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名所江戸百景284 第93景 にい宿のわたし 「松戸の渡し」金町関所

2016-10-18 20:40:15 | 名所江戸百景
こんにちわ。「くまドン」です。

 今回は、昔の江戸川にあった渡し船の話の続きで、葛飾区・東金町(ひがしかなまち)と千葉県・松戸市の間にあった「松戸の渡し」の話です。
 下の写真は、葛飾区・東金町(ひがしかなまち)にある「金町関所跡の碑」です。「松戸の渡し」の葛飾区側にありました。江戸川の堤防が後ろに見えていますが、関所は堤防下の河川敷一帯にあったそうです。

 説明板によると、水戸街道が江戸川(江戸時代の利根川)を渡る地点に置かれた江戸の東の関門でした。
 普段は渡し船による渡船でしたが、徳川将軍が鷹狩り(たかがり)に出かける際には、川に高瀬舟を並べて、仮設の船橋が架けられたそうです。

 逆に、江戸川の堤防から、「金町関所跡の碑」方向を見た現在の風景です。隣に東京都・下水道局の金町ポンプ所があります。
(絵画調)

 ここより、もう少し上流に行くと、埼玉県・三郷市(みさとし)です。この付近は東京都・千葉県・埼玉県の境界に近いです。

 下は江戸時代の地図の一部ですが、図の右を流れるのが江戸川(江戸時代の利根川)で、上に「松戸」の文字が見え、対岸に「金町の関所」が見えます。、

 水戸街道は、左下の道から中川(なかがわ)の「新宿(にいじゅく)の渡し」を渡り、曲金(まがりかね、現在の葛飾区・高砂)の所で佐倉街道を分けて、図の右上に進み、松戸の渡しにかかります。
 道の途中には、「亀有(かめあり)」「柴又(しばまた)」「矢切(やきり)」の地名も見られます。
 古地図の真中に見える調整池が、江戸時代に造られた小合溜井(こあいためい)で、現在は水元公園(みずもとこうえん)となっています。ここで撮影したのが別の季節だったので、また、別の機会とさせていただきます。

 下の絵は、広重の名所江戸百景「第93景 にい宿のわたし」です。

 広重の絵に描かれた「にい宿の渡し」は水戸街道の中川にあった渡し場です。
 江戸時代では、地図に藻掻いてある「新宿の渡し」の上流にある「猿ヶ俣(さるがまた)」より下流側を「中川」、上流側を「古利根川」と呼んでいました。江戸時代以前に中川が利根川の本流だった頃の名残りです。

 金町関所跡のある堤防から江戸川の対岸を見た写真ですが、正面が松戸の渡しなのですが、河川敷が広くて、江戸川が見えません。
(絵画調)

 写真の左奥に現在の松戸の町が見えます。
 この場所では、江戸川が見えないので、もう少し上流の埼玉県・三郷市に移動して撮影した松戸市のビル街です。
(絵画調)


 下の図は、明治13年の測量で作成されたフランス式彩色図に中の「松戸の渡し」周辺です。迅速測図(じんそくそくず、簡易地図)のですが、彩色が美しい地図です。金町関所は明治2年に廃止されましたが、明治維新からの混乱が残っている時代なので、江戸時代の地形が色濃く残っています。

 真中が、現在の松戸市街です。江戸川沿いに左下(南西)から水戸街道が通り、金町関所跡(現在の金町ポンプ所)の所までつながっています。「松戸の渡し」の対岸には、松戸側から道が伸びているのが分かります。

 江戸川の上流側を見ると、江戸川沿いに現代の松戸の街並みが続きます。


 金町関所跡(松戸の渡し)の堤防から下流側の景色です。「松戸の渡し」から200m程下流に葛飾橋(かつしかばし)があります。

 明治44年(西暦1911年)に初代の葛飾橋(木橋)が架設され、松戸の渡しは、その役割を終えました。
 木橋なので、痛みが早く、昭和2年(西暦1927年)には鉄橋に架け替えられています。
 さらに、時代は変わり、現在の水戸街道(国道6号線)は、さらに約1km下流にある新葛飾橋を通過しています。

 「松戸の渡し」の松戸側は、江戸川と下総台地の高台との間の距離が近いので、対岸の町のすぐ後ろに崖の森がが続きます。

 次回は、「松戸の渡し」の対岸にある松戸側の話に移ります。

(1)前回までの「逆井の渡し」「平井の渡し」「にい宿の渡し」「小岩・市川の渡し」「今井の渡し」「矢切の渡し」のブログは以下の通りです。
 「名所江戸百景277 第67景 逆井のわたし 平井諏訪神社と旧中川」
 「名所江戸百景279 第93景 にい宿のわたし 蛇行する中川の流れと歴史」
 「名所江戸百景280 第94景 真間の紅葉手古那の社継はし 元佐倉道と小岩市川の渡し」
 「名所江戸百景281 第71景 利根川ばらばらまつ 今井の渡し」
 「名所江戸百景282 第67景 逆井のわたし 旧中川のシラサギ」
 「名所江戸百景283 第67景 逆井のわたし 旧中川のふれあい橋」
 「名所江戸百景030 第93景 にい宿のわたし 矢切の渡し」
 「名所江戸百景031 第93景 にい宿のわたし 柴又帝釈天」

 今回は、これで終わりとさせていただきます。

 今年の3月に母親が倒れてから、家の用事と仕事で、遠くに旅行に出かけることは難しくなりました。母親の回復もゆっくりですが、家の中では自由に動ける所まで回復しており、ホッとしています。ご心配おかけしました。
 (今後、厳しいことも言わざるえない時もありますので、先に、これまで「いいね!」をいただいた方を含め、この場でお礼申し上げます。)
 4月の桜の季節だけ、車で親の病院の送り迎えする間の待ち時間に、その近くで桜撮影をしたこともありました。
 両親も回復してくると、全く旅行に出かけなくなった「くまドン」を逆に心配して、「少しはどこかに旅行に行ってきなさい」と両親に言われる有様です。前にも書いたように、8月からは、休みの日で家の用事の無い時間帯に、たまには、東京都内・周辺の近場に撮影に出かけられるようになりました。
 今回の写真は、東京周辺だけですが、2月の旅行以来で、ひさしぶりに丸1日・車で旅行した写真です。
 (一日中、曇りの日でしたから、風景写真撮影に向いておらず、歴史関係の見学旅行となってしまいましたが)

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