「子供(育児)とともに、親も成長する」 とはよく言われることです。
それでは、子供が大きくなったら親の成長は終わるのでしょうか。
それぞれの人が持つ、物事に対する価値観というものは、
その人が生まれ育った時代や社会、家庭環境などによってさまざまに異なります。
あかの他人のみならず、同じ家庭で生活する親と子の間でさえそうです。
子供は成長とともに、親とは違った価値観を身につけます。
生まれ育った時代や社会、環境が違うのですから、それはあたりまえのことです。
相手があかの他人なら、嫌ならつきあわなければいいけれど、
親子の場合はそういうわけにはいきません。
だからといってお互いが相手を否定し、自分の価値観を認めさせようとすれば、
そこから親子関係に軋轢や断絶が生じます。
親も子も、一度骨身に染みついた自分の価値観というものは、
大人になってから、そうやすやすと変えたり捨てたりできるものではありません。
そうするとそこには葛藤や不安、動揺、当惑、反感などのさまざまな感情が生まれます。
子供が成人してからの「親の成長」とは、
親と異なる子の価値観を受け入れて変わることではなく、
その違いから生じるさまざまな感情を乗り越えていくことではなかろうか、
そう最近思うのです。