。打開しようと反撃しようと思っても、選手間の距離が遠いといつものようにショートパスが繋がらない。仕方ないので長めのボールを入れて一発狙い。そんなイチかバチかな攻めで崩せるほどJ2は甘くはありませんよ…と。
 じゃあそもそも何故選手間の距離が広かったのよ?という疑問。連戦のミッドウイーク開催のせいなのかどうか、要するに各々が走れてなかった。“大木サッカー”が各自の走力を前提にしている以上、走れなければ成立しないよね…っと。


■物足りない攻撃陣
 それでも、得点を奪うチャンスが皆無だった訳ではない。けれど、久保裕也も原一樹もGKとの1対1のビッグチャンスをモノにはできなかった。対する愛媛はよく走っていた分の報酬としてチャンスの回数を多く作り、多少無理目かと思われても半ば強引に鍵のかかった門を突破にかかることができた。先制点の場面なんかがまさにそう。1度目が阻まれても人数をかけて走り込めば、2度目のチャンスが来て、また阻まれても3度目のボールが転がってくる。運を引き寄せるのは、よく走る者、愚直に走る者なのだ。
 基本的に攻撃はトライアル&エラーでいい。チャレンジの結果がエラーであっても、トライアルを重ねていくうちにいつかサクセスを呼び込める。愛媛がそうだった。だけれども、久保も原も散発的で、次の展開、次の可能性を生まなかった。唯一の例外は宮吉拓実で、エラーをどれだけ重ねても相手の最終ラインと駆け引きを続けた結果、原のキックをDFが弾いたボールを見事なトラップから自分のものにし、ゴールを決めてみせた。だがその際足首を強打したようで、その後はまともに走ることすらできなかった…。もし、次節以降に影響する負傷ならば、これは相当に痛い。
 もし、あのシュートは下手だけど強引なドリブルで仕掛けて何度も何度も鍵のかかった門に突撃してくれるブラジル人がいれば…なんて思うけれど、いないものはいない。覆水は盆に帰ってこない。…おっと、今EUROでデンマークvsポルトガルの解説してるあの選手とか代わりにどうよ?…ダメだ。やっぱり思考が現実逃避モードになってしまう。とにかく攻撃陣が物足りないって話。



〈京右衛門的採点〉
水谷 5.5 …2失点目みたいなFK、久々に見せた弱点。
安藤 5.0 …持ち味の攻撃参加できなかったのが、チーム不振のバロメーター。
秋本 4.5 …飛び込んでかわされ、ハンドでFKを献上し、2失点を演出。
福村 6.0 …いいカバーといいフィードで相当頼もしかった。
 黄 5.0 …前半はガタガタ。後半から喝が入ったか、別人のように攻撃的に。
チョンウヨン 6.0 …崩れ気味の中盤を支えるべく攻守に身体を張っていたが…。
中山 5.0 …戦うべき位置が随分と低く、悪い奪われ方も目立った。
工藤 5.0 …後手を踏むことが多く、持ち味の神出鬼没ぶりも陰をひそめた。
中村 5.0 …運動量を欠き、サーカスのようなドリブルと安易な長パスで博打をうつのみ。
久保 4.5 …判断が遅く、全てが中途半端。ストライクできないストライカー。
宮吉 6.5 …前線で孤軍奮闘のファイター。足を引きずりながら戦う姿は感動的。
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 原 4.5 …前から激しく追い回すのは良かったが、少ないチャンスをことごとく潰す。
倉貫 5.0 …途中から入ってプレスをかけられず、ウヨンとの差ばかり目立った。
伊藤 5.5 …果敢なチャレンジはチャンスを生んだが、時すでに遅し。

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大木監督 4.0 …過密日程でも結果的に走れない面々を選んだ。4節鳥取戦●の繰り返し。