ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

異議を留めない承諾

2009年08月06日 19時03分11秒 | 民法
色々学んでます。
択一知識の不安な部分が補われているようです。


単なる承諾は、異議を留めない承諾になるか?


異議を留めない承諾は、観念の通知に公信力を認めて、信頼した第三者たる債権の譲受人を保護すること。

また、抗弁の存在は外部からは明らかでない。


そこで、異議がないことを明示しなくても抗弁の存在を主張しなければ、単なる承諾は異議を留めない承諾になるというべきである。

よって原則、異議を留めない承諾になり、例外的に抗弁の存在を主張すると異議ある承諾になる。


このように考えると異議を留めない承諾は債務者に大きな不利益になることから酷とも思える。


しかし、抗弁の存在は外部からは明らかでなく、取引の安全を確保する必要がある。

また、債権譲渡に関与できないが、承諾時に債権譲渡の認識はあるのであり、第三債務者には譲受人に抗弁を主張する機会が与えられている。


よって不当とまではいえない。

論文基本問題120選

2009年08月06日 01時25分55秒 | 民法
民法の論文基本問題120選を解いています。

結構簡単な問題に見えて、難しい問題点が記述されています。


例えば、

・売買の買主から買った第三者が登場後、売主が解除した場合に、解除前の第三者が保護されない場合に、目的物が第三者の不可抗力によって滅失した場合、解除権者の原状回復請求と第三者の関係は?


ぱっと考えると、第三者とは契約関係にない。
しかし、直接効果説を考えると、本来の買主とも契約関係は消滅する。

原状回復義務が不当利得の特則だから、第三者との関係は…と考えると、何とか考えられそうです。

自説は、危険負担の類推適用できすが、第三者とも関係するか…。



・代理人が本人に依頼された内容と間違った表示をした場合、錯誤無効が主張できる?錯誤無効のできない場合は、表見代理?

代理人に瑕疵がありそうでも主張できなければ、それは、瑕疵がないことになる。



・連帯債務者の物上保証人への競売申立、正本の送達は、主債務者の時効中断する?

C-Bookにも記載されていましたが、さらっと書かれているぐらいの内容ですので、知りませんでした。

平成21年度民法第1問

2009年08月06日 01時17分59秒 | 民法
平成21年度民法第1問の問題で、父親が息子に絵画の売買を委任したことをやめたのは、委任の解除にあたりそうです。

とすると、遡及効はなく112条の問題になると考えられます。

109条は、代理権が取消や無効によって遡及的に消滅し最初からなく、有効な代理権がないのに、あるかのうような外観を第三者に表示している場合に問題になるようです。


委任をやめたのに、委任状を放置していた場合に、新たな代理権授与として表見代理が成立するのは、有効な代理権が存在し、消滅したことを第三者から判別できない場合なので、112条だと思います。

本問においても父親は、委任をやめていますが、詐欺でも錯誤でもないので、解除として将来効となる気がします。

ただし、詐欺、錯誤のため取り消したとの条件を付するのならば、109条の問題になりそうです。

ちなみに私は、
代理権授与行為と委任契約は有因であり、委任を取消したことにより、代理権授与行為も消滅するが、112条による表見代理で相手方は保護される可能性があるといった風に書いたので、
消滅であれば、109条の問題、しかし、ただ取消しただけなら、解除として112条の問題としないといけないのに、そのような場合分けも言及もしていません…。