この年になって 初めて この本を読みました。購入してみたらなんと 子供向けのダイジェスト版 絵本でした。 でも エッセンスは 変わりないでしょう。 サンテグジュペリは学生時代 『夜間飛行』を読み大事にしていました。夜 飛行機の上から地上を見下ろすと 真っ暗な闇の中 あちらこちらに 明かりが見える。その明かりの元に居る人々と心を通わす事が大切だ。という 一節が心の中に今も残っている。
さてこの星の王子様 のなかに 有名な一節がありますね。友だちになったキツネから教えてもらった大切な心得。『大切な物は目に見えない。心で見るんだよ。』 心で見るとは どういうことなのだろう。心は 人の視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚、等の五つの感覚と予感というか第六感と、それらを総合して行う想像という事をして感じること、分る事ではないだろうか。 この創造する事の難しさよ。例えば、相手の身になって考えてみるという事でさえ大変であるね。
次に、原本で フランス語でアプリポワゼという言葉が出てくる。これを日本語へ翻訳する際 大変訳者は苦労されるそうだ。日本語にふさわしい言葉がないのだ。星の王子様が出会ったキツネに友だちになってくれと頼むのだが 断られる。まだお互いにアプリポワゼができていないからだと。 このアプリポワゼとは 『きずなをつくる』ということ。単に仲良くなるのではなく、時間を掛けて目には見えない、精神的つながりを作るという事である。すると お互いが かけがえのない者同士となる。これが大切なのだと。 星の王子様の星にたった一本咲いていたバラ。地球に来て5000本の同じバラを見たとき、王子様は悲しくなったそうだ。そして星に残してきた 我侭な一本のバラを思い出したそうだ。これが アプリポワゼ。 これにつながり、『時間をかけて世話をしてあげたからこそ、君のバラは、君だけの特別なバラになったのだ。』 もう一つ『わすれちゃだめだぜ、自分が大切にしてやった相手に対して、きみはいつまでも責任があるんだ。あのバラに、きみは責任があるんだ・ ・ ・ 』