クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

年度末に食べるラーメンは? ―同級生ラーメン―

2018年04月09日 | グルメ部屋
K君はおいしいラーメン屋を多く知っている。
中学・高校と毎日顔を合わせていたK君だが、
いまは時折会ってラーメンを食べに行く。

年度が変わる数日前に行ったのは旧菖蒲町(現久喜市)のお店。
通るといつもお客さんが並んでいる人気店だ。

麺はやや太め、スープは濃厚。
トッピングされたチャーシューより鶏肉の方が好みだった。

テーブル席には幼子のいる家族連れ、
カウンターには老夫婦が座っていた。
幅広い年齢層から愛されているお店であることが伺える。

ところで、このラーメン店から少し南に行ったところを流れているのは元荒川。
西方面には、埼玉県指定史跡の“天王山塚古墳”が横たわっている。
数ある前方後円墳の中でも県下有数の規模を誇り、
さきたま古墳群の古墳築造が下火になった頃に現れたとされる。
「動山」とも呼ばれ、“栢間古墳群”の一つに数えられる古墳だ。

古墳を見たついでにラーメン、
いや、ラーメンを食べたついでに古墳……というコースを辿ることができる。
ちなみに、栢間(かやま)の地名は、
萱が生じる沼地、低地から由来しているという(『埼玉県地名誌』)。

K君は4月から人事異動で職場が変わるらしい。
朝が早く、夜が遅いのだとか。
どんな同級生に会っても「仕事は楽だよ」と言う人はいない。
楽している人は皆無ではないのだろうけれど、
多くは年を重ねるごとに仕事に追われている。

時代のせいなのか、社会のせいなのか、
はたまた自分のせいなのわからない。
突き詰めればキリがない。
時間をかけるほどやることが増えていく。
だから、見切りをつけなければ延々と続いていく。

13歳のときに出会ったK君ももうすぐ40歳。
あの頃一緒に過ごした“彼”も“あの子”も40歳になる。
会わなくなった人たちはどう過ごしているだろうね。
そんなことを言ったら、言葉が宙ぶらりんに浮かんだ。

時間に追われても、
仕事が大変でも、体が第一。
精神のバランスも大切。

そんなことを話す年頃になった。
健康診断の結果が抜群にいいわけではない。
高望みはしないけれど、
たまに同級生に会って、一緒にラーメンを食べていたい。

年度が変わる数日前の春の夜。
K君と肩を並べて啜ったラーメンは、
部活帰りに食べた味とどこか似ていた。


天王山塚古墳(埼玉県久喜市)

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2 コメント

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ラーメン (広島の母ちゃん)
2018-04-16 23:21:30
関東のラーメンが妙に恋しくなってた時にこの記事を見てしまいました(笑)
歳には勝てないなと美容院に行く度に思います
前はブリーチとかだったのに最近は白髪染め…(笑)
身体には無理をしないのが1番ですね
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Unknown (クニ)
2018-04-18 22:42:47
家系ラーメンに胃がもたれる年齢になってきました。
でも食べますけどね(笑)
昔に比べてこってり系ラーメンが急増した気がします。
羽生の佐野系あっさりラーメンはソールフードでしょうか。
体調管理には気を付けて、ラーメンで乾杯したいですね。
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