花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

古峰神社から夕日岳・禅頂行者道を歩く・その2

2010年05月15日 | 登山

9時過ぎに古峰神社の前に着いた。
神社の入り口の反対側にある道路脇の駐車場に車を駐めた。
丁度、林道前日光線のトンネル入り口のすぐ下である。
上には立派なトイレも有る。
トイレに行ったら、和式で少々汚れていた。


9時25分頃、支度を終えて出発、腰痛なので重い三脚はやめて、ミニ三脚にした。
左側に古峰神社の広大な駐車場が有り、奥に八重桜が咲いていた。
右側にはツツジが咲いていて、見上げると抜けるような青空だった。


その先の「カーブ14」と書かれたカーブを曲がると、古峰園があり、うす緑色の
若葉に包まれて、盛んに野鳥がさえずっていた。
門が開かれていたが、関係者以外出入り禁ずと書かれている。



道ばたにチゴユリが咲いてうなだれている
腰が痛くてのぞけない。情けない登山である。


古峰園の門を過ぎて、カーブを曲がるとすぐ、三枚石新道の入り口がある。
健脚者に限ると書かれているのが面白い。
直登かと思っていたが、よく見ると左に巻くようにして登山道が有るようだ。


車道歩きの単調さを救ってくれるのは、身も心も若葉に染まりそうな木々の葉と
色鮮やかなヤマブキの花である。


やがて車道の路肩に数台の車が駐めてあった。
何だろうと思ったら、そこが地蔵岳への登山道の入り口だった。
熊に注意の札も張ってある。サックから北海道で買ってきたヒグマ用の熊鈴
を取り出して結びつける。
これはかなりうるさいが、熊さんとはお会いしたくないものだ。


右に下るようにして林道を歩き、左に曲がると作業小屋のような建物が見えた。
近づいても誰も居らず、締め切られていた。


この小屋の前から見上げる山と空が実に清々しい景色であった。


小屋の脇では、砂防ダムの間の橋を建築中と見え、橋桁が出来ていた。
登山者は、その脇の仮道を通っていく。


林道には、モミジイチゴとスミレが無数に咲いている。
苺がなったら食い放題だなーとか考えながら歩く。


石ころ道の林道に嫌気がさしたとき、作業用の道が有った。
どうやらジクザクの林道をショートカットしていそうな気がして、思い切って
その道に踏み込んで行った。
初めての道で、しかも腰痛の身で、こんな事をするのは無謀と言われるだろう。


最初は踏み跡もしっかりしていたが、いくつかの沢を渡ったりしているうちに


段々倒木も多くなり、倒木の下をくぐり抜ける時、腰がギクッとして
思わずひやりとした。
携帯電話を見ると電波の柱が二本立っている。
万が一のために、娘の携帯にメールを入れた。

そのうち荒れた沢を渡ったら、踏み跡が無くなっている。
右は地図にも載っているハガタテ平から流れている渓谷であろう。
とすれば左の尾根すじを登れば林道に合流する筈と見当をつけて
少し登ると、林道のカーブミラーが見えた。


やはり予想通りの林道であった。
しかもここに出たのは正解で、その先の砂防ダムのある角を曲がると


広い空き地のような場所に出た。
そしてそこから先は、細い林道に変わっている。


林道の一角に、宇都宮営林署のプレートが有り、昭和58年5月にスギ、ヒノキ、カラマツ
を植林したと記されている樹林帯を登る。


やがて何本もの倒木が林道に覆い被さっている場所が見えた。


近寄ってみると、倒木に左方向の矢印と地蔵岳と書かれたプレートがつけられていた。


左によじ登ると、樹林帯の中を登山道が続いている。


やがてやや平坦な道になり、山腹を巻いて沢に出たら驚いた。
砂防ダムがものの見事に壊れている。
土砂崩れでも有ったのか、まるで大岩が転がっているように突堤が壊れていた。

その壊れた突堤の上を慎重に渡って対岸に抜ける。
少し水が上を流れているから、増水したら渡れないであろう。


きつい登りの樹林帯を抜けると、沢沿いの道になりエンゴサクとか


両側にニリンソウの咲く登山道があり、再び樹林帯を行くと


あちらこちらにバイケイソウと思われる葉っぱが、無数に生えている湿地が有る。

ハガタテ平の手前はかなりの急登で、しかも曇り空になって薄暗い。
ヒイヒイ良いながら登っていたら、上から年配の登山者がおりてきた。
(自分も年配者なのだが、それは置いといて 笑)

脇によって道を譲り挨拶した。
すると「どちらまで行かれます?」と聞かれたので「とりあえず地蔵岳まで」
と言うと「それなら夕日岳まで行かれた方が良いですよ。夕日岳はアカヤシオが
満開ですよ。」という。
「地蔵岳にはアカヤシオが無いので、頑張って夕日岳まで行ってください。」
と言う
「ありがとうこざいます。」お礼を言って別れた。

満開と聞いてにわかに元気が出た。
我ながら現金な物である。


やっとハガタテ平にたどり着いた。
時計を見たら、11時56分である。相変わらず鈍足である。

その3に続く