タイトルが大仰です。
地元のある町内商工会から
「定山渓鉄道の資料をたくさん持っている鉄道マニアのこむめさん、なんかそれで人の集まるイベントとか出来ないか?」
なんて話が舞い込んでいたのは数年前からでして。
そんなこつ言ってもですね。
結局、商工会さんと折衝すること一人でやる羽目になるとそれはしんどいってんで、いろいろ思案していましたが・・・。
模型運転会と、写真展なら出来るかもなぁ・・・
なんて妄想しておりました。
レイアウト?・・・・無いよ。
車両?・・・・キットちょぼちょぼ集めているだけだよ。
展示できる写真?・・・・それだけはそれなりにあるよ。
てなことで、流石に友人たちに誘っても無理がその時はあると思い。
スクラッチを協力してもらおうにも、そういう非定鉄でのイベントがほかでもあって、
ちょっと仲間たちそちらで疲れていたこともあり。
モンモンとはしていたんです。
人を率いるなんて、そう簡単じゃないし、それって仕事で中間管理職の自分には、
地味にパワフルにやるまでやると仕事が趣味かよくわかんなくなっちゃう。
そこで、更にモンモンとしていたところ
「地域の祭りのためなら、キットエッチング製作の取り計らいまでなら協力してやるよ」
なんて、とても有難いある方が現れて、設計さえ出来れば、キットまでは実費で何とかなる。
という淡い目算があった時点で、仲間に相談しました。
「まぁ、それならちょっと考えても・・・」
という返事を頂き、一切無理強いしないことをお約束で、とりあえず走り始めてみたんです。
まずはキットを作って、内輪で配布して、作って、駒が溜まったら街のお祭り時期などに合わせてやればいいかなということで。
スケジュールはあまり切らずに始めました。
なんせ地域祭りの一イベントになることが目標です。
で、どうやっても製作不可能なモデルから、キットつくりを始めようということで。
車種選定に際し、
ED501はマスターピースから
モハ2200型はキッチンから
モハ2300型はあまぎモデリングイディアから
モハ1200型はしもたか企画から
出ているだけです。
どれも組んだことがあるのですが、どれも今レベルではなく組みなおしている最中であり、
それも平行しなきゃならない上、
やっぱキハでしょ。
キハが無いと面白くないということで、
キット製作の第一段として キハ7000型が皆の話し合いで決まりました。
でも、資料が限られています。
おいらの持っている写真はこの2枚。
ほかのキット製作はとくに別として、何とかしてみようということで描き始めたのが夏。
但し、
キット設計なんて10年以上していませんので、今の設計基準はいろいろノウハウが発達していて、すぐに取り掛かっても、
板キットぐらいしかノウハウがありません。
昔、屋根カーブはどうやって算出したか?
そんなことをチビチビ思い出しながら、またモンモンとしていました。
とりあえず、ネット上の写真も含め、友人たちからも雑誌や書籍を借り、
図面は簡単物しかない状態から、引かなくてはなりません。
ドアのステップもものすごく独特です。
昭和30年代前半、国鉄納品をしていないのに、私鉄DCを受注した日立製作所の製造です。
寸法関係がまったく国鉄サイズを流用していないんです。
ありとあらゆるものが違う。
国鉄DCを作っていたメーカーなら、
たとえばドアとか、たとえば窓配置とか、たとえば屋根アールとか、
結構寸法や規格を流用しているのでやりやすいのですが、
自分の知る限り、
留萌鉄道キハ1001.1002、定山渓鉄道キハ7001~7003.7501は、国鉄のどれにも似ていませんが、
この三形式にはある程度共通点があります。
結果的に、留萌鉄道1001も設計することを目しながら、定山渓鉄道7000を設計するように考えていきます。
竣工図で読み取ることが出来た部分、
・窓は1100mmの大窓であること
・車体幅はキハ10系とキハ20系の中間値であること
・排気管が屋根に無いこと
・・・・そんな程度しかわかりません。
まずは、真側面を捉えた写真がネット上にあったので
それをそのままトレースしてみました。
ボケたラインから推定しながら、左右対象の生かせる部分、ほかの角度から比率を移植して調整する部分を書き上げていきます。
レンズ越しなので、湾曲している部分を推定と考証を持って推測して纏め上げる作業です。
使用ソフトウェアは、職にしていたのと18年近い使用暦のある「アドビ・イラストレーター9.0」です。
まずはイラストを描くことが、自分の模型設計の第一歩なので
書いてみましたが、確かに結構大窓です。
前面も、さまざまな角度から寸法を考えて描きます。
隅Rがあるので、イメージの変化に注意しながら描きます。
車体幅をこのとき、仲間とも議論していた頃なので、実寸100mmの範囲で何度も書き換えました。
この間のクローズSNSでのやり取りの一例
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発信者 : こむめ
「窓配置の確認」
「窓のたて横寸法のイメージが良いか悪いか」
「実は前面の車体幅をいくつにしようか迷っている」
が皆さんに確認いただきたいことです。
お送りした図面は50分の一です。
メールのある方には、図面をお送りいたします。
PDFで送りますが、大きいためにそのままでは不十分な表示です。
CADソフトかイラストレーターにて読み込んでください。
PDFが駄目なら、.aiか.epsに変換して再送できます。
今のところの疑問点と発見箇所
・シルがある!(しらんかった)
・国鉄乗り入れの併結写真を見ると、キハ10系と車体幅が同じではないかと錯覚する
・留萌鉄道キハ1001との関係を見ると、非常に似ている。同じ幅か?それとも、ドアの特殊段差の分だけこちらが車体幅厚いのか?
・側面まどがもうチョット扁平でも良いのだろうか?(1000mmで考えました)
・キハ10系のシルと幅が同じなんだけど、キハ11とかのシルは実際何ミリだろう?
(150の一にしたら0.5mmになるように設計しています)
・キハ10系のシル高さと同じなんだけど、キハ11のシル高さはいくつの数値なんだろう?
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という問いかけとか
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発信者 : こむめ
窓幅を現在訂正中
窓は1100mm幅 窓間400と判明
窓幅を1100mm相当に
窓柱は偶然オッケーでした。
車体幅は2780mmのようなので調整
車体高さも近似値を入力
各種ディテールを準備含めて設置
ただこの作業はすべてやっていかないと、
後から追加は大変なのでこのレベルのディテールでよいか?
給油口は盛り上げ表現でつけるべきか?
排気管がどこにあるか全く解らなくて困っています。
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とか、いろいろわからない部分が出てきます。
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発信者 : 友人 KW
とりあえず
キハ7000
テールライト横のジャンパー線受は定山渓側が左、札幌川が右
らしい・・・
ジャンパー線は前後で同じ方向に寄ってること
屋根に排気管は無い
今のところこの2つ
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発信者 : 友人 MY
議論の余地ありだった車幅の件、ちょいと調べてみました。
定鉄キハ7000・7500
全幅2840/車体幅2700/全高3790/車体高3620
国鉄キハ10系
全幅2758/車体幅2600/全高3710/車体高3500
国鉄キハ20系
全幅2928/車体幅2803/全高2890(キハ20前期)/車体高3680
ちなみに55系もおおよそのディメンションは変わらず。
単純に車幅の数値から言えば、10系と20系の真ん中に位置するようです。
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発信者 : 友人HD
あ、あのぉ…
今頃気になったのですが
キハ20系の全高値って、なんか違いませんか?
全高2890(キハ20前期)
って、キハ10系よりも低いような。
3890の間違いですよね?
きっと…
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発信者 : 友人MY
ほ…ほんとだ…(汗) 仰る通り、3890mmが正解です。
敢えてチョップドルーフ仕様でやってみましょうかw
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などなど。
話したり、仲間と議論していくと
・どうやらこの車の車体は国鉄型とまるで違うらしい。
定鉄キハ7000 全幅2840/車体幅2700/全高3790/車体高3620
国鉄キハ10系 全幅2758/車体幅2600/全高3710/車体高3500
国鉄キハ20系 全幅2928/車体幅2803/全高3890/車体高3680 (キハ20前期)
・排気は床下から排煙していたらしい。(北海道炭鉱私鉄のSLに詳しい友人SD氏らの情報から)
・屋上は排煙無く、きれい
・シルは白帯と太さが一致してない
・台車もプレスアイゼンバーンの書籍から、DT22に似ているけど似ていない独自台車であると判明。(2軸駆動なので、ばね関係、
ボルスタの関係で台車内推進軸が通せず2軸に構造的に無理なDT22ではないという考証はしていた。)
その間、ぼちぼちと設計を進めるかと思えば、
自分の設計って、根詰めて長時間引き篭もらないと出来ないので、平日は無理。
休日はいろいろあって出来ず、
とりあえず
こんな感じ?
精度出して・・・・。
特にHゴムは、実物よりどうしても太くなるので、この取り方、ディフォルメが顔つきを大きく変えてしまいます。
このマークはエッチング無理なのでほかのこと考えましょう。
定鉄文字も、一部まだしっかり決まっていません。
で、
いろいろな記憶を呼び戻すために、
版の裏表の仮つくりをしました。
基本的に、「表から腐食させる、裏から腐食させる、残すところの妙でキットが出来る」
ってことですから、
残すところと腐食させるところを決めていくわけです。
最終的に、裏版反転させる何度のテクニックが必要ですが、
原設計。
(まだ屋根の渡る長さは未決定だから仮ですが、本設計時には完全決めなくてはなりません)
表版
ランナー部分はやっていませんが、シルやHゴム、サボ受け、側灯、靴摺、雨樋などの浮き出す部分を残して塗りつぶし。
裏版。
車体の大部分を残すために車体の大枠。
表版で一面腐食させているので、裏から白い部分で腐食させれば窓などが抜けていきます。
内張りに入る、ドア、サッシなどが無いため、窓などは案外大きくなり、表からHゴム表現がされる固定窓は逆に小さく見えます。
こうしてみると戸袋窓がまだ不自然に思うことも。
図面が無いだけに、時間を置いて、冷静になって眺めることが結構重要です。
図面が無くても「間違いなくこの車両だ!破綻無い!」と言わせたいですし。
↑これはあくまで長期プロジェクトですが来年の中ごろには・・・・。
よろしくお願いします。
キハ7000ですか!私は乗ったことは無い(見た記憶はあるかも)ですが、気になっていた車両です!
私は最近、鉄道写真から鉄道模型へ舞い戻ってきましたが、エッチングキット、組めるかどうか心配ですが、まずはアルナイン系からハンダ付け練習を始めています。発売までにはある程度までに・・・・頑張ります(笑)
楽しみにしていますので、設計頑張ってください!
アルナインキットは貯蓄しているのですが、何時組み始めるか・・・w