二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2011 J2第32節 大分vs京都

2011-10-23 | 蹴球

大分トリニータ●1-3○京都サンガF.C.

■余裕の持ち方
 切羽詰まってくると、普通の人間は正常な判断力を失い、つまらないミスをしでかしてしまう。それが人間の弱さであり、面白さ。京都サンガは、札幌戦に続き2試合連続で切羽詰まっていた。相手の猛攻に晒され、どうにか凌いでいた。この時、チーム全体がまったく正常な判断力を欠いていた状態。唯一工藤浩平と宮吉拓実だけに落ち着きがあり、その宮吉が厳しいチェックから自ら奪ったボールを25メートルのミドルからズドンと決めてみせた。
 1点先制すると、途端に余裕が生まれた。特に変わったのが中村充孝。別人かのように積極性が出て、前へ前へと押し込んだ。後半は立ち上がりからボールを回し続け、数十本のパスをつなげて酒井隆介のクロスを最後は工藤が流し込み2-0。実に小気味いい展開はまさに余裕のなせる技だった。

■不安定な最終ライン
 4バックに変えてから失点は減っているのだが、むしろ被決定機は増えている印象。特にこの試合は秋本の存在が危険だった。ボランチのチョンウヨンと最終ラインの間(いわゆるバイタルエリア)にボールがある時に、誰がチェックに行くのか曖昧で、秋本はこれを察知できてるがゆえに前に出たところをスルッと裏を取られて大ピンチに。結果的に森島は外し続けてくれたので助かったが、三平にはきれいに決められ2-1に。正直、大分に決定力さえあれば一気に逆転されていただろう。
 不安定な守備に安定をもたらしたのは、攻撃だった。久保裕也の丁寧なスルーに、宮吉がタイミングを測りながらのダイレクトシュート。これで3-1。点差を離せば最終ラインも余裕ができて、安定する。今の好調は結構微妙なバランスの上に成り立っている。


〈京右衛門的採点〉
水谷 6.5 …安定感抜群で頼もしいかぎり。
酒井 5.5 …あっさりかわされてしまう守備はともかく、後半の攻撃姿勢は◎。
内野 6.5 …ピンチに顔を出しては身体を張って潰していった。
秋本 5.0 …守備に大きな穴を空けた。絶妙のクリアもあったが…。
福村 5.0 …相変わらず守備がイマイチ。そして今日は攻撃参加も少なかった。
チョンウヨン 5.5 …不安定な守備の一因。攻撃時の組み立ては見事。
中村充 6.0 …タメたり味方を走らせたり、良い具合のスパイスに。
工藤 7.0 …陰に日向にボールに絡んでは引き出して、素晴らしい出来。
中山 6.5 …攻撃は繋ぎ役に徹し、守備ではハードワーク。
宮吉 7.5 …2つのスーパーゴール以上に、前線のチェックとクサビの動きが◎。
久保 6.0 …宮吉へのスルーは円熟さえ感じた。GKとの1vs1は決めたかった。
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加藤 6.0 …投入後、チームに運動量を加えて逃げ切りに弘堅…もとい貢献。
内藤 ――

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大木監督 6.0 …結果オーライだけど、秋本の所の修正はどうします?