老後は京都で !

京都の町中(堺町六角)と東京(青山)を気ままに行き来する二地域居住を実践中。 

修学院をつくった後水尾帝を主人公にした小説

2008年07月14日 | 江戸時代の京都
花と火の帝〈下〉 (講談社文庫) 花と火の帝〈下〉 (講談社文庫)
価格:¥ 680(税込)
発売日:1993-09
花と火の帝〈上〉 (講談社文庫) 花と火の帝〈上〉 (講談社文庫)
価格:¥ 680(税込)
発売日:1993-09

本書は、歴史小説界の金字塔の1つと評価の高い、

「影武者徳川家康」、の著者である、隆慶一郎さんの絶筆となった作品。

修学院をつくった後水尾天皇を主人公に、

天皇の隠密として働く、修業により超人的能力をもつにいたった八瀬童子が、

幕府の忍びや柳生一族と暗闘を繰り広げる物語。

隆慶一郎さんの作品には、

単にストーリーの面白さや、くの一の色香に頼っただけというものは全くなく、

どれ1つとっても、深い歴史研究に裏打ちされ、

しかも、歴史学者なら立場上慎重にならざるをえないような、

大胆な仮説を小説化しているから、はずされるということがない。

江戸幕府が、(禁中並公家諸法度の制定などを通じて)体制を固めていくという、

なじみの薄い時期を舞台に、

その謎めいた響きを聴くだけで無限に想像がかきたてられる、

八瀬童子という集団を、初めて小説化した、というので読んでみたのだが、

予想通り面白かった。

未完に終わったのが悔やまれる。

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