クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

羽生イオンができても変わらない焼肉屋は? ―ふたば―

2009年08月19日 | グルメ部屋
埼玉県羽生市須影に、
「ふたば」という焼肉屋がある。
かつては122号線沿いにあったが、
現在は須影駐在所の目の前にある。

「え、須影に焼肉屋があるの?」と、驚く人も多い。
地域密着型の店だ。
羽生イオンモールから真っ直ぐ北へ向かえばすぐに着く。

高級な店ではない。
気軽に入れるし、
ここの“かしら”と“モツ”は美味い。
最後に“ラーメン”で締めるのが定番だが、
この頃は胃のことを考えて控えている。

ところで、「ふたば」の西側にはかつて里山があった。
夏になるとカブトムシやクワガタがたくさんとれて、
少年にとってはとっておきの遊び場だった。
「ドラえもん」が映画で自然保護を訴え始めると、
身近な自然として須影の里山が思い浮かんだものだ。

この自然を守らなければならない。
幼心にもそう思ったのを覚えている。

しかし、ぼくが中学一年生のとき、
須影の里山は姿を消した。
正確に言うと、大部分が消滅した。
国道の拡張に伴い、地下道を建設するための伐採だった。
言いようのない怒りは、
いまでも胸の奥にある。

里山の一部は残っているが、
見るも無惨な姿になっている。
以来、そこでカブトムシやクワガタを掴まえたことは一度もない。
鬱蒼とした樹木に覆われていた愛宕神社もこざっぱりとし、
「となりのトトロ」に出てくるような木のトンネルは消えた。

代わりに愛宕神社から見えるようになったのは、
大型ショッピングモールのイオンだ。
時代はどんどん流れている。
屋敷林を背負う家も少なくなっているし、
樹高30mもあった八幡神社の黒松も病気で伐採された。

一度生を得て滅せぬ者のあるべきか(敦盛)
これからこの町はどう変わっていくのだろう。
いや、選挙を間近に控えたこの国は、
これからどこへ向かっているのか。

政治家が国や町を作るのではない。
カジを握っているのは我々一人一人だ。
この国の明暗は我々次第ということになる。
選挙の焦点が政権交代となっているが、
その選択肢はどれほどの影響を及ぼすのだろう……

この世に変わらぬものなどあるのだろうか。
かつてホタルが飛んでいたという場所に、
大きなショッピングモールがそびえ立っている。
その向こう側で、
「ふたば」はいまも変わらず今夜も明かりが灯る。


見るも無惨になった須影の里山


「ふたば」から愛宕神社を望む

※最初の画像は「ふたば」
 営業時間や定休日は不明……
 主に夜営業ではないだろうか。

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