そういえば

小坪には、ぼくたちよりの遙かに上の年代の人たちが、この磯浜を整備してきた跡が至る所に残っている。
岩を削って足場にしたり、道路から降りていくガケに階段をつけたり。
初めて連れて行かれたとき、18世紀中ころの僧禅が三十余年かけて約85ｍ掘り続けたと伝えられる青の洞門を連想して、妙に感心した覚えがある。
ま、比較するのは、ちょっと違うのかも知れないんだけれど、連想というものはそういうものだからねぇ。
当時は鎖場もあったし、クライミング用の鋲だって、今でも探せば残っているかも知れない。

その小坪にハンバーガーショップができた頃、一悶着があった。
道路からの階段を、そこの店主が自分の店専用にしようとしたからなんだけど。
と言うか、ぼくたちを閉め出そうと色々圧力を掛けてきたりしてねぇ。
借地権もないような岩棚にブランコが設置されたときには、さすがにあきれたっけね。
そこに道をつけ整備していた人たちが講義したのは言うまでもない。
当時、ずいぶん色々聞かされたっけなぁ。
おかげで、今でもその階段を使って磯に降りることができる。
大切に利用していきたいなと、ホントにそう思う。

この頃は、そのハンバーガーショップにテラスが造られ、
お客連中がこちらを見物している。
この日も昼頃にはテラスは満員。
で、ぼくたちは保護区にたむろしている絶滅危惧種の野生動物気分が味わえる。
けれどこのところは小競り合いもなく、何となく共存できているみたいですね。