またまた、原田マハさん。 何だか マハ中毒ですね。
2冊とも、ある「絵」…「作品」に拘った本。
その作品も、写真で掲載されていて納得。
≪ デトロイト美術館の奇跡 ≫ 著:原田マハ
アメリカ デトロイト美術館にある 「マダム・セザンヌ」(↑上の絵)
セザンヌ制作の 妻の絵を巡る 4つの物語。ー最後にはこの4つが繋がって大団円に。
ロバートは、この絵を画商から買って 居間に掛けて毎日愛でていた.
彼が亡くなった後、この絵はデトロイト美術館(DIA)に寄贈される。
貧しいフレッド夫妻は、この「マダム・セザンヌ」に逢いに 時々DIAに出かけて行った。
妻亡き後も フレッドはこの絵に妻の面影を見にDIAに行く。
この絵「マダム・セザンヌ」に逢うために DIAのキュレーターになったジェフリーは、とても充実した日々を送っていた。
ある時、デトロイト市が経済破綻に陥る。
これを回避するためには、DIAの作品を売却するしか術がない…。
そんなある日、貧しいフレッドが、キュレーターのジェフリーを訪ね
500ドルの小切手を寄付したのだ。「少ないけれど使ってほしい」と。
これが小さな「芽」となり、募金活動が始まる。
しばらくすると、破綻を回避できるだけの8億ドルを超える募金が集まった。
多くの人々の、この絵への愛が実り「マダム・セザンヌ」は、DIAに 今もいる。
≪ ユニコーン ≫ 著:原田マハ
副題に 「ジョルジュ・サンドの遺言」とある。
作家 ジョルジュ・サンドが目に止めた5枚の”タピスリー”(壁掛けの織物)
貴婦人と白いユニコーン(一角獣)が、彼女の心を虜にする。
タピスリーは 古城に飾られていて、そのお城に滞在したサンドは
「私をここから連れ出して!」という、タピスリーの中の貴婦人からの声を聴く。
それは幻想のように彼女の目に耳に…。
サンドは、このタピスリーを保存したいと 友人の画家 ドラクロアに相談。
彼は、パリにできる中世美術館に飾ろうと提案、
サンドはそれを実現させようと、美術館長に手紙を書くが
その夢の実現を見ることなく亡くなってしまう。
タピスリーは、今はどこにあるのだろう?
後記に、史実をもとにしたフィクションである、と。
サンドは、作曲家・ショパンの愛人でもあったが、ショパンとの交流はあまり描かれていない。。。