昨日、取り上げた干し柿の産地である東出雲町に用事があり、帰りは少し道草を食い、
この時期の風物詩を覗いてみることにした。こうした風景は同町の別の場所で見かける
ことはあるが、まとまった形ではないため『干し柿の里、畑地区』のような風情は感じられ
ない。偉そうなこと言うが実は行ったことはないから初めての訪問になる。
以前、この地区も御多分に漏れず高齢化、後継者不足に悩むと聞いたことがある。町の
中心部から車で15分くらいの所だから、山合ではあるが他の所よりも便利な方だと思う。
干し柿の里の裾野から西条柿が植えられており、集落全体が黄色からオレンジ色に塗
られかけている。そしておばさんたちが一階で柿の皮はぎをし、二階、三階の干し場に
運ばれ裾野から吹く風で乾燥させていく。この建屋にはサッシもあるから雨露によるカビ
防止も万全に為される。
以前、米子のデパートで最高級の干し柿が箱に入れられ、しかも一蔓(10ケ)だけで300
0円もの値段がしていた。1ケ300円、そういえば紀州の南高梅は1ケ500円があった・・
どっちが高い?。ここで生産された干し柿も上物だと2000円くらいはする。
干し柿作業は始まったばかりのようで、木々には未だ沢山の柿がついている。やはり、
プロは摘果作業で毎年、平均的に収穫できるようにしてある。
今、木にある柿を干し柿にするのにどれ位の日数が要るのだろうか?、気の遠くなるよ
うな数だが、そして時間は待ってくれず熟れる前に作業を終えなければならない。
美しい柿色の里を眺めながら、野暮なことを思ってしまった。