大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

集団と個人

2014年09月01日 | 労働者福祉
毎日を生き生きと過ごし、満足できる仕事をし、お互いが成長し合う人間関係を築ければ、結果として組織目標も自ずと達成できる…と私は信じている。
誰もがそう考えているはずだが、現実は難しい。
その難題を突破するための学問が、集団心理学や社会心理学である。

集団という人々の集まりが、それを構成するメンバーにいかなる影響を与えるのか。
またメンバーは集団に対して、いかにして影響を与えうるのか。
これまでそんなことは考えもしないで組織活動を展開し、失敗のなかから多くのことを学んできた私であるが、その裏付けとなる集団心理学・社会心理学は実に面白い。

たとえば人間の服従性について面白い実験がある。
アッシュの同調実験だ。
「Aと同じ長さの線を選んでください」、という質問だがあなたはどれを選択しますか?

被験者一人に対して、7人のサクラが不正解を選択する。
回答者が被験者一人だけだったらなんなく正解を答えるが、7人のサクラがいて不正解を選択すると、被験者の35%が不正解に同調するというものだ。
たった一人で別のことを主張することは、いかに心理的に圧力がかかるかがよくわかる。
この集団心理を特殊な状況下で使うと、人々は簡単に自分の考えを捨てて、社会や世論に服従してしまう。
いつか来た道がそうであったように。

しかし社会の中で人間は一方的に影響を受けるだけでなく、自分から他の人にも影響を与えることができる。
組織の中で同調者を増やしていけば、自らの考えを組織全体の行動につなげることができる。

同じくアッシュは集団についてこのようにも述べている。
「集団を化合物としての水“H2O”に例えると、水は2つの水素原子と1つの酸素原子が化合してできた1つの分子。
それぞれの原子は別々の性質を持っているが、化合して水になることによって、さらに別の性質を持つことになる」
実に含蓄のある言葉である。
ひとりひとりの意識や考え方や行動がほんとうに大切な時代だ。

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