クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

クニのウラ部屋雑記(87) ―13本目の桜―

2009年03月26日 | ウラ部屋
埼玉新聞社の橋本浩佑記者とバッタリ会ったとき、
「何か風物詩的なネタを知りませんか?」
と訊かれた。

風物詩……
小説であれば自由に作ってしまえるが、
現実にはなかなかありそうでない。
ぼんやり何かが見えてきても、
すぐに隠れてしまう。

「う~ん……」
「あ、そんなに無理なくても……」
「見付かったら連絡しますよ」
そう言って別れた。

以来、そのことがずっと心に引っ掛かっていた。
風物詩ネタには何があるだろう……

すると、これぞというネタが、
3月25日付の埼玉新聞に載っていた。
それは、桜並木の中で、
毎年一番はじめに花を咲かせる桜の記事だった。

埼玉県羽生市の中川沿いには、桜が並んでいる。
向谷橋から桜を数えて13本目、
それが決まって最初に花を咲かせるという。
ほかの桜より1週間早い開花らしい。

さすがは新聞記者。
いいのを持っている。
しかも、この手の話は大好きだ。

しかしなぜ、その桜だけ開花が早いのだろう?
その桜にまつわる悲恋物語や、
木の下に眠っているものなど考えたくなるが、
新聞内ではこれとは別の推測を述べている。

ちなみに、向谷橋から少し川を上ると、
中川の起点になっている(源流というわけではない)。
“向百間堀”とも呼ばれ、
近世における羽生城の外堀とも比定できる。

この起点から少し川を下ったところに、
“羽生領島中領排用水路土地改良区”というレンガ造りの建物がある。
その敷地内には“伊奈忠次”の銅像が建ち、
実はあまり知られていない。

桜を眺めながら、
歴史の風を当たってみてはいかがだろうか。
何かおいしいネタに出会えるかもしれない……


伊奈忠次の銅像
江戸時代初期の新田開発、河川改修に多大に貢献した人物である。


羽生領島中領排用水路土地改良区(埼玉県羽生市上羽生)




中川沿いの桜並木


同上

参照URL「web埼玉」
http://www.saitama-np.co.jp/

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