散華―紫式部の生涯〈上〉 (中公文庫) 価格:¥ 980(税込) 発売日:1994-01 |
散華―紫式部の生涯〈下〉 (中公文庫) 価格:¥ 980(税込) 発売日:1994-02 |
紫式部を主人公とした、私の知る限り、唯一の小説。
その名が世界的に高名なのに、その生涯についてほとんど知られていない、この大作家の生涯について、
同じ女性作家である杉本苑子さんが、その想像力の限りを尽くして描いている。
葦の茂る賀茂川の河畔、夜盗が出没する平安京の夜の闇など、
紫式部の生きた時代の京都に想いを馳せるのには、数少ない、
そして、格好の一冊だと思う。
藤原道長と紫式部の関係も、後半のテーマの1つで、
二人の微妙な関係の描写も女性作家の杉本さんならでは。
源氏千年紀の今年、この小説はもっと注目されてよいのでは!