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ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

労働組合の統制権

2011年12月25日 11時49分19秒 | 労働法
労働組合の統制権の正当化


労働組合は組合員への統制権を有する。

これについて判例(最判平成19年2月2日)は
「労働組合は、組合員に対する統制権の保持を法律上認められ、組合員はこれに服し、組合の決定した活動に加わり、組合費を納付するなどの義務を免れない立場に置かれるものであるが、それは、組合からの脱退の自由を前提として初めて容認される」
としており、脱退の自由を実質的に認めない状況にする合意は公序良俗に反し無効になる。


なるほど~。

憲法上、法律上認められているから、だけではなく、脱退の自由があるから組合員に対しても強制できるようです。


そして、問題になるのが、ユニオン・ショップ協定であります。

憲法28条は、労働組合を結成する権利を保障(積極的団結権)したものと解され、労働組合に加入しない権利(消極的団結権)を保障したものではないと解される。

そのため、ユニオン・ショップ協定自体の有効性は、
事業場の過半数の労働者を組織する労働組合が、組合選択の自由を制約せず少数組合の団結権を侵害しない範囲内でのみ有効である、とするのが通説である。

具体的には、
1.企業内にユニオン・ショップ協定を締結した労働組合しかなく、一定期間内に労働組合に加入しない労働者や脱退・除名された労働者は、ユニオン・ショップ協定が及び、解雇される。
2.企業内にユニオン・ショップ協定を締結した労働組合がおり、当該労働組合に加入していない労働者が別組合を結成している場合には、この者にはユニオン・ショップ協定は及ばない。
3.企業内にユニオン・ショップ協定を締結した労働組合があり、当該組合から脱退・除名された労働者が、既存の別組合に加入したり、別組合を結成する場合には、この者にはユニオン・ショップ協定は及ばない。


まとめると、単独の組合なら非組合員は解雇可能で、ユニオン・ショップ協定は有効。
他に組合があって、そこに加入する又は新たな組合を結成する場合には、ユニオン・ショップ協定は及ばない。

非組合員になる自由を認めないってことでしょう。




さらに問題になるのが、期間の問題です。

ユニオン・ショップ協定がある組合から除名・脱退した場合、別の組合に加入するか、別組合を結成するかの自由があり、即時になすことが困難な場合がある。
この場合に、除名・脱退した時に、使用者から解雇をさせられるとするのは、期間の猶予を与えず一方的に不利益を被るのであるから、期間の猶予が必要と考えるべきです。


菅野先生は、ユニオン・ショップ協定に基づき、当該組合が使用者に対し解雇要求した時点で他組合に加入していなければ解雇は有効とする見解だそうですが(判例百選第86、解説参照)、厳しすぎるといえるでしょう。

刑事系

2011年12月24日 13時35分08秒 | 刑法
共同正犯を基礎付ける事情(肯定する事情)の一つに、報酬の授受や約束があります。


50万円払うから空き巣に入る家への送り迎えを頼む
→共同正犯を否定する方向に働く
∵犯罪の成否に関係なく犯罪の成功が自己の犯罪とは思えない


空き巣に入って300万円盗むのに成功したら50万円払う
→共同正犯を肯定する方向に働く
∵犯罪の成否に関係があり、自己の犯罪として成功するように関与する



反抗抑圧があったかどうかは、様々な事情が関係する。

年齢差
青年と老人

体格差
筋肉質とガリガリ

身長差
190cmと160cm

場所
自宅と街中
密室と山中

性別
男と女

武器
素手とナイフ

時間
昼と夜

実況見分調書

2011年12月24日 00時27分03秒 | 刑訴法
実況見分調書の現場指示と現場供述の区別は非常に難しい。


立証趣旨が犯行再現状況であれば、その犯行ができるかどうか、客観的な可能性や供述の信用性を担保するためといえるので、321条3項の要件のみで証拠能力が認められる。

立証趣旨が犯行状況であれば、それは現場供述になるため、伝聞法則の適用がある。


しかし、立証趣旨が犯行再現状況であっても、公訴事実を争っており、その関係上、立証趣旨に拘束されるとおよそ無意味な証拠になる場合には、検察官の掲げる立証趣旨とは異なり、実質的に判断して立証趣旨を変更して考慮することが必要となる。



事例研究刑事法Ⅱの第4部問題7はこれらを詳細に記載してくれていますが、消化不良気味です。

国会議員

2011年12月23日 23時27分53秒 | 労働法
素朴な疑問だが、国会議員にも労働法の適用があるのでしょうから、有給休暇は存在するのでしょうかね。


元々歳費という給料を受け取っているのですから、自由に休暇を取ろうが働こうが、究極を言えば、365日全く働かなくても歳費を受け取ることは可能なんでしょうね。

県会議員や市会議員も同じなんですかね。

答案構成

2011年12月23日 18時52分28秒 | 論文
新司の論文は、長文であり、検討すべき事項が大量にあります。

なので、答案構成も長時間掛けなければできませんが、答案を書く時間も必要になります。


答案構成には、35分~45分を目安にして、45分を過ぎたら強制的に書き始めることとしています。

だいたい、5枚~7枚が限度です。

平均すると5枚目の途中が多いです。


もっともっと書く訓練が必要です。

捜索差押と関連性

2011年12月23日 15時20分59秒 | 刑訴法
刑訴法の捜索差押令状における、差押え物と令状との関連性の問題で、関連性があるかないかの判断には、何らかの犯罪の証拠となるかどうかが関係してきます。

そして、被疑者や目撃者等による供述と合致する直接又は間接証拠であれば、関連性は認められますが、この合致するということに触れていなければ、なぜ直接又は間接証拠になるのかの説明がうまくできませんので、記述しなければなりません。

結構忘れがちです。

犯罪との関連性では、抽象的すぎるので、犯罪に関する供述と合致する証拠である、と言えれば、関連性はある、と言えるからです。



忘れがちな問題として、行政法の裁量権の逸脱、濫用について、そもそも当該処分の裁量が認めれらるか、ということもあげられます。
裁量権が認められないのなら、裁量権の逸脱、濫用は問題にならないからです。

肝に銘じておきます。

逮捕に伴う捜索差押え

2011年12月16日 09時00分04秒 | 刑訴法
逮捕に伴う捜索差押えができます。

これがどの範囲かというのは争いがありますが、証拠存在の蓋然性が高く、捜索差押えよりも強度の人権制約たる逮捕が行われていることから、捜索差押えは認められると考え、通常の捜索差押えと同様、被逮捕者の管理権の及ぶ範囲まで認められると考えます。


では、逮捕に伴う捜索差押えの場合に強制採尿まで認められるのでしょうか?


強制採尿は、判例では捜索差押え許可状に医師をして医学的に相当な方法で行わせなければならないのですが、この条件付き令状によってのみ認められると考えると、やはり通常の捜索差押え許可状とは異なると考えるべきでしょう。

そうすると、逮捕に伴う捜索差押えには、このような条件付きになるわけではないので、やはり認められないと考えます。

任意捜査

2011年12月15日 08時59分45秒 | 刑訴法
捜査活動か行政活動かは流動的であるから、犯罪の嫌疑が濃厚な場合に職務質問のための停止させる行為の適法性について高裁判例がありました。


これでどちらでもいいと思います。


その前に、
『疑問(゜ω゜?)は何か』
犯罪の疑いの濃厚な者が拒否し、逃げようとした場合に、警察官の自動車を停止させた行為の適法性は何を根拠?

行政警察活動として警察官職務執行法2条1項?

任意捜査として197条1項本文?


辰巳は後者のみ、伊藤塾は前者のみしか言及していない。



東京高判平8年9月3日
「所論は、警察官がバッテリの配線を外したことの違法性を主張するが、原判決が説示しているとおり、右措置は、被告人が興奮してその運転車両を前後に移動させるなどしている状況にあって、職務質問及び任意同行の説得の継続が困難と認められたため、警察官職務執行法上の停止させる措置ないし任意捜査の必要上許容される措置として行われたもので、手段としても相当であり違法とはいえない」
「道路運送車両法違反についての嫌疑が濃厚であり、任意同行等の必要性及び緊急性が高かったと認められ」、「警察官がこの種事犯の通常の事件処理の方法に従い任意捜査を選択した」



このように判例は、行政警察活動の職務質問と任意捜査が流動的であることから、両方に触れたのだろうと思います。

職務質問

2011年12月15日 00時48分26秒 | 刑訴法
警職法2条1項の「停止させて」の論点があります。

しかし、この警職法は行政警察活動の条文のはずです。

とすると、捜査活動の場合は、任意捜査として、刑訴法197条1項本文の話になるはずです。


では、犯罪の嫌疑が濃厚な状態で、職務質問を開始し、継続が必要な場合の有形力行使の適法性はどの条文を対象にして論じるべきなのでしょうか?


行政活動か捜査活動かで適用条文が変わるというのは、辰巳では習いましたが、伊藤塾では違うようです。

うーん、正解がわからない。


そもそも行政活動と捜査活動の違いは流動的であり、区別不可能と考えると、両方を論じる必要性もありそうな気がします。


停止させるための有形力行使は、警職法2条1項で検討すべきと考えていてもいいのかなぁ。
こう考えていたのに、辰巳の答練で否定されたので、改めていたら、伊藤塾でまた否定された…。

労働法

2011年12月12日 00時52分20秒 | 労働法
労働法の講座は、やっと半分が終わりました。

懲戒処分のところあたりです。


労災
退職金
非違事案
休暇、休業
賃金

このあたりをやりました。


労災のところは、業務遂行性と業務起因性がちょっと難しいです。


あとは、賃金のところは、時間外労働が25%、休日労働が35%、深夜労働が25%の割増賃金
休日かつ深夜労働だと60%
時間外かつ深夜労働だと50%
というのは初めて知りました。

休日、休暇、休業は違う概念であることが要注意。

ようやく

2011年12月11日 13時57分24秒 | 労働法
ようやく労働法に時間を費やせるようになりました。

講義が3分の1を過ぎたところ。

今日中に半分までいきます。


基本書読むだけだと分からなかった部分がたくさんありました。
やはり独学だけでは危険です。


判例理論が面白いのが多いです。

肢別

2011年12月07日 08時46分23秒 | その他
今日は新司の願書の締切日です。

連絡が来ないから受理されたんだろうかな。


肢別本の活用は、

○知識の確認のみ

×知らないことを学ぶ学習には向いていません。むしろやった気になり危険です。


肢別本は確認のためであって勉強のためにはしてはいけない本だなと思います。

私も昔3科目持っていて知識が浅いうちに解いていましたが全く記憶に残りませんでした。

なぜなら○か×しか興味がなく、何が問題かについて深く追求しないからです。

きちんとやるなら択一過去問を解く方がいいと思います。

解説資料もきちんと載っていますから。


予備試験受験生に肢別本だけはオススメしません。


択一が取れるようになっても論文には直結しません。
判例もきちんと載っていませんし。

大学の自治

2011年12月06日 08時40分32秒 | 憲法
大学の自治による部分社会の法理は、処分違憲だけでなく、法令違憲(規律違憲?)にも使えるのでしょうかね?


大学内部の規律自体を制定することは当然許されるし、これに従った処分も同様に許される。

しかし、制定された規律が被処分者にとっての権利を侵害する場合、規律自体を違憲主張し、その規律に基づく処分も違憲であるというのも成り立たないとはいえなさそうな気がします。