スーパーなどで見かける幼児連れの親子。
子供がむずがるからと、未清算のお菓子を持たせて買い物し、
レジでは「これも一緒です」といって、シールを貼ってもらう姿を見かけます。
ちゃんとお金を払うのだから、万引きではありません。
しかし、貨幣の仕組みを理解していない子供に、
お金を払う前から商品を持たせることはいかがなものでしょうか?
子供にとっては、
親から手渡されたその瞬間から、商品は自分のものです。
貨幣というものを理解していないのですから、
「お金を支払うまではお店のものであって、自分のものではない」
などという認識は、子供にはありません。
物心つく前からそうやって買い物をしていると、
子供は、「自分の物と店の物のけじめ(線引き)」があいまいなまま、
成長してしまいます。
むずがるからといって、
子供に未清算の商品を持たせて静かにさせる育児は間違っています。
子供には、物心つく前から、
「店の商品は自分のものではない」、ということと、
「自分のものにするためには、決まったルールがある」
ということを教えることがとても大事なのです。
万引きをしても、「お金を払えばいいんでしょ」という子供は、
その大切なプロセスが、親からしつけられていないのではないでしょうか。
わが家では、子供が泣こうがわめこうが、
未清算の商品はカゴに入れたまま、決して子供に持たせませんでした。
それは、私自身が親から教えられたことでもあります。
子供は利口です。
きちんと説明すれば、すぐに買い物の仕組みくらい理解するものです。
ところでひどいケースになると、
子供が未清算のまま食べることを許している親がいます。
これは「あとでお金を払えばいい」という問題ではありません。
親に罪の意識はないでしょうが、れっきとした不法行為です。
レジでの支払いは商品の「購入」ではなく、「弁償」にあたります。