暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

経験

2018年01月25日 | 古民家

 「木取り」という作業があります・・・

厳密にいうなら・・・伐採した丸太から柱を製材するにも木取りはあって・・・

反りや曲がりを見て、材の心が真ん中に来るように調整したりします・・・

棟梁はその柱を見て・・(昔は山に入って立木を見て伐採する木をきめたそうですが ・・・)

山の東西南北どちら側に育っていたか・・?

山側・谷川どちらに向いて育っていたか・・・?

1棟分の柱を並べて、適材適所に配置していきます・・・

当然、柱は4面あるので、その面の状態を見てどちらに向けるかも考えています・・・

柔らかい材・硬い材・・・色目・木目・・・表情もそれぞれなので・・

それらの部分を建物のどこに持っていくか・・・加工する前の段取りがとても重要です。

専用の機械で木材を加工する「プレカット」が今では当たり前のように行われて・・・

木造の建物は建っていきます・・・

作業として効率よく、コストの面でも安定した技術なのかもしれません・・・

でも、機械乾燥では何百本もの材をお釜に入れて乾燥させていきます・・・

しっかり手間をかけるなら・・乾燥してきて割れが入り始めると・・・

材を日影に置いたり・・・木元(根っ子に近いほう)を逆さにして乾燥させたり・・・

乾燥して割れが出てくる塩梅を、手間をかけて育てる工夫がプレカットでは出来ません・・・

手間をかけた分、出来上がった時の充実感や、喜びは言い表せないと思います。

大工さんが、なりたい職業の上位に入っていたり、今でも人気はありますが・・・

現実の肉体的・精神的な大変さと、収入の面などで挫折する人も多いようです・・・

それでも若くて前向きな棟梁や見習い大工さんに合うと・・こちらまで元気をもらってしまいます。

体一つ・手に職の厳しい世界ですが・・・社員待遇など福利厚生も時代と共に整って来ています・・

仕事に誇りを持っている・・・自分もそんな言葉言えるようになりたいです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする