箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ24号 KHR 標的240『チケット』

2009-05-09 02:10:34 | 雑誌[J]
■10日:詳細感想をこちらに移動

先日、拙ブログについて考えることがあり、詳細感想の公開方法を
閲覧制限付きにしようと思いました。
ですが、携帯からはどうも見えないらしいことが分かりましたので、
悩んだのですが、ちょっと開き直ることにします。
# コメントをくださった方々、ありがとうございます。

詳細を分けることなく、今までどおりの公開方法を取って参ります。
もちろん、誤字・脱字や拙文へのご意見は承りますし、どんどんご指摘してくださって
構いません。
しかし、それらすべてにはお応え出来ないことだけ、ご了承戴ければ幸いです。

では、以下、感想です。

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時刻は11時50分。場所は並盛神社。
白蘭に指定された時刻の10分前に到着したツナたち。
そこには、白い布で覆われた、巨大な8角形の台のようなものが
置かれていました。

ハル:『お祭りの山車でしょうか?』
ランボ:『お祭りだもんね~!!』

とのん気な二人ですが、

獄寺:『近づくな!!ミルフィオーレかもしれねえ!!』

流石獄寺、危機管理能力は人一倍あるようです。
空回りすることも多々あるなんてことは敢えて触れないでおきます。

入江:『ゴメンゴメン 言い忘れてたね』 『これは僕らの基地ユニットだよ』

頭に手をやりながら、そう説明をする入江。
今朝早めに運び出しておいたそうです。ツナたちのバイクも収納しておいたとのこと。
バイクの存在は、忘れてなかったのですね。

獄寺:『何か さえねー感じだな… 中を開いたら ポンコツってことはねーだろーな』
入江:『できることはやったよ!!』

まだお披露目されていないとはいえ、10日間一所懸命作ったモノに対する獄寺の
無礼な物言いにも笑って答える入江。
それは、彼の人間的な大きさを示しているようにも思えます。
もちろん、気が弱いとも受け取れますが。

そんな彼らのやりとりを余所に辺りを見回すツナ。
彼は山本とヒバリが来ていないことを気にしているようです。

ツナ:『ヒバリさーん!!』 『山本ー!!』

不意に、大声で二人の名前を呼ぶツナですが、応えはありません。
なんのきっかけもなく突然叫ばれたらビックリするだろうなんて
言ってませんよ言ってません。

了平:『何をやっとるんだあいつら!!』 『決戦だというのに!!』
ジャンニーニ:『まさか 来ないつもりでは…』
京子・ハル:『!』
リボーン:『修行を 失敗した可能性も あるしな』
ツナ:『………』

焦りを隠せず苛立つ了平に、最悪の事態を考え失望の表情を浮かべるジャンニーニ。
同じく、最悪の事態を口にし、表情に影を落とすリボーン。

彼らの言葉を、ツナは無言で受け止めます。
ただ、隣にいる獄寺の表情はかげっていますが、ツナの目は力強いままです。

バジル:『だ、大丈夫ですよ!!きっと来ます!!』
    『それにまだ ミルフィオーレの連中だって 姿も形も見せていないんですから!!』
スパナ:『お』

努めて明るく声を上げるバジル。そのとき、PCのような機器を見ていたスパナが
何かに気付きます。

スパナ:『死ぬ気の炎が接近している…バカでかい』
入江:『何だって?』
スパナ:『異様なスピードだ』
    『ん…おかしいぞ』 『とっくにウチらの位置と重なって…』

言葉を続けるスパナに注目するツナたちの頭上、何かが太陽を遮っていきます。
その影に気付いたスパナ。

スパナ:『!』 『上』

空へ目をやると、そこにあったのは、ゴゴゴという音と共に
渦上に集まっていく黒雲でした。
『カミナリ雲!?』 と騒然となるツナたち。神社にのっかったそのドス黒い雲は、
並盛神社だけでなく並盛町の他の場所でも見れるほど、巨大なものでした。

やがて、渦の中心から光が差し、ツナたちを照らします。
まるでスポットライトのようなその光源は、渦の中心に浮かび上がった、
機械のような白蘭の顔でした。

白蘭:『やあ 諸君♪』

文字通り、高いところから見下ろす彼の顔は、眉毛が麿眉っぽくなっている上、
多くのパーツで成り立っている風なため、唇などにも若干違和感を感じます。
…『うしろの百太郎』かと思いました;

ツナ:『白蘭!!』
ランボ:『オバケ~!!』
京子:『綿菓子みたい』
ビアンキ:『実際は 手も足もあるわよ』

眩しいのか、手で影を作りながら見上げるツナに、
「わあああ」と泣き出すランボ。
呆気に取られる女性陣。京子の感想は、正直意味が分かりません;
ふわふわに見えた…のかな?

獄寺:『幻覚か!!』
クローム:『……ちがうと思う』

このやりとりは、流石にちょっと泣けます。
クロームがイーピンを抱っこしているのはよいですね。
この二人が仲良しなのは嬉しいです。

スパナ:『金属反応がある…』 『巨大な装置だ』

自分の顔型の装置を作成するのが、この世界を手中におさめ、
もう一つ世界を作ろうとしている人の発想とすると、ちょっと愉快です(笑)。
なお、この巨大装置は、前述したように神社だけでなく並盛町の他の場所でも
見ることができます。
雲から人の顔がたれているのはかなり不気味ですね。
後々、超常現象の本や、ニュースのスクープ記事として掲載されそうです。

白蘭:『あれれ?』 『全員連れて来いと 言ったのに揃ってないね』
ツナ:『……』

巨大装置の口は動きますが、瞳が消えてしまったのが不気味さを増しています。
白蘭の問いには答えず、静かに真っ直ぐに巨大装置を見上げるツナ。

白蘭:『まっいいか』 『本番で困るのは 君達自身だからね』
入江:『白蘭サンこそルール違反だ!!』 『基地ユニットとしては その装置は大きすぎる!!』

基地ユニットとしての大きさ制限は確か50立方メートルでした。
この神社の敷地内にある基地ユニットは、それを考慮して作成されているのですね。
叫ぶ入江ですが、白蘭は動じません。

白蘭:『早とちり 直ってないなー 正チャン』
入江:『!?』

敵対関係が明らかになっても、この二人のやりとりは昔のままという感じですね。
そう思うと、入江は常に白蘭の掌の上だったのかなと思います。

白蘭:『僕が背負ってるのは 君達をチョイスの舞台へ連れていくための』 『超炎リング転送システムだよ』
入江:『転送システム!!』
獄寺:『メローネ基地を ごっそり移動させたアレか!!』
リボーン:『つまり戦場は…』 『並盛(ここ)じゃねーんだな』
白蘭:『うん そのとーり。 ただし 知ってのとおり この装置はただでは作動しなくてね』
   『君達に 今日のチョイスに参加する資格が あるかどうか 試す役割も兼ねてるんだ』
白蘭:『ズバリ 500万FV(フィアンマボルテージ)!!』
   『それが君達を チョイスの舞台へ転送するために必要な炎圧なんだ』

満面の笑みでそう告げる白蘭。
500万FVとは、MAXパワーのX BURNERの20倍の数値です。

白蘭:『転移装置を使うには まだハンパない炎圧が必要でね。
    その炎は 君達に自分で用意してもらうのが筋だと思うんだ』
   『いわば チョイスに参加するためのチケットってわけさ』
フゥ太:『そんな…一方的すぎる!!』
ジャンニーニ:『X BURNER 20発分の炎など簡単に用意できっこない!!』

この先の展開がちょっと読めてしまう台詞には、触れないでおきます。
白蘭の宣言に異を唱えるフゥ太とジャンニーニですが、
ジャンニーニはともかく、10年後のフゥ太もX BURNER のことは知っているのですね。
14歳で取得したこの技をツナは、この後も使い続けていたのでしょうか。

白蘭:『その場で炎を灯してくれれば 装置がひろってくれるからね』
   『あ』 『脅かすわけじゃないけど もしできなかったら 僕は君達に失望してこの街を…』
   『こうしちゃうかもね』

言いながら、装置の白蘭の右目が遠くへ焦点を結ぶと、その視線をたどるように
ビームが発射され、山を直撃します。ドオオという爆音が響き、爆発した山肌を
ハルや京子が驚愕の表情で見やります、

了平:『北山の方だぞ!!』
獄寺:『あの野郎!!』
ツナ:『何をしてるんだ!!』 『白蘭!!』

ランボを右脇に抱きかかえた了平と獄寺がいきり立ち、
ツナも激高します。しかし白蘭は意に介していません。

白蘭:『おっとゴメンゴメン』 『顔がすべっちゃった♪』

楽しそうな笑顔のまま、グルルルウと回転する巨大装置。

入江:『あなたって人は…』
リボーン:『たしかに世界を恐怖で支配する素質アリってとこだな…』

怒りを抑えきれない厳しい顔の入江と、陰を落としつつも無表情かつ冷静なリボーン。
もしかしたらリボーンも憤っているのかもしれませんが、むやみに感情を表さない
状況判断力は流石です。

白蘭:『さあ早く 炎を搾りだしてごらんよ』『約束の12時まで あと少ししかないんだからさ
    僕から照射される光がなくなったら タイムオーバーだからね』

カシャンと音を立てて、FVの計測器が空に現れます。
同時に、ツナたちを照らしていた光の輪が小さくなっていきます。
その早さに、思わず声を上げるボンゴレサイド。その様子を、白蘭は楽しそうに眺めています。

白蘭:『さあ おいでってば』

ですが、ツナはじっと白蘭の巨大装置を見上げたまま、動こうとしません。
焦りの色すら見せず、ただじっと立っているツナ。

白蘭:『どうしたのかな?』 『ビビっちゃった?』

挑発するような白蘭の言葉は、最早ただ一人を照らすだけとなった光の中に立つ
ツナにのみ向けられていました。
そんな白蘭に対し、ようやく開いたツナの口から出た言葉は

ツナ:『まだ全員揃ってない』

でした。
炎を灯し、転移装置を稼動させるのは、全員が揃ってからということなのですね。

白蘭:『へぇ ルールを重んじてくれるのは嬉しいな』
   『でも僕には 500万FVを出せない言い訳に聞こえるかな?』
ツナ:『ちがう』 『来てくれる』

ずっと笑顔のままの白蘭と対照的に、ずっと真顔のツナですが、
その目に迷いはありません。

白蘭:『でも タイムオーバーだね』
ツナ:『いいや来る』

かなりの勢いで細くなっていた光は、とうとうツナの顔の一部を
辛うじて照らしていました。
光の中に浮かび上がるのは、ツナの目のみになった次の瞬間。
「ドシュッ」「ボウ」という音共に、巨大な雲属性の炎と水属性の炎が
大きな軌跡を描いて立ち上ります。

ヒバリ:『何してんの君達?』
山本:『よっ』 『待たせたな』

それぞれトンファーと刀を構えたヒバリと山本が到着!
あれだけ激しく飛んで来たというのに、しっかりとヒバリの肩に張り付いている
肩掛け状態のガクランの秘密が知りたいです。
本当は、シャツに強力に縫い付けてあるのではないかと疑いそうになります。

微笑んでいる感じのヒバリの表情は、これから強敵と戦える嬉しさからでしょうか。
山本は、顔や手に包帯を巻いています。彼も、いつもの修行時の格好ですので、
この二人はスーツを受け取ったりする暇はなかったようですね。

獄寺:『10代目!!』
了平:『沢田!!』
クローム:『ボス!』

守護者が全員揃ったところで、ツナへと掛けられる仲間達の声。
既に照射されている光は極僅か。ほぼ点となりつつあります。

ツナ:『よしいくぞ』

静かに告げるボンゴレ10代目。そして、

ツナ:『ボンゴレ匣!!』

左手にボンゴレ匣を、右手の中指に炎を灯したボンゴレリングを嵌めた状態で
腕をクロスし、叫ぶツナ。そして、その腕を元に戻し

『開匣!!!!』

ボンゴレファミリーのボスとその守護者、7人全員がボンゴレリングに炎を灯し、
それぞれの属性の特徴を表す形の炎がボンゴレ匣へと注入されます。
ランボは泣いているようですが、何があったのでしょう?

全員が開匣した次の瞬間、キュアアアという音と共に
並盛神社の敷地に、巨大な光の塊が出現します。
白蘭が背負っていたという装置が拾っているため、一直線に天空へと伸びたその光は
空を覆い渦巻いていた黒い雲を吹き飛ばし、装置の姿を露にしました。

白蘭:『ん?』 『あれ…?こんなことって……』

映写された形になるのか、空に浮かんだままではあるけれども
半透明になった白蘭の顔が、初めてではないでしょうか、驚きの表情になります。
その原因は

『1000万FVオーバー!?』

ツナたちの放った炎圧の高さにありました。
装置が示す数値は「10000000FV」ですね。ということは、
これは1000万FV以上は計測できない機械ということでしょうか。
1000万の位は、どうやら「1」しか表示できないとしても、
100万以下の位は「9」まで表示可能なはずですので。
とはいえ、どうでもよいことですが。

「1000万FV」がどのような値かはよく分からずとも、
白蘭の今までの言葉から、「500万FV」の倍の数値であるそれが
凄いことは分かったのでしょう。驚きのあまり、口をぽかーんと開ける
京子やハルが可愛いです。
成長した教え子達の姿を、ニッと満足げに見守る家庭教師もよいです。

入江:(やはり僕は 間違ってなかった…)
   (彼らをこの時代に連れてきたのは 間違っていなかったんだ!!
    彼らこそ 白蘭サンに対抗しうる唯一の光――― )

眩い光のドームに包まれたツナたちを、遠巻きに見守る入江たち。
彼らの視線の先に居たのは

若き10代目 ボンゴレファミリー!!!

それぞれの匣兵器と共に凛と立つ7人の姿で以下次号!!

まさか、ツナの掛け声で一斉に開匣するとは思いませんでした;
あの開匣のポーズは、必須条件なのでしょうか?
フランが以前「ポーズが必要」といっていましたが、あながち嘘じゃなかったのかな。
なんだか戦隊モノをみているようで、久々に本誌の対象年齢を意識しました(笑)。

どの匣兵器にも、額部分に紋章があるように見えます。
また、我流やツナの相棒には「Ⅰ」という模様も見えますが、
これも意味があるのでしょうか。

ツナの匣兵器は、炎のたてがみを持った、小さなライオンの子供のようです。
サンバイザーを着けているように見えますが、特徴のある尻尾がなかったら
仔犬かと思ってしまいそうです。
しかし、一番最初に開匣したときからすると、この姿は想像できませんでした;
もしかしたら、XANXUSのベスターと同じく、姿を変えるタイプかもしれません。

ランボの匣兵器は、以前出てきた巨大な牛ですね。
獄寺と了平の匣兵器は、額に紋様を付けた瓜と、巨大なバズーカ砲のようなものを
背負った我流を見る限り、どうやらアップデートタイプのようです。
しっかり了平の肩に腕を回している我流は、女の子ということを忘れてしまいそうになります。

ヒバリのは、大きな針の付いた球体を背負い、宙に浮く匣兵器からして
バリネズミのアップデート匣なのかな?
クロームは、ムクロウのアップデートに加え、武器である三叉槍がかなりパワーアップ…
かどうかは分かりませんが、変化しています。
重心が上のほうにあって、持ちにくいのではというのは余計なお世話ですね。
どうやって使うのかは、いまいちよく分かりません;

そして、山本の匣兵器は日本犬のようです。くるんと丸まった尻尾が愛らしい
ハチマキが似合いそうな犬ですが、刀を三本も背負っています。
…こちらも、どうやって使うのかが分かりません。
山本が、多刀を扱う姿は想像できないのですが、犬が刀を三本同時に振るう姿は
もっと想像し難いです;
ですが、刀の本数だけで言えば、山本とこの日本犬のを合わせて、ようやっと幻騎士と対等です。

肩に乗っている雨燕も、アップデートされているように見えます。
ところで、山本の包帯の位置がずれているのはわざとなのでしょうか?(←聞くな)

ツナがボスの顔になってきたことが印象的だった今話。
もちろん、仲間達がツナを「ボス」として位置付けて行動していること、
ツナ自身も「ボス」というポジションに置かれている以上、頑張ってそれに
見合う行動を取ろうと努力していることが根底にあるのでしょう。
しかし、それ以上に、彼自身の力が引き出されてきているのかなと思います。

また、このままチョイスの舞台に移動ということになると、
ディーノやスクアーロ、草壁たちは完全に別行動となってしまいます。
ヴァリアーたちにも是非参加して欲しいのですが、どうなるのでしょう。
ヒバードが今どこに居るのか、ヒバリと山本は着替えるのかといったことも気になります。

なにはともあれ、次回も楽しみです!