ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

ハイレベル編第8回復習終了&民法と刑法

2005年03月01日 00時22分48秒 | 民法
ハイレベル編第8回の復習がやっと終わりました。間違った問題全体と正解している肢も全部検討していると時間が経つのが早いです。

先日、とある人と民法の話になって以下の本を紹介してくれました。さわりだけを読むと非常に面白かったです。
『刑法と民法の対話』

特に不法原因給付についての話が興味深かったです。金銭についての理解が難しいです。

金銭は占有者=所有者になるのが通説ですが、ある物を買ってきてほしいと頼まれ金銭を預かると金銭は預かった人のものになり、使い込むと横領になりますが、預けた人は不当利得の返還請求により返還すると思います。

しかし、不法原因給付になると話が複雑になり、麻薬を買ってきてほしいと頼まれ金銭を預かった人が使い込むと横領になりますが、預けた人は不法原因給付となり、返還請求できません。

しかし、ここで問題が発生し、預かった人は麻薬を買うと麻薬取締法違反で罰せられるし、使い込むと横領になる。ということは、預かった人が不法行為をしないようにするには、預けた人に返還請求を認めたほうが刑法的には不法行為がなくなるのではないかということです。

そこで、どのような法律構成をするかというと、金額所有権とか、寄託の場合のみ金銭の所有権を認めるとかがあるみたいです。

でも、実際の実務では、不法原因給付や不法原因寄託の犯罪行為で悩むことはほとんどないようです。訴えた方が罰せられる可能性がありますしね。

この本はあと、占有補助者の話も面白いです。

占有補助者は占有者ではないため、占有訴権がない。コンビニの店員は占有補助者であり、占有訴権はないから、万引犯を捕まえられなくなるが、実際はそんなことはない。実際には現行犯で逮捕ですが、民法的にはこの万引犯に商品を返せという正当な理由がないことになってしまうのでは、という話です。

刑法と民法には占有の概念や金銭の概念についてのズレがあるんだなぁっていうのが分かりました。