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ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

ブルドックソース事件判決

2008年11月08日 12時36分22秒 | 商法
ブルドックソース事件判決にもう少し踏み込んでみます。

ポイントは2つ。


1.株主平等原則に反しないか。
2.不公正な方法によるものではないか。



しかし、この前提として新株予約権無償割当の差止が認められるか。



ブルドック社は、下記の新株予約権無償割当を行っている(抜粋)。

・新株予約権無償割当ての方法(会社法277条、以下会社法は省略)により、
 基準日株主に対し、株式1株につき3個の割合で割り当てる。
・本件新株予約権の行使により払込金額は、株式1株当たり1円とする。
・スティール関係者は、非適格者として本件新株予約権を行使することができない
・スティール関係者の有する本件新株予約権を取得し、その対価として、
 本件新株予約権1個につき396円を交付することができる。上記金額は、
 本件公開買付けにおける当初の買付価格の4分の1に相当する。



新株予約権無償割当について

新株予約権無償割当は新たに払い込みをさせないでその割り当てを受けることができるもの。

ブルドックソース事件については、敵対的買収会社であるスティール社も
割り当てを受けることはできるため、278条2項に反しない。

しかし、新株予約権の権利行使は認められない。


そこで、スティール社は新株予約権無償割当の差止め請求をしている。



まず、そもそも新株予約権無償割当の差止め請求が認められるのか。

247条は募集新株予約権の発行の差止め請求の条文であり、新株予約権無償割当ではない。

本来、新株予約権無償割当は、既存株主に対して割り当てられるものであるから(278条2項)、既存株主を保護する必要性に乏しいことから規定されていない。

しかし、新株予約権の行使に制限が加えられた場合に、法令・定款違反や著しく不公正な方法により行われる場合には、247条同様の差止め請求を認めない合理的理由はなく、247条を類推適用しうる。

LEC後期A型答練商法第6回

2008年11月01日 22時05分29秒 | 商法
LECの後期A型答練商法第6回をやりました。

商法はこれで最終回です。

総合問題でした。

会社法1問、手形法1問。


今回のは難しかったです。特に手形法。


まだ、終了していないクラスもあるので、ネタばれは書きませんが、手形のは難問の部類だと思います。

解答を知ってしまえば、これを書けばいいのかと納得ですが…。


ふぅー。


明日は辰巳の日曜答練商法第2回です。

前回は、第1問で完全に勘違い答案を書いて悔しいので、明日は負けずに頑張ろうっと。


勘違い答案は、問題が小問2問で構成されているのですが、小問1問目で書かなければいけない内容を小問2問目で大々的に書いてしまったのです。

小問1問目は簡単に否定して、小問2問目を厚く論じようと思ったのでした。

しかし、小問1問目にも小問2問目と同じ問題が生じるので、小問1問目でそれを無視して論じてしまったことになるので、評価は最低でしょう。

orz

発起人の行為

2008年10月28日 23時20分25秒 | 商法
辰巳の日曜答練商法第1回をやりました。


1問目でやってしまいました…~~~~。
復習しておきます。





発起人の行為について


発起人の行為は設立後の会社に帰属するか?

本来発起人がした行為が、成立後の会社という別人格に対して行為の効果が帰属するのは、例外的なものである。

この例外的なものをどうして認められるのか。


設立前の会社は法人格がなく、独立の権利主体になれないため、形式的には、発起人に帰属する。

しかし、

設立前の会社であっても、発起人を通じて行動し得るし、実体も存在するため、設立前の会社は権利能力なき社団というべきである。

そこで、

設立前であっても発起人の行為は設立前の会社に実質的に帰属し、設立によって形式的にも会社に帰属するのである。



では、いかなる発起人の行為が設立後の会社に帰属するのか?

設立後の会社に帰属するためには、発起人の権限内でなければならない。

また、設立前の会社は発起人を通じて行動するのであるから、設立前の会社と発起人の権限は同じというべきである。



1.会社の設立を直接の目的とする行為

これには、定款の作成や払込取扱銀行への手数料や登録費用等がある。

これらは、会社の設立にとって不可欠なものであるため、発起人の権限内であり、会社に帰属する。

そして、未払い債務があれば設立後の会社が負担し、発起人が支払済みであれば、定款の記載の有無に関わらず、発起人は会社に支払った額を求償し得る。


2.会社の設立に必要な行為

これには、設立事務所の賃借料、事務員の人件費等がある。

これらは、発起人の権限なのか?

思うに、設立前の会社は設立が目的であるから、その目的達成のために事実上、経済上必要な行為を発起人の権限というべきである。

とすると、これらの行為であれば、定款に記載なくても設立後の会社に帰属する。


3.財産引受

会社のために、成立後に財産を譲受ける旨の約束(28条2号)

これは、会社設立に事実上、経済上必要な行為ではなく、会社設立後に必要となる開業準備行為の一種である。

とすると、発起人の権限外の行為である。

もっとも、定款に記載すれば例外的に認められるものである。

そして、これを設立後に追認し得るかについては、

28条2号が定款記載を要求したのは、会社財産の流出を防止し、健全な会社を設立することを目的としたものというべきである。

とすると、定款記載なければ権限外であり、健全な会社設立のため、厳格に解し、事後の追認は許されないというべきである。


もっとも、新たに事後設立として(467条1項5号)なら可能である。




4.開業準備行為について

財産引受以外の開業準備行為については、法律上も認めていないのであるから、発起人の権限外であり、設立後の会社に帰属しない。

当然、追認も認められない。

危機一髪

2008年10月27日 23時27分17秒 | 商法
午前中、LECの商法第4回、昼御飯を30分で済ませ、午後一で辰巳の商法第1回を済ませました。

結構ハードでした。


その後、美容院に行ってきました

2か月ぶりの髪切り。結構伸びてました。


いつもは、電車で自宅から30分ぐらいのところにあるのですが、自転車で20分ぐらいらしいという話を聞いて、自転車で行って参りました。

行きはちんたら行ったので、25分ぐらい掛かりました。

で、髪を切ってもらって、帰りはちょっと用事があったため急いだら15分で到着。

その後、着いて15分ぐらいしたら、雨がどばーっと降ってきました。

危機一髪でした。ラッキー!!


帰ってから、昨日受けた短答オープンの復習と、今日の論文答練の復習をしました。

辰巳の日曜答練は学者答練でMD講義があるので、明日はそれを聞きながら通勤しようっと

商法第2回~4回

2008年09月15日 15時48分42秒 | 商法
論文予想答練第2回~第4回をやりました。

一番難しかったのは、第4回。総則は難しいし、忘れやすい~。


さて、疑問点!

会社法の招集通知の瑕疵と決議取消訴訟の裁量棄却(831条2項)について

決議取消の訴えが株主からなされても裁判所は、裁量棄却をなしえます。

それは、招集手続の法令違反である場合であって、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものと認められる場合です。


さて、辰巳の解説では、総議決権の0.2%の株主保有者Aに対して招集通知漏れがあった場合、総議決権の80%の株主が出席し、70%の賛成多数で決議された事項について裁量棄却されないとあります。

新会社法Q&AのP293では、
「例えば、招集通知を欠いていた株主の数がごく少数にとどまり、それらの株主が議決権を行使したとしても明らかに決議内容に変更は生じないと認められる場合には、831条2項が適用される」
とあります。


辰巳の解説では、Aが参加して発言、討議によって、決議内容が変更される可能性があるならば、裁量棄却はできないとしています。

これを推し進めれば、1議決権分の株式を所有する株主に招集通知漏れがあったとしても、その発言により変更がある可能性がある限り、瑕疵があるとして裁量棄却できないことになる。


これはやっぱり不当な気がします。

判例百選は、20名分の株主に招集通知漏れがあった場合のようで、このような場合には、決議の結果に影響を及ぼさないと認められる場合であっても、招集通知手続の瑕疵は重大であるとして、裁量棄却できないとあります。


すなわち、瑕疵の程度を考慮する必要があると思います。

瑕疵が重大であるか否かは、内容+程度が必要かなぁと。

論文予想答練商法第1回

2008年09月02日 00時54分20秒 | 商法
論文予想答練商法第1回をやりました。

答案用紙がないので、ルーズリーフを2枚用意して書きました。

第1問は会社法、第2問は手形法と、典型的な問題でした。

第1問は会社法の一桁条文も問う問題で、要件を正確に覚えていませんでしたが、条文の趣旨から何とか守れるだろうといった感じです。


オークションで取得したので、採点がないためなんともいえないですけど…。


メインはまだ民法のスタ100をやってます。
民法百選は2冊読んで、結構すっきりです。


択一後からやったことは、
結構放心状態だったので、1カ月ぐらい無駄に…。

民法判例百選2冊読破
会社法判例百選1冊読破
刑訴法判例百選10問
スタ100民訴法50問
スタ100民法116問
ぐらいです。

ちょっと少ないですかね~。

商法

2008年07月13日 18時04分12秒 | 商法
ふぅー。

ようやく、商法が終わりです。
会社法、手形法、総則、商行為とやってきました。
1か月かけました。というか、掛かりました。

民訴法、民法もちょこちょこやりながら。

来週は論文試験ですね。

実は、去年の論文試験を見たことがないので、見たことがない本試験の過去問としてドキドキして検討しようと思います。

LECのハイレベル商法

2008年01月20日 00時31分10秒 | 商法
LECからハイレベル商法の答案が返却されました。

初めて、ちょっと採点者がよくない気がしました

いくら論証が不十分とはいえ、「20点」はないと思います。
逆鱗に触れたのかなぁ…。ショック。



今回も356条の「自己又は第三者のために」の意義が必要のようです。
うそーっ。


出題とは異なりますが、例えばこんな問題。

「不動産業甲社の代表取締役Aが、甲社が検討していた非常に利益が期待できる土地を自己の資金で自己名義のために購入した。」

さて、この場合に、取締役会が必要な競業避止義務の「自己」「のために」を論じる必要性はあるのか??これを論じるのが論証主義ではないだろうか?

Aは自己のために購入しており、「自己」「のために」の要件は満たすでいいのでは?

解釈によって結論は異ならないのなら、すっ飛ばしてもよいと考えるのですが…。

取締役会

2008年01月06日 00時22分29秒 | 商法
取締役会の決議が必要な事項について、取締役会の決議がなく行われた代表者の行為について

本来、取締役会の決議がなければ代表者の行為は無効。
しかし、相手方は内部決定について知りうるとは限らない。


そこで、

判例同様、民法93条を類推適用して有効、相手方の悪意、重過失を立証すれば無効主張可能。

∵内部意思と外部への表示行為に不一致がある


これを表見代理(代表者の行為を無権代理)とする構成もあるのかなぁ??

しかし、代表者は包括的代理権を有するので、無権代理とはならないような気がします。



取締役会の決議はあったが、特別利害関係人が参加した決議によるため、特段の事情ない限り決議は無効とした場合も遡及的に決議は無効といえ、取締役会の決議がない代表者の行為であり、民法93条類推適用が妥当でしょう。

LEC後期答練ハイレベル商法第2回

2008年01月05日 17時02分35秒 | 商法
LECの後期答練ハイレベル商法第2回をやりました。

結論から言うと、今回のは良い感じでした。

しかし第1回は、会社法2問だったが、第2回は、手形法と商法総則かい!?
範囲ってこんなんだったのかなぁ??
と思って見てみたら、範囲指定でしたorz。

まあ、予習もなくいきなりやるつもりだったのでいいんですけどね。
http://www.lec-jp.com/shihou/choices/senior/08ronbun/kouki_a.shtml


付録として去年の本試験の問題もあって、きちんと解いてみました。

そんなに難しいことは聞かれていませんが、問われている量が多いぐらいでしょうか。

京都法科大学院の入試問題もありました。

事業譲渡と現物出資の話と商号の話。きちんと条文の要件を満たすかを検討し忘れると終了!となってしまう問題でした。

骨のありそうな問題です。


さて、私は手形については、二段階創造説などという特殊な立場に立っていないのですが、S講師の教えから、債務負担面、債務移転面に分けて論じています。

これの流れを意識すると二段階創造説の模範解答があったのですが、違うはずです。

また、よくある模範解答は形式的移転面、実質的移転面というので書いていますが、この流れは良くわかりません。

ということで、今回私が書いた答案は、採点者がどのような立場で点を付けるのか、また二段階創造説で書いているとして点を付けるのか不安です。


債務移転面を考える際に、権利外観法理(手形法10条類推)により、債務負担する場合、どこかの手形取得者にこれが適用されれば、振出人は手形債務を負担すると理解しているのですが、どうなんでしょう。





今回の問題と似たようなでも一般的な問題を下記に記載します。





「振出人Aは受取人Bと記載し、手形要件を満たした手形を使用人Cに預けていたら、勝手に受取人をCと書き替えてDに裏書し、DがEに裏書した。」


この場合、手形債務負担面として、Aは手形交付がないが、交付契約説から手形の交付も手形債務の負担の有効要件であり、交付がなければ原則負担しない。


しかし、手形取得者を害する。そこで、権利外観法理(10条類推)により手形債務が発生する。



Dに対して債務負担すれば、裏書人Eが仮に悪意であってもDを承継(14条)するので、Dの下で発生するかを検討。



Dは、Aは手形要件ある手形に署名があり、Cが権限外に裏書し、受取人BをCに変造したこと、すなわち、Aが手形を有効に振り出していないことについて善意、無重過失なら保護。帰責性は保管について存在。

よって、Dの下に手形債務が発生する。


ここで、Cが受取人BをCに書き替えたのは、受取人の変造にあたるといえるが、69条は変造前の署名者の負担、すなわち、変造前に記載された手形債務の負担については変造があっても影響を受けないことを記載したもの。

よって、変造は手形債務の発生に影響は受けない。

一方、Dに権利外観法理の適用ないなら、Dの下で手形債務は発生せず、Eの下で田方債務が発生するかを検討。

以上から、振出人AはD又はEの下で手形債務が発生するならば手形債務を負担。


っていうのは問題ないのかが良くわからないです。



その後は、権利移転面の問題ですので、Dが善意取得するかを検討(前提として裏書の連続が問題になるが、形式面から判断する以上、変造があっても問題ない)。


Dが、Cが無権利者であることについて善意、無重過失なら善意取得し、これをEが取得するので、Eが仮にAが振り出していないことについて悪意でも有効な裏書人となって、Aに手形金請求しうる。


Dが善意取得しない場合は、Eは善意取得しない限り、手形の有効な取得者でなく、Aに手形金請求できない。

商法ハイレベル第1回

2008年01月04日 23時27分30秒 | 商法
LECのハイレベル編答練商法第1回をやりました。

なんですか?あの問題は?
ひねりも緩すぎます。

ちょっと簡単すぎて、なめてませんか~???


さて、ひとつ疑問があるのですが、356条の競業避止義務、利益相反取引の禁止における「自己又は第三者のために」の意義って必要なんですか?

会社法になって、これを議論する意義はなくなったという記述をどこかで見た気がするんですが。
#新会社法100問の第二版かな?


また、取締役本人が債務者で、会社が保証人になる場合でも「自己又は第三者のために」の意義を論じていました。意味ないんじゃないですか??

名義だろうが、計算だろうが、同じじゃないですか???


こういう無駄なところを論じるのが、論証主義と取られるんじゃないんでしょうか?

高価品の特則と不法行為

2007年11月12日 01時17分05秒 | 商法
平成13年の問題

高価品の特則として、商法595条があります。

これと、関連して不法行為責任との関係が問題となります。


595条は債務不履行の特則であり、不法行為責任とは、趣旨、要件、効果が異なるため、請求権競合を認める。

反対説
また、595条は高価品であることを明告していなければ、場屋の主人に不測の損害が発生するおそれがある。
これは、不法行為責任でも同じであり、類推適用して不法行為が成立する場合であっても明告がなければ、責任を負わない。

×不法行為が成立するには、故意または過失が必要。もっとも、軽過失については考慮の余地はあるが、重過失または故意ある者については、595条の明告の有無は関係なく、保護に値しない。

よって、重過失または故意ある者の不法行為責任を問う場合には、595条の類推適用はなく、明告がなくとも、高価品の賠償責任を負う。


参考判例