くまえもんのネタ帳2

放置してたのをこちらに引っ越ししてみました。

ふひ~、良い湯でしたがな

2005-09-27 15:01:15 | ノンジャンル

ただいまぁ~!
鹿教湯(かけゆ)温泉に行ってきましたよ。
どんな所かって言うとね

「その昔、鹿に変身した文殊菩薩が、
日頃、信仰浅からぬ
一人の猟師に
信州、丸子の山中に湧く
効能あらたかな
いで湯の存在を
教えた......」

と、つっこみどころ満載な言い伝えの温泉です。
つっこみどころ?
えぇ。
仏教ってのは基本的に四つ足は食っちゃぁいかんというんじゃなかったですか?
とはいえウサギは例外で、連中は鳥の一種だという乱暴な論法というか方便で、一羽二羽と数えたっちゅうのはご存じですよね。
と、まぁ、その、仏教的には穢れた職業であるところのですねぇ猟師に、文殊様がわざわざ教えたってのがどうもねぇ、宗旨的にどうなのかと。
と言うか、味わい深いエピソードだなぁと。
早い話マタギというのは、当時の宗教事情とかから言うと、一般人からすれば忌み穢れの対象だったっちゅうことなんですわ。
でも、カツカツで暮らす山の暮らし、そんなことを言ってたらだぁれも生きては行けないんですよね。で、あえて穢れた職業の人間に文殊様がわざわざ教えたってあたりが、なんて言うのかねぇ、包容力?愛の力?ってか、認めざるを得ない生活事情なんてのを感じさせるんですよ。
いえ、あたしゃぁにわか神道ですから、そんなことはどうでもいいんですよ。

それよりも、この界隈の原始宗教や神道が仏教とうまい具合にブレンドされてできたこの空間が異様に居心地が良かったんですよね。

というわけで、鹿教湯(かけゆ)温泉のムササビを見ようと、お向かいの文殊様や薬師如来様が祀られている、川を挟んで旅館の真向かいにある境内へと探険に出掛けました。



水の翼

これ、文殊様のお堂の上に鎮座まします、まさに鬼瓦。
両脇は、なかなかにアールデコな雰囲気の、水紋のような、はたまた翼のような瓦にかためられてました。
なんでも、元禄14年(1701)に着工し宝永6年(1709)に完成したんだそうで、傷みはひどいけれど、それはもう豪華絢爛たる様式。
完成当時を偲びながら、ため息混じりにお社を眺めてきました。
えぇ、何というか神仏混淆な雰囲気でねぇ。
文殊様という神様をお祭りしているとでも言ったら良いようなムードを醸し出してましたよ。
この頃、お寺さんの境内だと何となく居心地の悪さを感じがちな、にわか神道な僕なんですが、ここはすっごく居心地が良かった。
この感覚、いったいなんなんだろうねぇ。


で、境内の杉の木を見上げると、あったあった、ムササビの巣穴。
まだちゃんと使われてる気配。
どうもキツツキの穴を拡張して流用してるようです。


さて、夜になっていそいそと境内を探検に行ってきました。
これは薬師堂。
このあたりでも、以前よく見かけたと、宿の主人。
でも、見つかりませんでしたねぇ、ムササビ君。
地面に食べかすの小枝すら落ちていない。
どうしちゃったんだろねぇ。

だれですか?
発展しに行ったんだろうなんて言ってる人は?
鹿教湯温泉は、もともとが湯治場だからね、あたしを含め、賞味期限切れの爺婆ばっかりなんですよ。
発展?
滅相もございません。
いえ、ホントですとも。
さすがに有名なだけあって良い湯でしたがね、景色はめっぽう悪うござんした。
とほほ。


で、気分を変えようと、一昨日は別所温泉まで足を伸ばして来ましたよ。
若い女の子が連れだってとか、ちょっと年配のアベックとか、おばさんの群れとか、そんなのはいましたが、やっぱりイキのいい男どもにはついに出会うこともございませんでした。
一昔前なら、温泉芸者をあげてのどんちゃん騒ぎってのや、まぁそこまで派手にやらなくても男どもが寄り合って飲んで騒いでってのが、男たちの楽しみの一つだったと思うんですけどねぇ。
景気が悪くなってからと言うもの、温泉町の賑わいを支えてるのは爺婆と女たちになっちまいましたねぇ。

で、別所温泉を徘徊していて見つけたのがこれ。
お汚れのマリア様。>これこれ、違うからっ!



最終日の昨日は、美ヶ原高原に寄ってきました。
いや、良い天気。

カラマツもまだ、紅葉にはちょっと早かったですけどね。
こうやって日に透かしてみると、葉の奥底に隠れている秋の色が見えてきます。かすかに黄色がかってるでしょ?
もう2週間もすれば、このあたりの山一面、金色に染まることでしょう。


美ヶ原高原。
こうやって眺める分には気持ちの良い所ですが、実はここ、高原全部が放牧場なんですよね。なので、実際に歩くとどこまで行ってもも牧草が生えているだけの、牛の糞が落ちているだけの、単調な場所なんです。
遙かアモーレの鐘まで道は続き、山荘のマイクロバスは走ってますがね、一般車両は環境保護?のために通行禁止のエリアなんですわ。
まぁ、わからんでもないですが。
言うなら、牧場保護でしょうに。


だから、こうやって、原王ヶ頭ホテルのテラスからの眺めに、コーヒーでもすすりながら「へぇ~、自然保護ねぇ」なんてスタンスでのんびりするのが一番なんですわ。がはははは。

そうそう、ここの断崖絶壁を見下ろしながらの温泉も、なかなかおつなものです。高所恐怖症じゃなければ、おすすめ。
玉上がるでぇ~>ボカッ!