花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

快晴の尾瀬を歩く・長沢新道編

2012年10月23日 | 登山

長沢新道コース図
地図からも判るように、長沢新道は、右に長沢、左にセン沢という
沢にはさまれた尾根の上を歩くコースで、途中に三ヶ所の道標が
立っている。
等高線を見れば、中間の長沢頭の道標から、長沢の道標にかけて
等高線が密になっていて、このコース最大の悪路と言っても良い

しかも、ほとんどが樹林帯の中のため、日陰の湿った環境で、木道に
ヌルがついていて、雨の日や朝露がついたりすると、間違いなく
滑る道である。
前回の時には、数回滑って転び、尾てい骨を打撲して、数ヶ月間
痛さとあざが消えなかった。
特に「土場」までの木道は、傾斜緩いので、油断してしまうが
そう言うところほど滑るからやっかいである。

が、流石に今回は滑らなかった。高温で雨の少ない日が続いて、木道も
乾燥していたからである。

そうしたマイナス面ばかりではなく、長沢新道には、中間点より
下側に、見事なブナ林が広がっている事でも有名なのである。
時期はまさにピッタリである。黄葉に期待して下っていこう。


滑りやすい木道に注意の看板を尻目に、緩やかに木道下っていく
どういう訳か鳥も鳴かず、静かな森の中に熊鈴の音色だけが響く


時折、鮮やかな黄葉が木道を飾っている。
この辺は豪雪地帯でも有るので、細い木は雪の重みに耐えるように
しなやかに育っている
試しにすがりつくと、あっという間に倒れて体を支えてくれない
急斜面などで、体を支えようとしがみつくときは注意が必要だ
あっという間に谷側に倒れるので、逆に転がり落ちる危険がある


明るい日差しの中で、すれ違ったのは一組のアベックだけで
アヤメ平とは打って変わって静かな道だった。
帰りのバスの最終便は4時半である。
それに間に合うには、コースタイムの通りに歩かなければ
ならない。
いつもの のんびりペースから急ぎ足のペースに変えて、ひたすら
先を急ぐ。


が平坦な木道ばかりではない、途中には荒れた道や、写真のような
階段も待ち受けている。


やっとベンチある道標が見えてきた。


最初の道標「土場」竜宮までまだ2.9kmもある
時計を見たら11時46分である。
ザックからウイダーインとビスケットを出してエネルギーの
補給をした。
なにやら賑やかな声がすると思ったら、下から数人の登山者が
登ってきていた。


一本しか無い木道ですれ違うのは大変である。
たまたま有った古い切り株に片足を載せて道を譲る。
こもごも挨拶しながら通り過ぎていくベテラン登山家達
面白いのは中年のアベック、こちらが挨拶すると、たいていの
ご婦人は挨拶を返してくれるが、男性はしらんふりする人もいる
なんだ、焼き餅を焼いているのかな(笑)
輝く黄葉が笑っているよ。


倒木に見事に並んだ白いキノコや


眼を引く紅葉に見とれつつ先を急ぐと


道標「長沢頭」についた。
ここは、このコースの中間点で、どちらにも2.1kmの
距離である。
がここから先が難問で、岩だらけの急坂をジグザグに下る
しかも段差がある悪路である。


長沢頭を出発し急坂を下っているとき、下から登ってきた
年配のグルーブに出会った。
「後どのくらいですか?」と聞かれたので、もう少し登ると
中間点ですよと答えると「えーっ まだ中間点なの」と年配の
ご婦人が辟易している。
別なご婦人が「お父さん頑張りますね」という。
お父さんと言われて喜んで良いのかどうか、70になった事だし
まあ良いか。(苦笑)
時折木の間から尾瀬ヶ原が見えるので、もうすぐかなと喜ぶと
これが意外と遠いのだ。


岩ゴロの道を下り


ブナにみとれ


歩きづらい階段道を下る


ブナの多い林の階段道を下り


道標「長沢」につくと、竜宮まであと1kmの表示がある。
時計は12時28分であった。
どうもお腹が減ったと思ったら、もうそんな時間であった
しかしこれで何とかバスに間に合いそうだと思った。
竜宮についたら食事にするぞ、八ヶ岳で出会ったガイドのKさんが
「シャリバテは、登山では最悪である」と言っていたし、何が何でも
食事を摂らなければ。


道標を過ぎてすぐ、木道の橋を渡ると割と平坦なブナ林の道で
ブナの黄葉と楓の赤が続く錦秋の道に変わる。









以下24日写真追加

この左の木の先で尾瀬ヶ原が見渡せる


尾瀬ヶ原の脇に出た木道からの眺め、くさもみじは
ピークを過ぎていたが、青空と至仏山が見えてホッとする
瞬間だった。


木道の右脇はブナの林の紅葉が見事


川にはカエデが浮かび


振り返ると青空に映える真っ赤な紅葉が有った
正面には竜宮十字路のベンチが見えていた。

急坂を下るとき、膝の後ろに違和感が有ったから
密かに難所を乗り切った安堵感がわいていた。

長沢新道編終わり。


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