労働組合の統制権の正当化
労働組合は組合員への統制権を有する。
これについて判例(最判平成19年2月2日)は
「労働組合は、組合員に対する統制権の保持を法律上認められ、組合員はこれに服し、組合の決定した活動に加わり、組合費を納付するなどの義務を免れない立場に置かれるものであるが、それは、組合からの脱退の自由を前提として初めて容認される」
としており、脱退の自由を実質的に認めない状況にする合意は公序良俗に反し無効になる。
なるほど~。
憲法上、法律上認められているから、だけではなく、脱退の自由があるから組合員に対しても強制できるようです。
そして、問題になるのが、ユニオン・ショップ協定であります。
憲法28条は、労働組合を結成する権利を保障(積極的団結権)したものと解され、労働組合に加入しない権利(消極的団結権)を保障したものではないと解される。
そのため、ユニオン・ショップ協定自体の有効性は、
事業場の過半数の労働者を組織する労働組合が、組合選択の自由を制約せず少数組合の団結権を侵害しない範囲内でのみ有効である、とするのが通説である。
具体的には、
1.企業内にユニオン・ショップ協定を締結した労働組合しかなく、一定期間内に労働組合に加入しない労働者や脱退・除名された労働者は、ユニオン・ショップ協定が及び、解雇される。
2.企業内にユニオン・ショップ協定を締結した労働組合がおり、当該労働組合に加入していない労働者が別組合を結成している場合には、この者にはユニオン・ショップ協定は及ばない。
3.企業内にユニオン・ショップ協定を締結した労働組合があり、当該組合から脱退・除名された労働者が、既存の別組合に加入したり、別組合を結成する場合には、この者にはユニオン・ショップ協定は及ばない。
まとめると、単独の組合なら非組合員は解雇可能で、ユニオン・ショップ協定は有効。
他に組合があって、そこに加入する又は新たな組合を結成する場合には、ユニオン・ショップ協定は及ばない。
非組合員になる自由を認めないってことでしょう。
さらに問題になるのが、期間の問題です。
ユニオン・ショップ協定がある組合から除名・脱退した場合、別の組合に加入するか、別組合を結成するかの自由があり、即時になすことが困難な場合がある。
この場合に、除名・脱退した時に、使用者から解雇をさせられるとするのは、期間の猶予を与えず一方的に不利益を被るのであるから、期間の猶予が必要と考えるべきです。
菅野先生は、ユニオン・ショップ協定に基づき、当該組合が使用者に対し解雇要求した時点で他組合に加入していなければ解雇は有効とする見解だそうですが(判例百選第86、解説参照)、厳しすぎるといえるでしょう。
労働組合は組合員への統制権を有する。
これについて判例(最判平成19年2月2日)は
「労働組合は、組合員に対する統制権の保持を法律上認められ、組合員はこれに服し、組合の決定した活動に加わり、組合費を納付するなどの義務を免れない立場に置かれるものであるが、それは、組合からの脱退の自由を前提として初めて容認される」
としており、脱退の自由を実質的に認めない状況にする合意は公序良俗に反し無効になる。
なるほど~。
憲法上、法律上認められているから、だけではなく、脱退の自由があるから組合員に対しても強制できるようです。
そして、問題になるのが、ユニオン・ショップ協定であります。
憲法28条は、労働組合を結成する権利を保障(積極的団結権)したものと解され、労働組合に加入しない権利(消極的団結権)を保障したものではないと解される。
そのため、ユニオン・ショップ協定自体の有効性は、
事業場の過半数の労働者を組織する労働組合が、組合選択の自由を制約せず少数組合の団結権を侵害しない範囲内でのみ有効である、とするのが通説である。
具体的には、
1.企業内にユニオン・ショップ協定を締結した労働組合しかなく、一定期間内に労働組合に加入しない労働者や脱退・除名された労働者は、ユニオン・ショップ協定が及び、解雇される。
2.企業内にユニオン・ショップ協定を締結した労働組合がおり、当該労働組合に加入していない労働者が別組合を結成している場合には、この者にはユニオン・ショップ協定は及ばない。
3.企業内にユニオン・ショップ協定を締結した労働組合があり、当該組合から脱退・除名された労働者が、既存の別組合に加入したり、別組合を結成する場合には、この者にはユニオン・ショップ協定は及ばない。
まとめると、単独の組合なら非組合員は解雇可能で、ユニオン・ショップ協定は有効。
他に組合があって、そこに加入する又は新たな組合を結成する場合には、ユニオン・ショップ協定は及ばない。
非組合員になる自由を認めないってことでしょう。
さらに問題になるのが、期間の問題です。
ユニオン・ショップ協定がある組合から除名・脱退した場合、別の組合に加入するか、別組合を結成するかの自由があり、即時になすことが困難な場合がある。
この場合に、除名・脱退した時に、使用者から解雇をさせられるとするのは、期間の猶予を与えず一方的に不利益を被るのであるから、期間の猶予が必要と考えるべきです。
菅野先生は、ユニオン・ショップ協定に基づき、当該組合が使用者に対し解雇要求した時点で他組合に加入していなければ解雇は有効とする見解だそうですが(判例百選第86、解説参照)、厳しすぎるといえるでしょう。