くまえもんのネタ帳2

放置してたのをこちらに引っ越ししてみました。

お楽しみはこれからだ

2009-06-11 09:47:00 | ノンジャンル


お楽しみはこれからだ」というタイトルは「ジョルスン物語」中の「You ain't heard nothin' yet」から来ているんだそうな。




もちろん、映画を見た記憶もないし、和田 誠の「お楽しみはこれからだ」を買って読んだわけでもない。
まして、キネマ旬報なんかをチェックするタイプでもなかった。

けれど、人生のどこかで出会った名台詞は、長く心の中で生き続けるものだ。




なので、今回もまた、映画の話しではない。
......もちろん、こんな事は胸を張ってするような話題ではないのだけれど。


僕はこの地球に来て54年になる。
たまたま、日本列島と言うところで暮らして居るんだけれど、ここは何とも奇妙な国で、相変わらず慣れることが出来なくて居心地が悪い。

一言で言うと、レミングの群れの中で昼寝をしようとしてるような、そんな落ち着かなさを感じるのだ。
大体からして「おちつかなさ」と入力すると「お膣か無さ」などと変換されるような日本語環境で、日本語による言語コミュニケーションを取ろうなどと企てるのは、至難の業だと言えるだろう。
ATOKも地に落ちたもんだぜ。

あ"ぁ"ぁ"ぁ"~~~、またまた話がそれていく。

「お楽しみはこれからだ」に戻ろう。




お楽しみというわけでもないのだけれど、この国の人たちのパニックの楽しみ方に、いささか不満を憶えるのだ。
なんだろうねぇ、危険に対処しなければならない時って、もっと危険そのものに敬意を持って処して欲しいと思ったりするんだよね。

パニックネタから次のパニックネタへと、まるでTVをザッピングzapping)するかのような実生活って、なんかクレージーじゃなぁい???

で、本題に入ろう。
まずは、前回紹介したネタから。

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新型インフルエンザ騒動は長期戦に
 では、新型インフルエンザ対策として何が重要なのでしょうか? この問題を考える上で大切なことは、今回の新型インフルエンザ騒動が長期戦になる可能性が高いという前提に立つことです。

 1918年3月に発生したスペイン風邪は足かけ3年続きました。この間、3回の大きなピークがありました。第一波は比較的マイルドでしたが、同年6月に世界の三か所の港(ブレスト〔仏〕、ボストン〔米〕、シエラレオネ〔アフリカ〕)において発生した第二波は致死率が20%を超え、第一波とは比較にならないほどの強力な毒性を獲得していました。そして、同年晩夏あたりには日本に上陸し、猛威を振るいました。なんとインフルエンザが夏に大流行したのです。
( http://www.nytimes.com/imagepages/2009/04/30/health/0430-nat-1918pandemic.ready.html )
朝日新聞は、5月1日に「長期戦の覚悟を持とう」という社説を掲載し、冷静な対応を呼びかけました。これは、非常に評価できることです。
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これね。
なのにもう「安心宣言」ですと???
ちょっと抜粋。

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新型インフルエンザひょうご安心宣言

兵庫県の今)感染の恐れはほぼなくなりました
 全国初の新型インフルエンザの国内発生を受け、兵庫県では、県民の皆様のご理解・ご協力を得て、学校の休業をはじめとする様々な感染拡大防止策に取り組んでまいりました。
 その結果、5月27日以降、新規の患者は高校生とその家族だけで、これまでの感染経路もほぼ特定されています。高校関係者以外の患者は最後の感染者となる、5月26日に発症された1名の会社員の方も含め、今ではすべて完治されています。
 また、この新型インフルエンザについては、季節性インフルエンザと類似する点が多く、症状は軽く、ほとんどの患者の皆様は、早期に回復されています。基礎疾患を持っている人などを除けば、特別な対応は必要とされていません。
 今後、散発的な発生の可能性は残されているものの、集団的な発生の可能性はほとんどなくなっている状況です。

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「集団的な」と言うのがどれくらいの規模を指すと考えているのかは不明ですが、「基礎疾患を持っている人などを除けば、特別な対応は必要とされていません」と言うのは、もちろん理性的判断というものでしょう。
徒にパニックを煽るメディアの方がどうかしていると思うんですよね。

でもね、だからといって終息したわけではないのよね。
そう、ホントの「お楽しみはこれから」って訳。




これを読んでちょうだいませ。
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■ 医療に対する提言・レポート from MRIC
新型インフルエンザに厚労省がうまく対応できないわけ

日本感染症学会の5月21日の提言では、過去の新型インフルエンザは、最終的には大半の国民が罹患したことを指摘している。

 本年2月17日に厚生労働省が発出した「新型インフルエンザ対策ガイドライン」は高病原性鳥インフルエンザを想定したものであって、しかも水際撃退作戦を想定したいわば行政機関向けといえるガイドラインであり

 過去のどの新型インフルエンザでも、出現して1~2年以内に25~50%、数年以内にはほぼ全ての国民が感染し、以後は通常の季節性インフルエンザになっていきます。現在流行している香港かぜもこのようにして季節性インフルエンザとなった歴史を持っており、今回のS-OIVもやがては新たなH1N1亜型のA型インフルエンザとして、10年から数十年間は流行を繰り返すと見込まれます。すなわち、今回の新型インフルエンザ(S-OIV)の罹患を避けることは難しいのです。

(社団法人日本感染症学会緊急提言「一般医療機関における新型インフルエンザへの対応について」平成21年5月21日)

中略

2)風評被害

 厚労省の言動と、メディアの報道が、水際作戦での阻止が可能かどうかということを抜きに、阻止しないといけないという「規範」を国民に伝えてしまった。空港での検疫のものものしい姿と、停留という人権制限を伴う措置が、新型インフルエンザに対する恐怖を煽った。水際での撃退というそもそも無理なことを「規範化」して目標とするように見せたことがかえって不安を掻き立てた。「規範化」した安全対策が、実際に保障されないが故に、かえって恐怖を大きくした。病気としての怖さのみならず、インフルエンザと診断されると行政、住民から迫害されると思わせた。専門家に、インフルエンザにかかわるとひどい目にあうと思わせた。結果として、インフルエンザを隠すことを奨励することになった可能性がある。

元警視庁刑事である私の外来患者:「新型インフルエンザにかかったと分かると地元にいられない

知人のある感染症専門家:「新型インフルエンザの第一発見者になりたくない」

 洗足学園の校長:記者会見で旅行したことについて「陳謝」した。(WHOは旅行制限をすべきでないとしている)

3)感染拡大後の被害を少なくするための対策が遅れた
 WHOは当初よりcontainment(封じ込め)は不可能、めざすべきはmitigation(被害の軽減)だとアナウンスしてきた。水際作戦が優先されたためか、水際作戦のために疲弊したためか、結果として、感染拡大後の被害を小さくするための体制作りが遅れ、現場が混乱した
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かいつまんで言えば「数年以内にはほぼ全ての国民が感染」するのがインフルエンザという病気なわけ。
弱毒性であれば、体力勝負なのかも知れないけど、スペイン風邪みたいにあとで強い毒性を獲得した例もあるわけで、そんなのに感染したら、きちんとした医療にすがる他はないのよねぇ??

でも、それまでに、この国の医療は改善されるのかしら?
そっちの方が遙かに不安ってか、絶望的?




「3)感染拡大後の被害を少なくするための対策が遅れた」
これについてもうすこし詳しく紹介しておきましょうかね。
あんまり詳しくは引用できないけど。

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■ 『絶望の中の希望~現場からの医療改革レポート』
第32回:新型インフルエンザ騒動の舞台裏

このような行政指導を通じ、厚労省は司令塔としての役目を果たそうとした訳ですが、その指示は現場の実態と乖離していたため、医療現場は大混乱に陥りました。知人の開業医は、「新型インフルエンザ自体より、厚労省の対応に振り回され、医療スタッフは疲弊してしまった」と語っています。

 特に、PCRに関する通知は医療現場に甚大な影響を与えました。この通知により、PCRを受ける患者は、メキシコ・北米への渡航歴があり、簡易診断キットでA型陽性となった人に限定されたため、多くの患者が適切に診断されず、国内での蔓延を発見するのが遅れてしまったのです。現に、5月8日に国内で最初に診断されたのは、厚労省のルールに従わず、渡航歴がないのにPCRを受けた患者ですし、国立感染症研究所は、4月下旬には国内に新型インフルエンザが進入していた可能性が高いと報告しています。医療現場でPCRを行う第一義は、厚労省が公衆衛生データを取るためではなく、患者の治療なのです。この点に関し、厚労省と医療現場には大きな乖離があったように思います。

 また、「行動計画」に従って、全国の病院に約800カ所の「発熱外来」が急遽作られました。そして、厚労省は「新型インフルエンザの患者は発熱外来へ、それ以外の患者は一般医療機関へ」と指示しました。しかしながら、これは机上の空論です。
なぜなら、全ての患者は新型インフルエンザか否か分からない状態で病院を訪れるからです。つまり、全国すべての医療機関が、新型インフルエンザかもしれない患者が来ることを想定した準備をしなければならないのです。ところが厚労省は、発熱外来以外の一般医療機関には、その準備のための物資・予算を渡しませんでした。これでは、「発熱外来」など名前だけで実態の伴わないものになってしまいます。この姿勢は、食糧も物資も補給しないが戦闘命令だけは出す、旧日本陸軍の参謀本部を彷彿とさせます。参謀本部は、ロジスティックを軽視して、多数の兵士を無駄死にさせました。余談ですが、「発熱外来」は諸外国にはありません。
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もっと知りたい人は、リンク先を読んでね。

冬の流行前までに、ちゃんとした対策が整えられるんだろうか?
そうでなければ、それからが本当のパニックになるはずだよね。
そう、「お楽しみはこれから」なのだ。