くまドン旅日記

写真が趣味です。自然の風景、旅行、歴史に興味を持って撮影を続けています。

名所江戸百景059 第78景 鉄砲洲築地門跡 築地本願寺の盆踊り(2)

2013年08月02日 07時55分58秒 | 名所江戸百景
こんにちわ、「くまドン」です。

 今回は、築地本願寺(つきじほんがんじ)の盆踊り(ぼんおどり)の続きです。


 前回も書きましたが、平成25年(2013年)の盆踊り大会の日程(細かい所は省略です)です。
【第66回 築地本願寺納涼盆踊り大会】
 日時: 平成25年7月31日(水)~8月3日(土) 19:00~21:00 (最終日は18:00~20:30)
 イベント: 全日: 盆踊り、「大江戸助六太鼓」の生演奏
      8月2日: 仮装大会
      露店(ろてん)は、築地市場からの出店あり。(売り切れ続出。お早めに!)

 現代における盆踊りは、東京付近では、学校や公園などの広場に櫓(やぐら)を組み、太鼓(たいこ)を叩くリズムと音楽に合わせて、多くの人が輪になって踊る祭りで、夏の風物詩(ふうぶつし)の一つです。
 金魚すくい、風船釣り、綿あめ、かき氷など露店を思い出す方も多いかと思います。
(絵画調)


【盆踊り】
 江戸時代までの盆踊りは、「お盆」の時に行われる行事の一つで、旧暦の7月15日前後の晩に行われる祭りでした。「お盆」にかんする行事は、寺社の境内で行われていました。

 江戸時代に電気はありませんし、灯り(あかり)の元になる油やロウソクは、大事な物でした。
 しかし、旧暦15日頃は、月齢の満月にあたる為、月明かりで夜通し踊ることが可能だったそうです。
 現在の盆踊りは、新暦に変わり、特に東京付近では、お盆に田舎(いなか)に帰る人も多いので、お盆の日を避けて、バラバラの日程になっています。

 昨年2012年は、偶然、旧暦15日の満月の日と重なっていましたので、盆踊り開始から1時間以上過ぎると、本堂の上から丸いお月さん(満月)が昇ってきました。今年2013年は月の出が0:00頃なので、残念ながら、見れません。


 以前、「名所江戸百景050 ・・・ 洗足池の灯篭流し」で、少し話しましたが、
 お盆自体が、仏教の盂蘭盆(うらぼん)の日本の風習(ふうしゅう)が混在した日本特有になっていますが、
 現代において、盆踊りは、日本特有の考え方のようです。

 この盆踊りの始まりを調べていくと、
(1)その起源の一つが、なんと、亀戸天神(かめいどてんじん)で話をしました菅原道真(すがわらみちざね、天神様として祀られている)にぶつかりました。
 平安時代において、菅原道真のような官吏(かんり)は、中央から地方へ国司(こくし)として派遣されます。
 菅原道真も、西暦886年からの4年間を讃岐(さぬけ、香川県)の国司として、派遣されました。
 この時に菅原道真が行った「雨乞い(あまごい)の踊り」と、翌年から村人たちが感謝して踊るようになったのが起源とされているそうです。

 下の写真は、香川県(かがわけん)の「道の駅滝宮(たきのみや)」にあった念仏踊りの銅像です。


鎌倉時代初期になると、浄土宗(じょうどしゅう)の開祖である法然上人(ほうねんしょうにん)が讃岐に流され、この踊りを見て、「念仏(ねんぶつ)」を唱えながら踊る様に教えたそうです。
 浄土宗の念仏は、有名な「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」です。ただし、鎌倉時代には「なもあみだぶ」と発音していたらしいです。
 現在でも香川県綾川町(あやがわちょう)滝宮(たきのみや)では、8月に「滝宮の念仏踊(たきのみやのねんぶつおどり、国の重要無形民俗文化財)」が行なわれているそうです。


(2)もう一つの起源が、同じく平安時代の僧・空也上人(くうやしょうにん)によって始められた踊念仏(おどりねんぶつ)です。
 鎌倉時代の時宗(じしゅう)の開祖である一遍上人(いっぺんしょうにん)によって、全国の民間に広まりました。
 盆踊りは、民間伝承の為、その土地毎に個別に変化していったので、地方差が激しいです。

(絵画調)


(3)東京の古い盆踊りは、江戸時代の徳川幕府の治安維持(ちあんいじ)政策の為、ほとんど残っていないそうです。現代の盆踊りは、明治後期以降に造られた新しい形だそうです。
 ただし、前回、お話しをしました築地本願寺の門徒であった佃島(つくだじま)の盆踊りは、古い「念仏踊り」の形を残しているそうです。

 佃島の景は、他の祭りに使用しますので、盆踊りの景としては、江戸時代と同じく、お寺の境内で行われている築地本願寺を「クマドン版」の景として選択してみました。

 この写真を、広重の名所江戸百景「第78景 鉄砲洲築地門跡」に対応する「くまドン版」の景(秋景・確定)とさせていただきます。
 広重の絵は、前回説明しましたので、割愛させていただきます。
 (このプログは、名所江戸百景の現代版である「くまドン版」を作る事を第一目標にしています。)
 盆踊りは、お盆(旧暦の秋に行われる)の関連として、秋景に含めます。


 盆踊りも中休みの時間になり、「大江戸助六太鼓」の実演が始まる頃になると、人がそちらに移動する為、
 露店が空いてきましたので、築地市場の露店に行ってみましたが、大半は売り切れ店終い、
 それでも、築地らしく、魚の焼き物は残っていましたので、お願いした所、
 1年過ぎて記憶があいまいになっていますが、食べたのは「ふぐ」だったと思います。

 「大江戸助六太鼓」の生演奏(なまえんそう)中の写真です。
 太鼓を叩いている女性の方が、余裕で撮影者側を見て、微笑み(ほほえみ)のサービスをくれました。
 相当、練習しなければ、不可能な芸当でしょう。


 暗くて、太鼓さばきが早いので、ISO1600にした上で、カメラの連写機能を併用しています。
 下は、望遠でアップしました。


【シロサバフグ・クロサバフグ】
 猛毒で有名な「ふぐ」ですが、「ふぐ」の中にも毒の無い「シロサバフグ」や「クロサバフグ」がいます。
 ただし、「ふぐ」は毒の有無に関わらず、「ふぐ調理師免許」が必要です。
 さらに、南方には猛毒の「ドクサバフグ」という見分けるのが難しい「フグ」がいて、
 日本近海でも、他の「サバフグ」に交じって漁獲され、中毒を起こす時があります。
 免許を持っている人でも見分けるのが難しいので、絶対に素人は調理しないでください。

 関東では、比較的安価に手に入る「ふぐ」で、スーパーとかで販売しているのも、この「シロサバフグ」だそうです。
 築地には、この「シロサバフグ」を取り扱っている店もあります。
 「ふぐ」が露店にあったこと自体、築地ならではですが、3切れもあって、美味しかったです。
 ただ、「くまドン」の食べた後、売り切れていましたが・・・・・・
 昔、先輩の実家がある福岡県に行った時に、この「フグ」を食べさせてもらったのを、懐かしく思い出しました。
 「ごちそうさまでした」

【伊豆大島のグリーンジュース】
 その他に、伊豆七島の大島特産品の露店がありました。
 緑色の冷えたジュースで、「青汁」かと思いましたが、「美味しいよ」と聞いて、1杯100円なので飲んでみました。
 冷えて、くせもなく、すっきりした味で、飲みやすいジュースでした。
 名前を忘れたので、再度調べてみましたが、おそらく、アシタバ(明日葉)のグリーンジュースだと思います。

 毎度のことですが、食べることが優先して、また写真を撮り忘れました。申し訳ありません。


 盆踊り後半になると、仮装大会の審査が始まります。
 下の写真の真ん中付近に、宇宙人の覆面(ふくめん)を付けた二人がいます。

 他に、完全に動物キャラクターの「ぬいぐるみ」を着た人や、頭のマスクから足までマンガの「デビルマン」らしき仮装をした後ろ姿(正面から見ていませんでした)も見かけました。


 和洋印(日本・西洋・インド)混在のお寺、
 そこで行われる昔から続いてきた日本の盆踊り、
 さらに、伝統に捕われない近代的(?)考え方で造られた本堂、
 いかにも、現代的な映画やアニメのキャラクターが出てくる自由な発想の仮装行列と、

 ここに広がる風景は、空間と時代、現実と空想が入り混じったような風景ですが、

 佃島(つくだじま)の昔ながらの舟溜り(ふなだまり)と、現代の超高層タワーマンション群が林立する風景が
 風景写真として評価される現代においては、
 この盆踊りの風景も、現代の風景でしょうか???・・・・・・・・・・・・・・・


 今回は、これで終わりとさせていただきます。
 「くまドン版」は、一応、健全(けんぜん)版になるよう心がけています。(お笑いは入れますが)
 昨年、撮影した頃と比べて、盆踊りを検索すると、健全版から外れかねないような危ない表現が増えているので、極力、文章に入れないようにしました。
 盆踊りは、信頼できる方と行くようにしてください。

 今年は、天候不順で、夜になると雷雨の日が続きました。隅田川花火大会が始まって以来、初めての中断となり、足立・葛飾の「花火大会」が中止となりました。花火を造った「花火師」も、見るのを楽しみにしていた観客の皆様にも、残念なことでした。
 今年の「くまドン」の休みの日は、花火大会・祭りの日と同じ日が少なく、あまり行けません。
 さらに、ブログ作成が遅れ、時間が足りないので、なんとかブログ作成を間に合わせよう思います。

 次回は、続けて、佃島の祭りに関する景となります。しかし、祭りの日が、もうすぐなのですが・・・・(汗)


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