昨年、ノーベル文学賞を受けた、英国在住の日本人作家 ”カズオ・イシグロ”氏の作品を2作読了。
長編の「忘れられた巨人」も手に取ってみたが、長い、ちょっと暗い、ということで
とりあえず、映画化された作品と短編集をチョイスした。
≪ 日の名残り ≫ 著: カズオ・イシグロ
これは、イギリスの文学賞・ブッカー賞受賞作。
1993年に映画化され 私も観たが、アンソニー・ホプキンス、 エマ・トンプソン の好演が光った映画だった。
物語は、イギリスのダーリントン卿のお屋敷・ダーリントンホールで、執事として働く ”スティーブンス” が主人公。
夜な夜な繰り広げられる、ダーリントンホールでの重要な国際的交流と、
スティーブンスの、執事としてのプロに徹底した仕事ぶりを、
イギリス独特の伝統文化を通して描く。
ある日、休暇をもらったスティーブンスは、6日間のドライブ旅行に出る。
屋敷の外に仕事以外で出たことのない彼にとって、外の世界は新しい物や人との出会いであった。
ドライブの1番の目的は、屋敷に勤めていた女中頭 ミス・ケントンとの再会だった。
今は結婚してミセスとなっていたが、秘かに恋心を抱いていた彼女との再会は
スティーブンスにとって、心弾む時間だった。。。
スティーブンスを演じた アンソニー・ホプキンスの寡黙な演技、
ミス・ケントンを演じた エマ・トンプソンのニヒリストな演技を思い出しながら
映像と重ね合わせて読むことができ、とても充実した読後感。
≪ 夜想曲集 ≫ 著: カズオ・イシグロ
~音楽と夕暮れをめぐる五つの物語~
*老いた歌手とその妻との別れの場で、ギターを弾くことになったギタリストの困惑
*音楽の趣味の合った仲間内での揉め事
*避暑先で出会った、ミュージシャン夫婦と若いギタリストとの交流
*一流になるために整形をしたサックス奏者と、隣室の女性患者とのドタバタ
*自分の才能を守るために演奏を拒否するチェリスト
どれも音楽を絡めた、洒落た短編集だ。
上の2作は同じ訳者で、アメリカ英語と違ったイギリス特有の英語のニュアンスを
とてもうまく語訳してあるように思える。
作者も満足だったのではないかナ。。。
さてさて次に控えるは、ヴェルディによってオペラ化された「椿姫」の新訳本。
オペラは2回観たけれど(もちろんテレビで)、原作を読むのは初めて。
解説を読むと、オペラとは少し違う筋書きのよう。 楽しみ!
そうそう、淡々とした筆致ですね。映画観て読むとまた違いますよ。レンタルしてるから是非❗
「夜想曲集」持っていきますね。忘れないようにφ(..)メモメモ
6/9、お会いできるのが楽しみです🎵