歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

タイのローカル鋳物メーカーを訪問しました

2009-01-18 22:03:40 | Weblog

 タイ出張で訪問したローカル鋳物メーカーです。


 工場の出入り口に張ってあったお札です。明らかに華僑の企業ですね。「報徳古堂 霊符平安」と書いてあります。道教のお札でしょうか。


 砕石機械やセメントの生産設備に用いられる鋳鋼製部品の鋳造を行っています。自動車部品ほどは今回の不況の影響は受けていないそうです。


 あまりきれいとはいえない工場ですが、同行いただいた専門家の方によるとなかなか良い技術を持っているとのことでした。同じローカル鋳物メーカーでもベトナム(たとえばこちらのベトナムの鋳物メーカー)とタイとでは大きな差があるように思います。
 特殊な鋳鋼を生産する工場は日本ではかなり少なくなっているので、今後このようなタイのローカルメーカーと日本企業との関係が深まるかもしれません。

セブンイレブンで買ったタイ土産

2009-01-17 00:42:18 | Weblog
 バンコクのセブンイレブンで面白いものを見つけたので子供へのお土産に買ってみました。ちなみにバンコク市内にはあちこちにセブンイレブンとファミリーマートがあり非常に便利です。


 アニメ「BLEACH」のスナック菓子です。


 「ドラえもん」チョコボールです。ドラえもんはタイでは大人気で様々なキャラクターグッズを見ることが出来ます。


 仮面ライダーV3のミニフィギュアです。懐かしい。日本のセブンイレブンでは平成仮面ライダーのスタンプラリーをやっていましたが、ここタイでは昭和仮面ライダーが人気のようです。

世界的な不況でもタイ経済は大丈夫?

2009-01-16 19:33:42 | Weblog
 この1週間、タイの自動車関連メーカーを訪問して回りましたが、やはり世界的な不況の影響を大きく受けています。部品メーカーは少ないところで3割、ひどいところでは7割も生産量が低下しており、残業カットや臨時休業、そしてリストラを余儀なくされています。

 7割も生産量が落ちれば日本の部品メーカーであれば運転資金が即ショートしてしまうと思います。日系企業は経営がかなり厳しいようですが、どういうわけかローカル系企業の経営者のお話からはあまり深刻さが感じられません。
 現地の駐在員の話を伺うと、華僑の彼らは無借金経営で金をたくさん持っているので、今の苦しい状況でもしばらくなんとかなるのだそうです。また、タイ経済は金持ちの華僑が左右しており、もともと購買力に乏しい一般大衆が職を失っても彼らは田舎に帰って再び農業に従事するだけなので、タイ経済に与える影響は考えられているほど大きいものではないだろう、とのことでした。

 日本の常識ではタイ経済というものはわからないものですね。

選挙前のタイの飲酒事情

2009-01-15 02:12:27 | Weblog
 日曜日からバンコクに滞在していますが、想像以上に涼しくとても快適です。しかしタイ人にとっては寒く感じるようで、朝晩は薄いコートを羽織ったりマフラーを巻いている人を見かけます。

 さて、日曜日にバンコクに到着してホテルにチェックインして、さて美味しいタイ料理を食べようかとレストランに繰り出すと様子がいつもと異なりました。この日はタイ下院の補欠選挙とバンコク知事選の前日なので、飲食店で酒を出すことは法律で禁じられているというのです。現地の滞在経験が長い方に伺うと、選挙前は気分が高揚して普段あまり酒を飲まないタイ人たちの酒量が多くなって喧嘩が多くなるから、こんな法律があるのだそうです(タイ人たちが酔って喧嘩になると流血を招く結果になるらしいです)。

 しかしここはタイですから、この程度の法律には当然のごとく抜け道があります。
 飲食店が客に酒を供するのはダメですが、客が小売店で酒を購入して飲食店に持ち込んで勝手に飲むのはお咎めなしなのです(法律の意味がないですね)。私たちも成田空港で購入したウイスキーを持ち込み、店に氷と水を用意してもらって飲んだのですが、やっぱりビールが飲みたくなります。そこでなんとかビールもらえないかなと店に頼んでみると、ちゃんとビールが出てきました。ただしピッチャーは袋で隠して何が入っているのかわからないようになっています。後で現地駐在の方に聞くと、この日は日本料理店でビールを頼むと、中身がビールだとわからないように湯飲み茶碗に入れられて出てきたのだそうです(笑)

 あまりやり過ぎは問題ですが、なんでも柔軟に対応するのがタイの魅力の1つではないかと思います。

嘘が本当のようなニュースと本当が嘘のようなニュース(米国)

2009-01-11 10:03:58 | Weblog
 アメリカで嘘が本当のようなニュースと本当が嘘のようなニュースが報じられました。

 まずは嘘のニュース。



 アップル社がこのたびキーボードなしの新しいMac Bookを発表しました(嘘)。ユーザーはキーボードの代わりにiPodのようなホイールを操作することで効率的に文字を入力することができるという、画期的な入力デバイスを備えたノートPCはMacユーザーから大きな注目を集めています(嘘)。ソースはこちら
 これを報じたのは、かつてその嘘の出来映えの良さに中国の新聞社が見事に騙され事実であるかのように報じてしまったこともある、嘘ニュースで有名なOnion News Networkです。以前にこのブログで取り上げた、アメリカ陸軍が家族をイラクの戦場に招待したという嘘ニュースも大変クオリティが高いものでしたが(こちら)、この"Mac Book Wheel"の動画も実によくできており、Onion Newsのことを知らない人はコロリと騙されてしまいそうです。

 そして本当のニュース。
 アメリカのポルノ業界が政府に対して50億ドルにのぼる財政支援を求める構えなのだそうです(笑)。報じたのはCNNで、シリコンバレー在住の日本人ライターの方のブログに詳細が記されています(こちら、ニュース動画あり)。確かに公的支援を求めているのは事実のようなのですが、これはポルノ業界のジョークでしょうね、きっと。

 金融危機で大きく経済的な痛手を負っているにもかかわらず、エイプリルフールでもないのにこれだけ凝ったジョークを飛ばすことができるアメリカは、まだまだ底力がありそうです。

塚田努「だから山谷はやめられねえ」(幻冬舎アウトロー文庫)

2009-01-10 09:35:31 | Weblog
 塚田努「だから山谷はやめられねえ」(幻冬舎アウトロー文庫)を読みました。「だから山谷はやめられねえ」というタイトル、そして「アウトロー文庫」ですからキワモノな内容かなと思いきや、とんでもない、これは真面目かつ実に優れたルポです。

 当時学生だった筆者はなんとなく大学院に進学するのですが、働くことの意味を知りたい、という一種の「自分探し」のために、山谷のドヤ街を目指します。そしてドヤに泊まり職を探し、地下鉄や山奥の砂防ダムの工事現場で未熟練の肉体労働者としてスコップで土を掘り鉄筋を運びながら、「わけあり」な日雇い労働者たちの声を拾い上げ、また彼らの職場である建設現場や寝泊まりしているドヤや飯場の生活環境などについて著者は克明に描いていきます。著者の手によるドヤの部屋の構造や作業着、仕事道具の説明イラストも味があり秀逸です。部屋の構造を天井から俯瞰して描く手法はおそらくイラストレーターの妹尾河童氏からの影響でしょう。

 本書が優れているのは、山谷や飯場で生きる男たちという、一般市民では伺い知れない世界を垣間見せてくれるだけでなく、職業安定、職業能力、労働安全、福祉など、広範囲にわたって厚生労働行政の課題を指摘している点にあるように思います。特に山谷に暮らす日雇い労働者たちに「居心地の良さ」を提供している福祉(行政によるものだけでなく、ボランティアによるものも)のあり方には私も疑問を覚えずにはいられませんでした。弱者を救うセーフティーネットはもちろん必要ですが、そこには弱者の立場から脱するよう促す仕組みが伴うことが重要であり、酒とギャンブルに溺れながら弱者のまま生き続けることを選択したくなるような「居心地の良さ」を提供する山谷という装置は、もはや存続させない方が良いのではないか、と思いました。

 労働と福祉の問題について考えたい方には一読を勧めます。

歴史的な低金利となったイギリス

2009-01-09 23:46:33 | Weblog
 今日のBBCニュースの報道によると、イングランド銀行の金利が315年間の歴史の中で最低となったそうです。

* Interest rates hit all-time low *
The Bank of England cuts rates to 1.5%, the lowest level in its 315-year history, as it continues efforts to help the economy.
Full story:
http://news.bbc.co.uk/go/em/-/1/hi/business/7817453.stm

 それでもまだ1.5%ですか。かつての日本のゼロ金利政策のことを思えば、むしろ315年間も金利がきちんと記録されていることの方が日本ではニュースになるような。

ベトナムのニュースメディアに出てしまいました

2009-01-09 22:58:48 | Weblog
 ベトナム出張でお世話になった通訳さんから、ベトナム南部の有力紙の電子版にホーチミンで開催された部品調達商談会の模様を報じる記事が出ており、掲載されている写真に私が大きく写っているとの連絡をいただきました。記事はこちら。写真の左側でメモを取っているのが私です。
 ベトナム語なので何が書いてあるのか全くわからないのですが、ベトナム企業に買い付けにやってきた日本企業関係者であるかのように書かれているのでしょうね(実際は買う気はなくてただの取材なのですが)。私にとっては、現地で真面目に仕事をしていたという証拠をベトナムのメディアが残してくれたということで、これは実にありがたいことです(笑)

「銑」の字が常用漢字から外される

2009-01-08 22:25:20 | Weblog
 今月の「鋳造ジャーナル」をぱらぱら読んでいたら、編集後記に「『銑鉄鋳物』の銑の字が常用漢字から外されてしまう。『せん鉄鋳物』と表記されるようになってしまうのは鋳物屋として寂しい限りだ。」という旨が書かれていることが目に留まりました。調べてみると、「銑」以外にも製造業と関係の深い字が常用漢字から姿を消してしまうようです。

常用漢字の追加候補220字を公表 文化審小委が公表(2008.5.13、産経ニュース)
(以下引用)
 社会生活でよく使われる漢字の目安となる常用漢字表の改定作業を進めている文化審議会の漢字小委員会は、「虎」や「狙」など常用漢字に新たに加える可能性がある候補の第1次素案として220字を公表した。7月までに精査して候補の漢字数を絞り込み、来年2月の文化審議会に試案を提案する。平成22年には答申をまとめ、新常用漢字表を決める考えだ。
(中略)
 一方、現在は常用漢字の「銑(せん)」「錘(すい)」「勺(しゃく)」「斤(きん)」「匁(もんめ)」「脹(ちょう)」の6字はほとんど使われていないため、外す方向で検討する。
(引用終わり)


 メートル法が定着した現在、「勺」、「斤」、「匁」が姿を消すのは仕方ないかもしれませんが、「銑」、「錘」、「脹」は「ほとんど使われていない」と評価するのはどうでしょう。
 しかし「常用漢字」とはそもそも何でしょう。Wikipediaによると、「法令・公用文書・新聞・雑誌・放送等、一般の社会生活で用いる場合の、効率的で共通性の高い漢字を収め、分かりやすく通じやすい文章を書き表すための漢字使用の目安」であり、「常用漢字表の目的は、漢字使用の目安であって制限ではないため、強制力を有するものではない。」とありますから、常用漢字から外されようがあまり関係ないように見えます。
 とはいえ、公文書や国語教育、新聞報道ではそれなりの影響力があるでしょうから、「銑鉄鋳物」が「せん鉄鋳物」になってしまうのは杞憂ではなさそうです。漢字は言うまでもなく古代中国で生まれた文字ですが、これを取り入れた日本の文化形成に多大な影響を及ぼし、現代日本人にとっても切っても切れない存在です。「せん鉄鋳物」と表記されて寂しい思いをする人は日本人のごく一部かもしれませんが、むやみに漢字の使用に制限を設けようとする政策はいかがなものかと思います。