夏の間、すごい繁殖力で隣の森の斜面を覆い尽くしていた葛の葉。
秋風が吹くと、ひるがえる白い葉裏が銀色の風の道を見せてくれる
事から、その風は「葛の裏風」と呼ばれていたらしい。。
葛は空き地等で、どこでもツルを伸ばして繁殖するので厄介者?
扱いされますが、昔は葛の根から葛粉をとったり、茎の繊維で葛布
を作るなど、人々の暮らしと結びついており、風邪薬の葛根湯も葛
の根が主材となっているそうです。
そう言えば、子供の頃風邪をひくと母が片栗粉をお湯で溶いた甘い
葛湯を作ってもらって飲んだ記憶が残っているが・・・
葛をカタクリとか、カタクリノキと呼んでいる地方もあるそうですが、
今では、葛湯の原料の片栗粉はジャガイモのデンプンから作られて
いるそうです。。
森の斜面を覆い尽くして繁る葛の葉、風が吹くと、ひるがえる
白い裏葉が銀色の風の道を見せてくれる。。
「きのうけふ葛葉に嵐吹くことよ」 (白雄)
「秋風の吹き裏返す葛の葉の恨みてもなほ恨めしきかな」 (平貞文)
葛の葉の「裏見」は「恨み」にも通じていたようです・・・
ふだんは葉の裏に隠れて、あまり目立たないのですが紅紫色
の美しい葛の花は、秋の七草の一つにも数えられています。
裏山では、ハゼの木の葉が早くも紅葉始め?