マキャベリ といえば歴史の時間に聞いた事のある程度でした。
歴史に残る本というのは なるほどと 納得する内容でした。
塩野七生さんの抜粋ですがむしろエッセンスが簡単に判って読みやすかった様に思う。 これから印象に残った抜粋を書き込みます。
・政治とはもっと広いもので、いってみれば、持てる力を、いかに公正に、かつまた効率良く活用できるかの『技』ではないかと。 ただし政治とは、場合によっては人倫の道に反することもやらねばならない。と。
・人間いかに生きるべきか、ばかりを論じて現実の人間の生き様を直視しようとしない者は、現に所有するものを保持するどころか、すべてを失い破滅に向かうしかないのだ。なぜならば、何事につけても善を行おうとしか考えない者は、悪しき者の間にあって破滅せざるを得ない場合が多いのである。それゆえに、自分の身を保とうと思う者は、悪しき者であることを学ぶべきであり、しかもそれを使ったり使わなかったりする技術も、会得すべきである。 この言葉に私は少なからずショックを受けた。
・自らの安全を自らの力によって守る意志を持たない場合、いかなる国家といえども、独立と平和を期待することはできない。
・リーダーの素質とは、所詮もって生まれた天性のものによるものではないだろうか。
・歴史は、我々の行為の導き手である。だが、特に指導者にとっては師匠である。 人間社会には、相も変わらず同じ事を考え、同じ事を望む人間が棲んできたきたのだ。
・困難な時代には、真の力量をそなえた人物が活躍するが、太平の世の中では、財の豊かな者や門閥に支えられた者が、我世の春を謳歌する。
・過去や現在のことの想いをめぐらせる人は、たとえ国家や民族がちがっても、人間というものは同じような欲望に駆られ、同じような性向をもって生きてきた事がわかるであろう。
・人は、ほとんど常に、誰かが前に踏みしめていった道を歩むものである。
・軍の司令官にとって,最も重要な資質は何かと問われれば、想像力である。 いかなる職業でも、想像力なしにその道で大成することは不可能である。
・やった後で後悔するほうが、やらないで後悔するよりずっとましである。
・好機というものは、すぐさま捕らえないと、逃げさってしまうものである。
このマキャベリは16世紀のフィレンツェの人であるが、1000年以上続いたローマ帝国の歴史をじっくりと紐解き、其処から得られた事例をまとめて君主論を書いた。これは人間の、国家のありのままを書いた書であろう。