くまえもんのネタ帳2

放置してたのをこちらに引っ越ししてみました。

げげげ、現代アート?

2007-06-11 01:09:51 | ノンジャンル


さて、先日の話題の続きから。
台南の山間で見かけたところの、このけったいな造形物は、はたまたいったい何であるか?


何?
水牛の群れ??
いや、もっとでっかいぞ。
山岳民族の居住区?
呪術的なにか?
何?何?
なになになに?

ましてこんな山の中、わざわざAndy Goldsworthy(アンディー・ゴールズワージー)風の現代アートなんか造る暇人も居ないだろうしね。

折しも激しい雷雨の中、谷間の向こうになにやら妖しげな隊列が、のろのろ走る車の窓から木の間がくれに見え隠れし始めたときの妙な感動は、何とも筆舌に尽くしがたいものでありました。
なんてね。
A(^_^;


で、まぁ、通訳君に聞いてみると、こんな答えが。



「真っ暗にすると、木が死にそうになったと思ってあわてて花を着けるんデス。」
レンブって言う果樹ですよ。」


あ、なるほど、レンブの促成栽培なのね。
いわゆる短日処理ってヤツね。
んでもさぁ、このくっそ暑い中、黒いビニールシートで木を丸ごと包んじゃうなんて、荒っぽいやり方だねぇ。
「暑さで木が蒸れて痛んだりしないの?」と僕。
「いいえ、案外平気みたいですよ。このあたりはレンブの名産地なんですけど、よく見かける風景なんです。」
ふぅ~ん。
なんか、ダイナミックってか、乱暴ってか、まぁ、手軽で良い方法なんだろうね。
A(^_^;



こちらは店頭に並べられた食べ頃のレンブ。
シャリシャリした食感で、ほんのり甘い。
なんか、酸味のないリンゴみたいと言えば、まぁそんな感じの味かな。



さて、クイズを出したら、玉露みたいなお茶の作り方のバリエーションなんじゃないかって意見もあったんで、一昨年、台中地方のお茶畑を見学したときの写真をご参考までにお目にかけようかと思います。
えぇ、お茶の木にしてはデカすぎるんですが、そこはホレ、写真だと実際のスケール感が曖昧に成っちゃうから無理もないことなんですよね。


むこうの石垣に並んで植えられてるのがお茶です。
てまえのモコモコは柑橘類。
オレンジか何かですね。
せっかくだから、もっと近くで見てみましょう。


手前の根本に生えている赤っぽい花を着けた草は、日本でもお馴染みのインパティエンス(アフリカホウセンカ)です。
台湾ではこの花は冬の花なんです。
夏は暑すぎるんですね。

それから、背の高い椰子の木は、ビンロウジュで、こちらの肉体労働者は、頻繁にこの実を咬んでいますね。
ビンナンとか呼んでいて、車道脇にお姉ちゃんがきわどい格好で小さなショップを構えていて、この実(檳榔子)に石灰をまぶしたものをキンマの葉で巻いて売ってるんです。オッチャンやらアンチャンやらが、お気に入りのお姉ちゃんの店に立ち寄っては、コイツを買い求める。
若干の依存性を持ち、常習すると軽い禁断症状があらわれるそうで、おじちゃん達、何というか血走った目でこれを咬んでは、口の中でまっ赤に変色した唾液を辺り構わずぺっぺと吐き出します。
これがまぁ、何ともおぞましい光景でねぇ。

初めて台湾を訪れたヨーロッパ人が、この光景を見て、台湾人にはなんてまぁ結核患者が多いんだろうって驚いたんだなんて話しも聞かされましたが、なんて~か、笑えませんでしたねぇ。
発癌性物質を含んでいるとかで、台湾の舌癌発生率はコイツのおかげでバカ高いんだそうですね。
まぁ、タバコの代わりというか、金になる代物なんですね、この作物。
で、これがお茶の木に木陰を提供してると。
まぁよく考えられていますなぁ。

そうそう、茶畑に霧がかかってるのは、この一帯はちょうど雲霧帯と言われる、いわゆる山の中腹あたりの霧や雲が発生しやすい場所なんです。
日差しが遮られがちで、柔らかで丸みのある味わいのお茶が採れるというわけ。
台湾の烏龍茶が薫り高くおいしいのも頷けますね。