暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

穏やかな風

2020年09月30日 | 古民家
 住いを建てる時・・・屋根を支える棟を上げるので、上棟と言い・・・
この先滞りない作業の安全と完成を願い・・・一席設けて祝う・・・。
大きなお宅などは・・・2階から、おひねりやお餅・お菓子をふるまい・・・ご近所の方々も呼んでの祝い事になって・・・
お酒や料理も出て・・・そこそこ盛大騒いでいる光景を、自分が子供の頃に見た記憶があります・・・。

お酒を飲んでの運転や・・・建て主の経済的な負担など・・・
ご近所付き合いも希薄な暮らしでは、地域で祝う理由も無くそんな行事も減って行きました・・・。
地鎮祭に上棟式・・・新築祝いなど、住まい造りは一生に一度の大仕事・・・
住まいを建てるとは・・・?一国一城の主になる、そんな特別な意味合いも強く・・・
その村や町にとっても祝い事で・・・
地域みんなで守り、残して行く考え方があったように思います・・・。

「結」の考え方のように相互扶助の考え方で、手間で返す・・・
恩を忘れず・・・恩で返す、煩わしさが先に立つ余裕の無い暮らしでは・・・
理解してもらえない考え方になってしまったのかも知れません・・・。
隙間なく・・・廻りからも見えない風通しの悪い住まいよりも・・・
いつも穏やかな、多くの風が流れ・・・ポカポカと暖かなおひさまの温もりを運んでくれる住まい・・・
人も風もおひさまも受け止めてくれる開放感あふれる住まいが・・・
人を育ててくれるのだと思います。



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住まいと庭

2020年09月29日 | 古民家
 こざっぱりと小さな玄関を進んで・・・ほの暗く狭い廊下をソロリと抜け・・・
案外と低い鴨居を意識しながら、頭を垂らし、大げさにくぐれば・・・
フカリと足に吸い付く畳の感触がうれしく・・・
和室の室礼に並んで広がる・・・眩しい庭の景色が広がっています・・・。

どんなに立派な建物も・・・庭が無くては愛想が無く・・・
こじんまりでも良い、お手入れされた小さな庭は無くてはならず・・・
コンクリートやアスファルトで固められて・・・アルミのフェンスで囲われた住まいなど・・・
どのように愛でて良いのか解らなくなる・・・。

和の物は、手を入れる事で存在感が増して・・・
和の暮らしは・・・いちいち感じる仕掛けがあちらこちらに隠れ・・・
建物も庭も・・・それほど関係なく暮らしに寄り添っているようで・・・
その実、結構あてにしながら気を使って暮らしが支えられている気がします・・・。
お手入れ要らずの生活は・・・女性の暮らしを変えて、日々の習慣を変化させて、体は快適になったのかも知れませんが・・・
些細な事に気付いて喜ぶ楽しさは・・・失ってしまいました・・・。
小さな喜びが見え隠れする住まい方を、もっと知ってほしいと思います。






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景色

2020年09月28日 | 古民家
 ちぎれ雲が、まるで空を駆ける筋斗雲のように見えて・・・
穏やかな風が流れる空に・・・グルグル大きな目をしたトンボが・・・
これでもかと言わんばかりに集まれば・・・
あっという間に秋は過ぎて・・・今年も変わらず、冬の時間がやって来る・・・。

エーゲ海に向かって並ぶ白亜の建物・・・じっくり見た事も行った事も無く・・・
それは心に残るすばらしい風景なのだろうと思うのですが・・・
空の青さや雲のカタチ・・・茂る樹木に暮らしが見える住まいも、広がる海に似合う姿・カタチがあって・・・
エーゲ海に佇む古民家・・・は、どうもイメージ出来ず・・・。
その国に育つ自然の営みや・・・自然が見せる景色が伝統や文化を生んで・・・
大きな自然の中に間借りする・・・動物や人は当然、その自然に合わせてた暮らしで造り上げられています・・・。

文化や伝統を守るのは・・・古いしきたりを頑固に変えない事では無く・・・
伝統が始まった頃の想いを知り・・・意味を理解して、新たな伝統に生まれ変わり・・・
繋がれて行く事・・・だと思います・・・。
地域や町に並んだ、困り顔の建物達・・・時間が過ぎて、色あせた面影も残らない面々となれば・・・
記憶にも残らない、寂しさとむなしさだけが残る町になってしまう気がします。

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酔狂

2020年09月27日 | 古民家
 人力車か大八車ぐらいしか無くて・・・
牛や馬に農作業を手伝ってもらうほどの暮らしの中で・・・
蔵や商家の住まいを支える・・・あんなに太くて長い柱や梁を運んでこれたのだろう・・・?
お城を大きく見上げる巨大な石垣も、世の中の七不思議くらい・・・運ぶ姿を想像出来ない技術があったように思えて・・・
いろんな工夫があった事は解っていても・・・いざ現代で、同じ作業を行えば誰もが酔狂なイベントだと一蹴されてしまうのだろう・・・。

一日中働きづめの毎日・・・柴を刈り、雑草を取り、畑を耕し田んぼを育て・・・
蚕の世話に、季節の移り変わりの準備をして・・・夜も更けて行く・・・。
農家の生活がどれほど過酷で苦労の連続だったかを知ると・・・
二度と農家にはなりたくない・・・息子には継がせたくない、と思う気持ちも解らなくはないのですが・・・
日本の食を支える産業が衰退する姿は・・・日本を支える大切な部分を失なってしまうような気がします・・・。

林業が疲弊したのも・・・大きな流れの中からはみ出されてしまったようで・・・
ただ効率良く生産する社会に飲み込まれたのでは無く・・・
食や住の大切さを次の世代に残そうとしてこなかった・・・
守らないといけなかった何かに気付けなかっただけなのかも知れません・・・。
無駄とは違う・・・酔狂とも言えない暮しは・・・
そんな無くしてしまった中にあるのかも知れません。



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生命力

2020年09月26日 | 古民家
 雑草がノビノビと大きくなると・・・お庭は忙しくなるけど、うっとおしくもなって・・・
小さな名も無い雑草の白いお花を、無理くり引き抜きそうになるけど・・・
もしかしたら、知らないでけで・・・立派で覚えられない名前があるのかも・・・
根こそぎ掘り返したはずなのに・・・何故だか次の年も、元気に小さな花を愛でる事になる・・・
自然は儚いようで・・・とても元気で力強い・・・。

循環型の社会・・・持続可能な社会・・・
自然の森は、お互いが共存して・・・自然な循環が行われています・・・。
人の手が入った森は・・・人が丁寧に、計画的にお手入れをしないと、森は死んでしまいます・・・。
人が森に入るのは・・・生きる糧を得る為に、人に都合良い森を人工的に作り変えて来たから・・・
だから、最後まで面倒を見ないと・・・うまくは育ってくれません・・・。

育てた実を、全部取ってしまえば・・・種は残らず、次の年の実りが出来ず・・・
実を取る為に・・・木ごと伐採してしまえば、新しい木を探さなくてはいけないくなり・・・
必要な分をありがたく頂き・・・身の丈の暮らしでうまく共存できると思っていても・・・
自然の成長や、自然の浄化はゆっくりのんびりと・・・それでいて生命力にあふれ・・・
そんな力を少し借りて暮らす生活が・・・とても自然な気がします。

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