花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

原発から30キロ圏内の山

2011年04月23日 | 登山
2009年5月23日撮影の高柴山のツツジ

先日、福島市の花見山から三春の滝桜まで、家内と一緒に
回ってきた。
歩くことが苦手な家内に、花の美しさを見せる為だったが
帰り道に磐越道を走って愕然とした。

車がほとんど走っていない。
みんな原発の放射能を恐れて来ない事は想像に難くない。
阿武隈高原のSAでそばを食べたが、店はガラガラだった。
私はいわきから常磐道を走るつもりだったが、家内がいやがった。

小野ICで一般道に降りて、山間の道を走った。
夕方なのに、家々の明かりがついていない。
「みんな避難して人が住んでいないんじゃない」家内が不安がって言う
「きっと省エネで消しているんだよ。」不安を消すために私は言った。

たまにすれ違う車が有るとほっとするのだった。
とりあえずエアコンの外気取り入れをやめて、室内循環にした。
家内の車で行ったのだが、ナビがついていないので、道に迷った。

古殿町に入ったところで、北上して石川町にぬけ、国道118号線
に入ってようやくほっとした。
後は棚倉、矢祭、大子町を通って、常磐道の那珂ICで乗ればいい。

新緑がすがすがしい高柴山の登山道 2009年5月23日撮影

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阿武隈の山ツツジで有名な高柴山 第一原発からおよそ40キロ


福島第一原発の放射能汚染はとどまるところを知らず
収束するどころか、拡大する有様。
海に流れ出た汚染水は、年間許容量2万年分に相当するという膨大なもの。

被害は海にとどまらず、第一原発から30キロ圏内には
阿武隈の山々の最高峰、大滝根山(1192.5m)が含まれている。
登山家にとっても登りたい山で有ろうが、花好きな人も登りたい
花の山で、シロヤシオやシャクナゲ、ドウダンツツジが咲くという。

私が登りたいと思っていた阿武隈の山々の原発からの距離を
調べてみた。
20万分の1の山旅地図で、カシミールの測定機能を使って計った。
小数点以下は切り捨てた概略距離である。

もっとも30キロ圏を境にして安全とか安全でないという明確な
基準は無いし、意味もない。

どうも保安院とは名ばかりで、安全を守る役目を果たしていないし
データを隠している疑念が消えない。
資料の完全公開と、独立的な監視機関を設けるべきだと思っている

今後は山々の放射能量と水の検査もやって欲しいものだ。
そうでなければ、阿武隈の山々は、荒れ放題の荒廃した山となるだろう


大滝根山 30キロ
二ツ箭山 31キロ
矢大臣山 33キロ
高柴山  40キロ
蓬岳   47キロ
五十人山 26キロ
猫鳴山  27キロ
吃兎屋山 27キロ
鬼太郎山 19キロ
鎌倉岳(常葉) 30キロ
鎌倉岳(竹貫) 57キロ

高柴山の山頂近くの登山道は、ヤマツツジのトンネルを登る

いつかは登りたいと思っていたいわき市の二ツ箭山
アカヤシオと岩峰で有名だと花友に聞いていた山である。
いつになったら、放射能におびえずに登れるのだろうか
考えると腹の底から怒りがわいてくる。

後記 実は この記事を書くことを悩んだ
「新たな風評被害を生むのでは」と思ったからである
しかし、正確なデータを求める為にも、山を荒廃させない為にも
書いておこうと思ったのである。
山の放射能測定は是非ともやって欲しいと思う。