花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

花友と行く袈裟丸山・5月16日・その2

2010年05月21日 | 登山

展望岩から傷んだアカヤシオの花を眺めつつ歩むと、やがて木製の展望台が
見えてきた。
ザックを降ろして早速垂直のハシゴを登った。


展望台からの袈裟丸連峰


盟主黒檜山が聳える赤城山が大きい、惜しむらくは雲がかかりはじめ、その右に連なる
浅間や本白根は霞の中であった。


展望台の近くに建つ、袈裟丸山の由来が書かれた看板


こんな案内板も有ったが、痛みが酷くてあまり役に立たないと思うが。
群馬県さん何とかしたら。


展望台からわずかの距離で賽の河原に着いた。


賽の河原のいわれが書いてあるが、弘法大師がここに着いたら日が暮れて夜になり
子供の泣き声がした、、、、ってオイオイ背筋が寒くなるよな話だよ。
死んだ子供に会いたい人が、ここに来て石を積むと子供に会えるという。


上の碑は読みにくいので、群馬県が出している説明板です。
いずれにしても夜はここを通りたくないね。


新芽のカラマツの林や


石の多い笹の道を登って行く


数は多いが、いずれも何とも寂しいアカヤシオを見ながら花友が嘆く
最高の時に来合わせた花友が、私に見せるために誘って、こんな結果になって
残念がっているのが伝わってくる。


やがてロボット雨量計が有るところに着いた。
「ここもアカヤシオが目の前で見られる場所なのよ」と花友は口をそろえて言う。


柱の銘板に緯度経度が表記されていたので、GPSで位置を探す場合に役立つとパチリ。
標高は1595m


雨量計の先は、軽いアップダウンを繰り返して小丸山方面に向かうと、再び賽の河原の
様な場所があり、前方の山に登るのかと思っていたら、花友は左の山腹の踏み跡に
入って行く。
ここへ何度か来ている花友だから、ルートを知っているのかと思い、後を付いて
行ったら、どうも少し違ったらしい。
「前はもう少し上だったんじゃない」とかIさんが言い出した。
まばらな樹林帯で足下は笹である。
踏み跡はしっかり付いているが、Iさんは見覚えが無いという。
先頭を行くKさんも「もう少し上だったかも知れない」と言い出した。

そうしているところへ、上の尾根からおりてくるグループが有り「そこに道がありますか」
と遙か上から声を掛けてきた。
上と下でルート情報の交換をしていたら、反対側から中年の登山者が来て「このまま
進めば避難小屋の前に出ますよ。」という
どうやらここが小丸山の山頂を通らずに避難小屋に抜ける巻き道だったらしい。
しかし地図には載っていなかった。


尾根を越えてやや平坦な場所に避難小屋があった。
丸いドーム型の黄色い避難小屋だった。
シラカンバが多い峠の感じで、小さいトイレがポツンと建っていた。
付近では先客達が三々五々お弁当を広げている。


避難小屋の前に平らな木材が敷いてあり、少し早いがそこで食事にした。


付近に建つ説明板
この説明板にも書いてあるように、袈裟丸山はシャクナゲの群生地なので、花友は
咲いているようならシャクナゲも私に見せたかったらしい。
だが、袈裟丸山から下りてきたご夫婦によると、シャクナゲは全然咲いていませんよ
との事だった。


付近に建つトイレ


若いシラカンバも有るが、シラカンバは陽樹で日陰では生きられない。
廻りの木が高くなり陽が当たらなくなると枯れて倒れてしまう。
林の中でシラカンバが倒れているのは、そのせいである事が多いという。


当てにしていたシャクナゲが咲いていないと言うので、花友は前袈裟丸山には行かない
といい、どこにしますかと聞くので「展望が良いという小丸山に行きませんか」と
言うと、じゃ小丸山にしましょうと小丸山に登ることになった。

食事が終わったばかりの身体には、登りがきつい。
妙に足が重く感じるのだ。
それに空が黒い雲に覆われて青空が減っている。


小丸山・山頂から日光男体山方面


前袈裟丸山とその手前にある小ピークが目前に見える


中央の雪山が日光白根山


小丸山山頂は、大勢の登山者で賑わっていたので、そそくさと下山。
賽の河原まで戻ったら、寝釈迦の方に少し下った所がアカヤシオが綺麗ですよ
と他の登山者に聞いた。
おりてみると確かに林の中に綺麗なアカヤシオが咲いていた。
しかしいずれも遠い。
そこで途中で寄り道して撮影したのがこの写真


どんどん下山して笹原の尾根から樹林帯に入って見つけたのがこのヒメイチゲ
早くも実になりかけている。


帰りだからと健脚向きコースを歩いて見つけたのがフデリンドウ
かなりの数が有ったが、誰も見向きもしない。
小さいながらもけなげである。


午後2時14分、登山口に着いてわき水で手を洗うと気持ちが良い。

花友が大滝に寄って行こうというので、来た道を帰らずそのまま林道を走って
大滝に抜けた。


大滝の遊歩道入り口にクワガタソウが咲いていた。


そのまま遊歩道を上っていくと、トンネルがあり、トンネルを抜けると
高所恐怖症の私が恐いかもしれないよと花友が笑う


勾配のきつい階段付きの吊り橋が有った。
「手すりが有るからまだ大丈夫だよ」と吊り橋をおりていった。


展望台の岩に登ると「大滝」と呼ばれる滝が豪快に流れ落ちていた。
頭の上には、早くもシロヤシオが咲いている。


吊り橋の脇にはシャクナゲの花も咲き、花友が夢中で写真を撮っていた。

東屋のある渓谷に戻ったら、何と言うことだ今年二度目の「カジカ蛙」の声がした。
しばらく立ち止まり、濁り無き声に聞き惚れた。

終わり